This is me.

- 無用の用 -

『ツチヤの口車』土屋賢二

2009-07-31 20:50:17 | 本 2009
『ツチヤの口車』土屋賢二


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
恐怖!!身の毛もよだつ理屈の数々!今宵もあの貧相な男が、口車に乗って貴方を誘います…。満身創痍の日々をつづった最新エッセイ。



さすがに7冊目ともなると、飽きるかと思いきや、飽きない。
毎回同じような内容だし、同じような調子だし、しかも同じ人が書いているにも関わらず、飽きない。
恐るべしツチヤ。

もう7冊も読んだのだから、そろそろ自称ツチケンファンと言ってもいいかな。
・・・・・・一冊しか買って読んだことないけど。




今回、『われ大いに笑う、ゆえにわれ笑う』以来の衝撃があった。
「致命的欠陥」というタイトルがあるのだけれど、ここ電車とかで読んでなくてホント良かった。
とは言え、家で、しかも夜中に読んでたので、笑いをこらえるの必死だったけど。
なんなんだろうなあ。
私のツボなんだろうな。まさしく。

一つのことが加わることで、すべてが台無しになってしまう「致命的欠陥」。
私はこれが一番好きだなあ。

「高性能デジカメ機能搭載、画期的携帯電話、通話料格安、超小型、期間限定発売、通話範囲東京タワー周辺限定」

あ、これも捨てがたい。

「抜群の集塵力、コードレス、充電不要、洗練されたデザイン、環境にやさしい重さ二百グラム以下の軽量ワイシャツ」

ああ、これも捨てがたい。

「豪華キャスト、最高の脚本、巨匠がメガホンを取り、制作費百億円、老人の刺激のない一日を描く超大作」

・・・どんな一日だ。

余命

2009-07-29 23:39:14 | Weblog
たぶん、ここで死んだらとかそういうのを考えてたからだと思うが、余命宣告される夢を見た。
(ちなみに前に書いたものとは違う眠りのとき)

そこで自分の中に生まれた気持ちは、後悔でも、悟りでも、そんなものたちとは程遠く、ただただ「怖い」という気持ちだけだった。

空気が綺麗なだけが取り得のような田舎町での酒場にて

2009-07-29 23:15:21 | 空作






「やあ、ハンス元気そうじゃないか」
『ヴィムも元気そうで何よりだ』
「こうやって酒場で一杯やるってのも久しぶりだなあ」
『そうだなあ。
 昔は毎晩呑んだっけ?』
「ああ、ゲラルトと三人で一緒にな!」
『ああ、あの頃は良かった。
 三人で酒を呑むだけで楽しかった』
「まあ、畑仕事ばかりなのは今も変わっちゃいないが、確かにあの頃は良かったよな」
『ああ』

「ところで、お前んとこのかあちゃんは元気なのか?」
『お陰さまで病気一つせずぴんぴんしてるよ。
 今日も朝から息子のギルベルトが何やったんだかしらないが、こっぴどく怒られてたよ』
「女はかっかして怒鳴ってるうちがいいもんだよ」
アッハッハッハ

「そう言えば、ゲラルトが一人もんに戻ったらしいぞ」
『そうなのか?
 うまくいってなかったのか?』
「いや、俺も詳しいことは知らないんだがな。
 どうやらあっちの方でやっちまって、とうとうかあちゃんが出て行ったとか」
『ああ、アイツは昔からそうだった。男の俺でも手に負えないよ。
 仕事は真面目にするやつなのに、女にはどうも弱えんだよな』
「悪いやつじゃないんだけどな。
 男は仕事だ!とかなんとかいつも言ってたじゃねえか」
『ああ、働きものとしては、ゲラルトに勝るやつはいねえ」
「ところで、お前んちはどうなんだ?しっかりやってんのか?」
『おお当たり前じゃないか。
 毎晩手を繋いで寝てるよ』
「かー!いい年こいて何やってんだか」
『まあな。』
「で?あっちの方はどうなのよ?今でも現役か?」
『ん?現役?なんだ?どういう意味だ?』
「お前、別にオレ相手に隠す必要はないだろう」
『オレはお前に何も隠し事なんかしちゃいないぞ』
「お前、まさか、本気で言ってるのか?」
『何がどうしたってんだ?オレはいつも本気だぞ。
 どうした?もう酔っ払っちまったか?』
「・・・」
『何かおかしいか?変か?』
「いや、そんなことはねえんだが・・・。
 ちっと聞いていいか?」
『前置きするなんてお前らしくないな。なんでも訊けよ』
「お前ガキがいるよな?」
『ああ、ギルベルトとかわいいかわいいユスティーネがな』
「お前、ガキの作り方知ってるよな?」
『当たり前じゃないか。
 結婚したら出来るのは当然だろ?』
「いや・・・お前、結婚してから、その、なんだ、かあちゃんに手を出したことはないのか?」
『手を出す?どういう意味だ?』
「いや、だから、その」
『なんだ、お前らしくない。歯切れが悪いなあ』
「手を出すってのは、つまり、ほら、あれだ。乳を触ったりだ」
『ああ、そういうことを言ってたのか。
 いや、俺はあいつと一緒になって27年になるが、あいつの裸一つ見たことねえ。
 なんだって言ってったけなあ。あいつが言うには、宗教上の、なんだ、そういう関係らしい』
「・・・」
『それはそうと、今年からユスティーネが仕事を始めてな!あのおちびさんがよ。オレも歳を取るはずだぜ。
 今は勉強の時期だから、って毎晩遅くまで残業して、それからまたうちでも勉強してるよ。
 あの仕事への真面目さは誰に似たんだか。ゲラルトも顔負けじゃねえのか?ハッハッハッ!』
「・・・・・・・」











ちょっとシュール過ぎたかな。
昼寝して起きた途端にこの話が頭にブワーっと浮かんだ。
時々ある。起きて気付いたら知らない旋律が頭にぐるぐる回ってたり。
一体なんだろう。

半分経過

2009-07-28 23:51:51 | Weblog
3月半ばから今の仕事に行き始めた。
週3日7時間労働は大丈夫だろうか・・・と思っていたけれど、やれば出来る。
まあ、なんとかなるものだ。

交代で入っている大学生の子が、試験期間ということで今月中旬から来月上旬までお休み。
そのため、今週は週4日出ることになった。
無理だったらいいよ~と言われたのだけど、ちょっと試しに行ってみるか、と思い、月火木金に行くことにした。
とりあえず半分終了。
一週間ぐらいなら行けそう。たぶん何事もなく終わる感じかな~。
これがずっと続くと・・・それでも行けるもんなんかな。

ブログって

2009-07-27 23:43:07 | Weblog
最近ふとブログが過疎化している気がしたが、私の周りの人は書いている。
自分の書く量が減ったからそういう気がしただけなのかな。
ん?そもそも減ったんかな?
内容が変わったのか。
ほとんど読書感想文まがいのものだ。
それか愚痴。これは変わってないが。
うーん、嬉しいこととか楽しいこととかってなんで書かないんだろう。
まあ、恥ずかしいからなんだけど。
だけど、もっと日常で感じたこととか書いても良さそうなのにな。
あ、友達が彼氏や旦那の愚痴しか言わないのを聞いて、なんで悪いことしか言わないんだろう、と思い「ちょっと最近嬉しかったこととか楽しかったこととかないの?」って聞いたことがあるが、ここでの私って一緒なのかもしれないな。
彼女たちも恥ずかしいのか?




なんかこう人を惹きつけるような柔らかい文章を書ける人になりたいと思うのだけど、実際にやってみようとすると自分には無理、というか、それはちょっと私には違うなといつも思い知らされる。

曖昧さ

2009-07-27 23:17:47 | Weblog
昨日寝る前、ああこれブログに書いておきたい、と思ったことがあった。
しかし、携帯で打つにも面倒で、結局そのまま寝てしまった。
すっかり忘れてしまったということは、おそらくそれほどのことではなかったのだろうと思う。

ライブ 7/17

2009-07-26 15:26:59 | Weblog
7月17日に、『the pillows 20th Anniversary LATE BLOOMER SERIES 04 “SYNCHRONIZED TOUR”』に行ってきた。


今回の“SYNCHRONIZED TOUR”は髭(HiGE)と一緒。
(今初めて髭ってiだけ小文字ってのに気付いた。なんでだろう)
確か髭は、去年か一昨年の夏に大阪野外音楽堂で観た以来だと思う。
あの時も、まあ変わった人たちだなー(たちというか正確には須藤さん)と思ったが、今回も同じ。
でもしかしなんだか愛せそうな人だ。
めちゃくちゃ面白かった。
知ってる曲は一曲しかなかったけど、楽しめた。


そして、the pillows。
やっぱいいねえ。もう語ることはない。


セットリスト(オフィシャル?のブログから拝借)
01.ノンフィクション
02.Wake up!dodo
03.ターミナル・ヘブンズ・ロック
04.I know you
05.バビロン天使の詩
06.インスタントミュージック
07.Ladybird girl
08.Funny Bunny
09.1989
10.サリバンになりたい
11.スケアクロウ
12.サード アイ
13.No Substance
encore
01.Ride on shooting star
02.Blues Drive Monster

「ターミナル・ヘブンズ・ロック」を生で聴いたのは初めてか・・・な。
「バビロン天使の詩」になるとめちゃくちゃテンションが上がってしまう。
「Funny Bunny」も泣いちゃう。みんなで合唱?みたいなところを作ってくれるんだけど、あれはもう。
「1989」はヤバかった。最後のところなんてもう泣きそうな山中君を見て、泣きそうだった。
「No Substance」はどこかでも聴いたことあるはず。これもテンション上がるんだよなあ。よく考えるとすごい内容の歌詞だけど。



次は武道館だー!
一人で心細いけど、頑張って行くぞ!





ある日、朝起きたら筋肉痛に見舞われた。
一体前日何をしたんだろう?と考えたら、前々日にライブだった。
せめて翌日に来てくれないだろうか。
嗚呼これが老化・・・か。鍛えなければ。

『バースデイ』鈴木光司

2009-07-26 00:14:36 | 本 2009
『バースデイ』鈴木光司


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
リングの事件発生からさかのぼること三十年あまり。小劇団・飛翔の新人女優として不思議な美しさを放つひとりの女がいた。山村貞子―。貞子を溺愛する劇団員の遠山は、彼女のこころを掴んだかにみえたが、そこには大きな落とし穴があった…リング事件ファイル0ともいうべき「レモンハート」、シリーズ中最も清楚な女性・高野舞の秘密を描いた「空に浮かぶ棺」、『ループ』以降の礼子の意外な姿を追う「ハッピー・バースデイ」。“誕生”をモチーフに三部作以上の恐怖と感動を凝縮した、シリーズを結ぶ完結編。



一日で一冊読みきれたのって久しぶりじゃないだろうか。
いつ以来だろう。なかなかないことだ。


今更ながらに、ようやくシリーズの完結編を読んだ。
調べたらリングシリーズを読んだのは、去年の2月頃だったのか。
内容がすでにうろ覚えになってて、かなりネットで検索してしまった。
しかし、なかなかずばりそのものが書いているものってないんだよな。
というか、自分がレビュー書いてるのだから、省かずに詳細まで書けばいいじゃん、っていう話なんだけど。
まあ、読み進めていくうちに、なんとなーく思い出してきた。


いやあ、それにしても、これで完結か、という感じ。
なんだかすごく計算されたようだけども、意外とそうでもないとか・・・?



怖い部分がかなりあったけど、やっぱり面白かった。

解説に書かれていたのだけど、『らせん』の書き方がすごかった。
一章書いては編集者にファックスして読んでもらう。そこで、先がどうなるか予想してもらって、考えてることと当たっていたらそれはボツにするという。
何がここまでそうさせたのだろう・・・。
でも、そこまでした甲斐があってか、私はこのシリーズすごく面白かったと思います。

『ツチヤ学部長の弁明』土屋賢二

2009-07-25 11:18:02 | 本 2009
『ツチヤ学部長の弁明』土屋賢二


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
大学に在籍する諸君。学ぶべし、研究すべし。時は満ちた。金のこと、世間のことは忘れよ。そんなことは卒業後の人生で、いやというほど考えられる。権威は疑え。疑いから哲学ははじまる。“笑う哲学者”ツチヤ教授が、学部長を任命されてからの苦悩の日々。そして変わらぬ女への不満。笑って前向きになれる一冊。



この本は、色々な雑誌や本に掲載されたのを集めたもの。
冒頭には土屋先生の演説を文字に起こしたものが載せられている。
これがまた面白かった。
森さんとの対談でも思ったけど、(笑)の多さに笑った。



しかし、土屋先生の作品をもう6冊も読んだのか。
読みすぎたような気がするけれども、しらないうちに読まされたような気もする。


なんでこう同じパターンぽい文章にも関わらず読んでしまうのだろう、と考えた結果、やはり土屋先生の言葉への切り込みがすごい。
哲学者というだけあるのかなあ。
ああ、そっちから見るのね、って思う部分がたくさんある。
頭いい人って考え方が違うなぁ。
最初の方は、この人面白い!というだけで読んでいたけれど、最近では、この人すごい!というので読んでる感じ。
あ、前の感想でも同じこと書いたっけ。

あと、5~10行真面目なこと書いて、その後2,3行ぐらい冗談を書くというパターンに気付いた。




 当然のことながら、女には、正しい選択ができるのは自分だけだという自負がある。男にまかせるとロクなものを選ばない。中年女は考える。
「どんなものにもマグレということがある以上、男もマグレで正しい選択をすることはある。だが、それは男の人生の中でせいぜい一回しかない。結婚相手として自分を選んだのが、最初で最後の正しい選択である」と。

                  - 本書より抜粋 -


男の人が書くから許される。

思い出す

2009-07-25 00:09:30 | Weblog
フォーレのシチリアーノを聴くと、眠れなかった日々を思い出す。
これを聴きながら眠った。
『眠りを誘う音楽』というCDがあって、2曲目に入っているのだけど、リピートして聴いていた。
このCD、私には合ったなあ。
色々試したけれど、最終的にはこれをずっと聴いてた。

タンブラはじめました

2009-07-23 23:11:25 | Weblog
友達がTumblr(タンブラー)をやってて、それをちょっと覗いたりしてたら、なんだか面白そうなので、始めてみた。
これが、結構使えるもので、ほとんどメモ代わりに使ってる。

↓こちら。
unbreakable
ちょっと一部かなり趣味が偏ったところがあるけれども・・・。

あ、一部文章を拝借している部分あります。
ネットに載ってるとはいえ、不愉快な方がいらっしゃったら連絡ください。

『MONSTER』浦沢直樹

2009-07-17 15:50:27 | 本 2009
『MONSTER』浦沢直樹


【出版社 / 著者からの内容紹介】
デュッセルドルフ・アイスラー病院の日本人医師・天馬賢三は、人道的見地から少年ヨハンの命を救う。それがすべての始まりだった…。ヨハンの真の姿は? 天馬の運命は? ヨハンをめぐる天馬の旅は続く。

【出版社からのコメント】
人の命を助けるはずのメスが、怪物を産み出すことになろうとは!! 激動のヨーロッパを舞台にした、戦慄のサイコ・サスペンスいよいよ発進。



全18巻読了。

浦沢直樹の描く主人公には惚れ惚れする。
というか、惚れる。というか、萌える。・・・意味が変わってくるか

誠実、男らしい、裏切らない、力強い、頭がいい、真っ直ぐ、頼れる。

今回も見事に、Dr.テンマ、天馬賢三にやられた。







“誰がその怪物のようになれるのか”
“誰がその怪物に逆らって戦うことができるのか”
           -「ヨハネの黙示録」より-

終わりの風景



あなたは誰?

私は誰?



それを知るものは?



私の名前を呼んでくれる人は?

もう一歩

2009-07-17 00:21:24 | Weblog
きちんと、かどうかわからないけれど、言えるようになった。
あとは、へらへら笑って誤魔化すのをやめたい。
これはいつでも言えることで、私は、笑って誤魔化す、ということをついやってしまう。

『ソクラテスの口説き方』土屋賢二

2009-07-12 16:21:35 | 本 2009
『ソクラテスの口説き方』土屋賢二


【内容情報】(「BOOK」データベースより)
「なぜ結婚すべきか」「好まれる中年男」「命令に従わせる方法」「妻のために死ねるか」など、人生におけるさまざまな難問をあらゆる角度から笑い飛ばし、読めば読むほどなぜか戦意喪失させるツチヤ教授の爆笑エッセイ。



面白い。
やっぱ面白いよ土屋本。

笑うだけじゃなくって、感心しちゃうっていうか、発想のすごさに感服っていうか。


今更ながらに気付いたのは、助手の返しの絶妙さ。
今までも何度も登場してるんだけど、改めて気付いた。



内容も面白いんだけど(興味深いという意味も含め)、著者が書いたイラストがまたいい。



また色々なところで笑いをこらえながら読んだ。




今回の解説は弟さんが書いてた。
お母さんが書いたほうが私は好きだなー。