The Phantom of the Opera / Gaston Leroux

ガストン・ルルー原作「オペラ座の怪人」

光  

2006年11月10日 | ルルー原作「オペラ座の怪人」
「・・・どれも雪埋もれて、十字架だけが雪のうえに並んでいるようだった。
見えたのは、その十字架の影と僕達二人(ラウルとクリスティーヌ)の影法師だけでした。

教会はまばゆく光輝いていました。夜、あんな光を見たのは初めてでしたよ。
実に美しく、透明で、冷たく冴えわたっていました」


ラウルの言葉です。ミフロワ警視との会話より。(角川P103)

映画の中で、ダーエ家の墓が突然光り出しますが、原作中でも<光>は登場。

原作をお読みになった方は既にご存知だと思いますが、エリックは<電気>を使っています。

P211 「強い光に目がくらんで口をつぐんだ。ほんとうにまばゆい光だったわ。・・・」(クリスティーヌ)

「強い光」というのは白熱灯でなくアーク灯という、白熱灯の前身かもしれませんね。ガス灯のように光の強さを調節できなかったため普及される事はなかったそうです。・・・主に工事現場などで使用されたようです。
・・・・工事現場!!!!!!
(エリックが人知れずアーク灯の中でオペラ座の地下工事をしている姿を想像してしまいました)


その他、電気の使用例としては拷問部屋の温度を自在に操ったりしています。異常に温度の上がるエアコン??
マッドサイエンティスト・エリックですね(^^)


1881年のパリで開催された「国際電気博覧会」で電気で光る「進歩の灯台」が設置され、科学技術の進歩を象徴。
この時、フランスで初めての「電車」が登場。コンコルド広場からシャン・ゼリゼ大通りの会場を結ぶ500Mを走行した。

1844年でパリ・コンコルド広場で電気照明が行われた時の資料も手元にあります。