This is me.

- 無用の用 -

39『きらきらひかる』江國香織

2008-06-30 20:19:51 | 本 2008
江國香織『きらきらひかる』


【内容情報】
私たちは十日前に結婚した。しかし、私たちの結婚について説明するのは、おそろしくやっかいである―。笑子はアル中、睦月はホモで恋人あり。そんな二人は全てを許し合って結婚した、筈だったのだが…。セックスレスの奇妙な夫婦関係から浮かび上る誠実、友情、そして恋愛とは。傷つき傷つけられながらも、愛することを止められない全ての人々に贈る、純度100%の恋愛小説。



多少のネタバレがあるかもや。






これすっと心に入ってきて戸惑った。
痛いほど笑子の気持ちがわかる。
ああ私もそういうふうに振舞いたいんだよ、と思っちゃう。
素直じゃない行動なんだけど、とっても素直。

たぶん私も、私の精神病は正常の域を逸脱していない、んだろうな。
笑子がアル中なら私はニコ中ってとこだろうか。
セックスなんてなくっていいから好きな人と一緒に居たいと思う。
私も前ほどそれの欲はない。別にしなくってもいいんじゃないと思う。子ども欲しくないし。

好きな人が喜ぶ一つの仕事を与えてくれたら私も一生懸命頑張るだろう。

睦月が帰ってきたときに、ああ笑子は僕を待っていたわけじゃないんだ、と安堵するというところが切なかった。
本当に待っていなかったのかな。たぶん睦月が出かけた途端から笑子は睦月の帰りを待っていて、待って待って待ちくたびれて忘れたころに睦月が帰ってきたんだと思う。
そして帰ってきた睦月を見て笑子はびっくりした顔を一瞬してそれからにっこり笑っておかえりというんだろう。

睦月と紺の精子を混ぜて受精させるという考えはわかる。

笑子はとてもかわいくて素敵な女性だと思う。

38『スカイ・イクリプス』森博嗣

2008-06-28 22:06:26 | 本 2008
森博嗣『スカイ・イクリプス』


【内容情報】
綺麗だ。濁ったものはここにはない。なにもかも、消えてしまったから。美しい。空しかない。



さて、毎度の事ながら何を書いたらいいのやら。

ふわ~っとした終り方だった。なんか以外な感じ。と言いながらどんな終り方を想像していたのかはわからないけど。

ちょっと整理するのに時間がかかる。



しかし、この本は外身も中身も美しい。

37『のはなし』伊集院光

2008-06-25 21:16:53 | 本 2008
伊集院光『のはなし』


【内容情報】
伊集院光の魅力が詰まった一冊。こんなエッセイ集を、今まで誰も、読んだことも見たこともないはず。連載5年、構想4年、修正1年。伝説のエッセイ、ついに刊行! 爆笑!感動!鳥肌!の全82話。



これは面白かった。だいたい2ページ半ぐらいで一つの話なのですごく読みやすかった。
伊集院光という人は知ってたけど、高校中退してたこととか楽太郎の弟子だったとかとかそういうこと全然知らなかった。
頭がいい芸能人って印象があるけど、やってること結構おバカで笑えた・・・!
最初ら辺は、ふ~ん、って感じだったけど、半分過ぎたあたりからかなり面白かった。くすくす笑ってしまうので電車の中で読むにはちょっと躊躇われたり・・・。


内容とはちょっと関係ないけど。
ここに上海にある豫園っていう場所の話が出ていたのだが、私は実際にここに行ったことがある。
以前に付き合ってた人が中国で暮らしていたので、遊びに行ったのだ。その人とは、うーん、まぁ、あんまりいい最後ではなかったので、数年前は中国という言葉だけで拒否反応が出ていたのだが、ここでこうやって見つけても特に何も思わなかった。
私ってだいぶ回復?成長?したのかなあって思った。
豫園の傍にあったうなぎ屋が美味しかったなーなんて思い出したり。(ちなみに私はうな丼があまり好きではない。だけど美味しいと思った。)
なんで中国まで行ってうな丼やねん、と思ったり。(日本で出している店が移転しかとかしないとかでかなり有名だったと思う。だけど私たちが行った3日後に閉店するようだった。ギリギリ行けたのはラッキーだった。)
ここに判子の話が出てくるのだが、読んだ時は全く思い出せなかったんだけど、この本の話をしている最中にその彼に判子を貰ったことを思い出したり・・・・・。やっぱり消したい過去だったのか、たまたま忘れていただけだったのかは今になってはわからないが。
あの判子たぶん私のことだからその場の勢いで捨てたんだろうなあ~。これに関しては別に後悔はしていない。

あとがきまでしっかり笑わせてもらいました。

36『銀河不動産の超越』森博嗣

2008-06-17 20:57:01 | 本 2008
森博嗣『銀河不動産の超越』



【内容情報】
危険を避け、できるだけ頑張らずにすむ道を吟味し、最小の力で人生を歩んできた高橋青年。彼の運命を変えたのは、入社した「銀河不動産」だった。奇妙な「館」、衝撃の連続。究極の森エンターテインメント。



うーん、何て言ったらいいんだろう。

ネタバレになるかな。

面白かった。
すごく不思議な雰囲気があるお話だった。


幸せってなんだろうな。

35『イエスの遺伝子(上・下)』マイクル・コーディ

2008-06-13 22:35:21 | 本 2008
マイクル・コーディ/内田昌之『イエスの遺伝子(上・下)』
 


【内容情報】
2002年のアメリカ。天才遺伝子学者トム・カーターは、人間の設計図ともいえる遺伝子の内容をすべて解読する画期的装置を発明する。彼は、八歳になる一人娘ホリーの遺伝子を自らの装置で調べ、ホリーが一年以内に脳腫瘍で死ぬことを知る。娘を救うため、カーターはあらゆる可能性にしがみつく。そして、最後に残された道は、奇跡の治癒能力を持つイエス・キリストの遺伝子の謎を解くことだった―。



なかなか考えさせられる本だった。
実際にそのうちこういうことが起こるんじゃない?という感じ。

私はどこでこの本を知ったのかは忘れちゃったんだけど、どうやらベストセラーになったみたいだ。全然知らなかったなぁ。
それに、ディズニーがこの原作の映画化の権利を買ったらしい。
しかし、調べたところ本当かどうかわからないが、主演ハリソンフォードで調整中というところで、止まっているようだ。
キリスト教の国であるアメリカでは、宗教上いろいろ障害があるのだろう・・・とか。作品中でキリストが可視化されてたから・・・・・・とか。

映画化されないかなあ。ちょっと見てみたい。

34『夜叉の瞳』高橋留美子

2008-06-06 21:54:45 | 本 2008
高橋留美子『夜叉の瞳』



【内容情報】
500年前に人魚の肉を食べた事によって不老不死の体になった青年が元に戻る為に人魚を探す旅に出る様子を描いた作品。(『人魚の森』DVDより)



これは『人魚の森』から始まる人魚シリーズの最後のもの。(だと思われる

『人魚の森』が単行本になって発売されたのは確か小学生の時だったと思う。当時の私にとってはとても高い本だった。気に入って買ったのだがお小遣い欲しさに売ってしまった。けど数年後再度購入したというほど好きな本だ。
その続編が出ていることを先日知って早速購入した。今読んでる本をそっちのけで結局読んでしまった。
このお話とても切ない。どれを取っても。泣ける。

今日読みながらふと思ったんだけど、これって結構グロテスクな描写がある。ホラータッチというのか。私は全くと言っていいほどグロイのはダメなんだけど、これは読める。

もし不老不死になったらどうするだろう。主人公の様に500年も生きられるだろうか。

マンガをカウントに入れるのはどうかと思ったけど、本だからいっかな~。