『うつ病の妻と共に』御木達哉
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
夏のある朝、健康そのものだった妻が錯乱する。この時からうつ病の妻と過ごす日々が始まった。夫にできることは何か?自らが医者であるにもかかわらず、無力さを抱きながらの試行錯誤の連続。病院勤務のかたわら、妻と自分のために三度の食事の支度をし、きょうも一日平穏であれ、と願う日日を潔く克明に綴る、感動の記録。
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
御木達哉(ミキタツヤ)
本名・御木達也。PL病院副院長。1936年、東京生まれ。中央大学法学部、同大学文学部独文科卒業。63年から66年までドイツ・テュービンゲン大学でカフカを研究。帰国後、日本大学医学部に学士入学、70年卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
久しぶりの読書感想文。
本は読んでいるが、今年になって記録を書くのをやめた。あ、ブクログはやってるので興味のある方はどうぞ!
http://booklog.jp/users/erisbookshelf
改めてみてみたら、今年に入って半年になるけれどまだ19作品しか読んでないのかあ。でも、マンガや上下巻物、5冊で一作品とかあるから、冊数にするとまあまあ読んでるのかな。
この本はある日ブックオフで見つけた。
最近ではもうこの手のコーナーに行かなくなったので、文庫コーナーにあったのを見つけた。
ふと目に留まって、何気なく開いた。パラパラと立ち読みを始めたら止まらなくなった。その日は早く帰らないといけなかったので、その本を買おうかどうしようか一瞬悩んだがやめた。
翌日また行ってみるとまだあった。昨日と同じように立ち読みを始めた。パラパラと飛ばして拾い読みをしていた。
・・・どうしよう。気になる。
ここ最近あまり調子がよくなかった。なのであまり読みたい感じではなかったのだけど、どうも気になって気になって仕方なかった。悩んだ末、その日一律値下げをしていたのもあって結局購入した。
この本がほかの本とは違って買う気になったのは、著者はうつ病ではない、ということだ。
うつ病になった人が回復したという手記は何冊か読んだ。
しかし、そばで見ている人が書いた本は初めて読んだ。
これは、私の経験の話なのでほかの人はどうかわからないけれど、かなりのうつ病になったら、ほとんど寝ていることが多い。あ、誤解されるな。睡眠障害というのもあるのだが、これは夜や朝方の話で、日中は寝ているか、ぼーっとしているか、のどれかだったと思う。と、こういうふうな生活を毎日続けていると、今が起きているのか夢の中なのかわからなくなってくる(私は頻繁に夢を見たのもある)。
つい先日病院を変えたが「どれくらいひどい状態が続きましたか?」と訊かれて、かなり前のこともあって覚えてないということもあったが、あまり記憶がはっきりしてなくて覚えてない、ということも事実だった。
そこで、この本は健康な人がうつ病を診て書いたもの、ということでとても興味があった。人にどんなふうに写っているのか。いたのか。
購入し、帰って早速読んだ。
最初の方なのに、ページを繰る毎に涙が止まらなかった。
あぁ、そう。こんなだった。
そんな気持ちで読み進めていった。
この先は内容に触れているので、読みたくない人はスルーしてください。
この奥さんの気持ちが痛いほどわかって、泣けた。
おそらく、同じ病気になった人でもわからない人はわからないだろうし、わかる、と一言で言ってもきっと同じではない。だけど、私には同じように感じられた。
「どうやったら誰にも迷惑をかけないで死ねるか、わたし、そればっかり考えてるの」
この一文を読んだとき、思わず本を閉じてため息が出た。
私も同じことをずっとずっと考えていた時期がある。どうすればみんなが納得する(という表現も変だけど)死に方ができるだろうか。
結局たどり着いた結論は、死んでも誰も納得しない、だった。
「わたしはあんたのために生きてやってるんだ!」
誰にともなく、というか、周囲のすべての人に対してこう思っていた時期があった。
そして、死ねない自分を人のせいにしている自分にまた落ち込んだり。
この著者の奥様、美紗子さんは、この本の『追記』で亡くなっている。
この『追記』は第四刷にて加筆されたものらしい。私の手元にあるものが、ちょうど第四刷だった。
実際にうつ病で友達を亡くしているが、この病気は死ぬ病なのだと改めて感じた。
美紗子さんも友達と一緒で、ビルの上から飛んだ。
そりゃそうだわな。つらかったんだもの。あんなつらいことないわ。今でも時々死にたくなるもの。きっかけは、ほんの些細なことだったり、何かが起きた、というわけじゃないときも、ふっとこの考えは私の頭をかすめる。
私の場合、嬉しいことがあっても死にたくなる。ああ、今死んだら幸せだろうな、と。
人はいつか死ぬ。
以前よく考えてた。
生まれてくることを選べないのなら、死ぬことぐらい選んでもいいだろう、と。
あー何が書きたいのかわからなくなってきたな。
この辺でやめとこう。
と、言いながら、読み返しながら考えた。
私がまた以前のような状態になったらどうなるのだろう。どうするのだろう。
おそらく私のことだから役所に離婚届取りに行ってすべて書き込んで相手に渡すだろうな。
そしてそれが提出される日を怯えて暮らす。そんな気がする。
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
夏のある朝、健康そのものだった妻が錯乱する。この時からうつ病の妻と過ごす日々が始まった。夫にできることは何か?自らが医者であるにもかかわらず、無力さを抱きながらの試行錯誤の連続。病院勤務のかたわら、妻と自分のために三度の食事の支度をし、きょうも一日平穏であれ、と願う日日を潔く克明に綴る、感動の記録。
【著者情報】(「BOOK」データベースより)
御木達哉(ミキタツヤ)
本名・御木達也。PL病院副院長。1936年、東京生まれ。中央大学法学部、同大学文学部独文科卒業。63年から66年までドイツ・テュービンゲン大学でカフカを研究。帰国後、日本大学医学部に学士入学、70年卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
久しぶりの読書感想文。
本は読んでいるが、今年になって記録を書くのをやめた。あ、ブクログはやってるので興味のある方はどうぞ!
http://booklog.jp/users/erisbookshelf
改めてみてみたら、今年に入って半年になるけれどまだ19作品しか読んでないのかあ。でも、マンガや上下巻物、5冊で一作品とかあるから、冊数にするとまあまあ読んでるのかな。
この本はある日ブックオフで見つけた。
最近ではもうこの手のコーナーに行かなくなったので、文庫コーナーにあったのを見つけた。
ふと目に留まって、何気なく開いた。パラパラと立ち読みを始めたら止まらなくなった。その日は早く帰らないといけなかったので、その本を買おうかどうしようか一瞬悩んだがやめた。
翌日また行ってみるとまだあった。昨日と同じように立ち読みを始めた。パラパラと飛ばして拾い読みをしていた。
・・・どうしよう。気になる。
ここ最近あまり調子がよくなかった。なのであまり読みたい感じではなかったのだけど、どうも気になって気になって仕方なかった。悩んだ末、その日一律値下げをしていたのもあって結局購入した。
この本がほかの本とは違って買う気になったのは、著者はうつ病ではない、ということだ。
うつ病になった人が回復したという手記は何冊か読んだ。
しかし、そばで見ている人が書いた本は初めて読んだ。
これは、私の経験の話なのでほかの人はどうかわからないけれど、かなりのうつ病になったら、ほとんど寝ていることが多い。あ、誤解されるな。睡眠障害というのもあるのだが、これは夜や朝方の話で、日中は寝ているか、ぼーっとしているか、のどれかだったと思う。と、こういうふうな生活を毎日続けていると、今が起きているのか夢の中なのかわからなくなってくる(私は頻繁に夢を見たのもある)。
つい先日病院を変えたが「どれくらいひどい状態が続きましたか?」と訊かれて、かなり前のこともあって覚えてないということもあったが、あまり記憶がはっきりしてなくて覚えてない、ということも事実だった。
そこで、この本は健康な人がうつ病を診て書いたもの、ということでとても興味があった。人にどんなふうに写っているのか。いたのか。
購入し、帰って早速読んだ。
最初の方なのに、ページを繰る毎に涙が止まらなかった。
あぁ、そう。こんなだった。
そんな気持ちで読み進めていった。
この先は内容に触れているので、読みたくない人はスルーしてください。
この奥さんの気持ちが痛いほどわかって、泣けた。
おそらく、同じ病気になった人でもわからない人はわからないだろうし、わかる、と一言で言ってもきっと同じではない。だけど、私には同じように感じられた。
「どうやったら誰にも迷惑をかけないで死ねるか、わたし、そればっかり考えてるの」
この一文を読んだとき、思わず本を閉じてため息が出た。
私も同じことをずっとずっと考えていた時期がある。どうすればみんなが納得する(という表現も変だけど)死に方ができるだろうか。
結局たどり着いた結論は、死んでも誰も納得しない、だった。
「わたしはあんたのために生きてやってるんだ!」
誰にともなく、というか、周囲のすべての人に対してこう思っていた時期があった。
そして、死ねない自分を人のせいにしている自分にまた落ち込んだり。
この著者の奥様、美紗子さんは、この本の『追記』で亡くなっている。
この『追記』は第四刷にて加筆されたものらしい。私の手元にあるものが、ちょうど第四刷だった。
実際にうつ病で友達を亡くしているが、この病気は死ぬ病なのだと改めて感じた。
美紗子さんも友達と一緒で、ビルの上から飛んだ。
そりゃそうだわな。つらかったんだもの。あんなつらいことないわ。今でも時々死にたくなるもの。きっかけは、ほんの些細なことだったり、何かが起きた、というわけじゃないときも、ふっとこの考えは私の頭をかすめる。
私の場合、嬉しいことがあっても死にたくなる。ああ、今死んだら幸せだろうな、と。
人はいつか死ぬ。
以前よく考えてた。
生まれてくることを選べないのなら、死ぬことぐらい選んでもいいだろう、と。
あー何が書きたいのかわからなくなってきたな。
この辺でやめとこう。
と、言いながら、読み返しながら考えた。
私がまた以前のような状態になったらどうなるのだろう。どうするのだろう。
おそらく私のことだから役所に離婚届取りに行ってすべて書き込んで相手に渡すだろうな。
そしてそれが提出される日を怯えて暮らす。そんな気がする。