This is me.

- 無用の用 -

10『バーボン・ストリート』沢木耕太郎

2008-01-31 22:19:32 | 本 2008
沢木耕太郎『バーボン・ストリート』

【内容情報】
ある時はひと気のない深夜のバーの片隅で、またある日は人いきれのする賑やかな飲み屋で、グラス片手に飲み仲間と語り合った話の数々―スポーツ新聞の文章作法、ハードボイルド、テレビと映画、賭け事にジョークetc…。そんな話題を素材にして、ニュージャーナリズムの旗手が、バーボングラスのよく似合う15編の洒落たエッセイに仕立てました。講談社エッセイ賞受賞。



沢木耕太郎の作品は今まで何冊か読んだが、私は誰かを追いかけて書いたものより、エッセイって言うのかな?あ、エッセイ賞取ってるからエッセイでいいのか、が好きだな。
これもとても面白かった。この「面白い」っていうのは「興味をそそられる」っていう意味と本当に笑える面白さがある。
『深夜特急』も面白かったけど、これはこれでまた違った味がして良かった。


さて、1月で10冊かぁ。こんなペースで本を読んだのは何年ぶりだろう。
私ってこんなペースで本読むこと出来たんだなぁ。あぁ、そっか。思えば通院し出してから全く本が読めなくなってたんだった。活字がどうしても受け付けられなかった。その前は仕事しながらだっからそんなに読む時間がなかった。と言ってもそれなりにぼちぼち本は読んでたなぁ。
今、目の前に未読の本が8冊ある。さて次は何を読もうかしら。

9『大密室』

2008-01-30 20:23:09 | 本 2008
『大密室』有栖川有栖, 恩田陸, 北森鴻, 倉知淳, 西澤保彦,貫井徳郎,法月綸太郎,山口雅也

【内容情報】
緻密な論理で構築された密室という名の神聖なる魔空間。ミステリのトリックでも最も人工的であるが故に幻想性さえ帯びているこのジャンルに、手練れ8人が挑む。眩暈を誘う巧緻な仕掛けを施した8つの密室の扉をどれから開けるもお望み次第。さらに各作家が密室へのオマージュを綴ったエッセイと千街晶之氏による特別解説を擁し、密室をめぐる全ての謎に答えた究極のアンソロジー。



有栖川有栖『壺中庵殺人事件』
ストレートに密室殺人という感じ。

恩田陸『ある映画の記憶』
うーん・・・何とも言えない後読感があったなぁ。切ないというか何と言うか。

北森鴻『不帰屋』
これはなかなか面白かった。民俗学とかが絡まってきてて私には言葉がちょっと難しかったけど、好きな感じで面白かった。シリーズものの登場人物が出ているらしい。興味あるなぁ~。

倉知淳『揃いすぎ』
これはまぁなんというか。うーん。まぁまぁと言った感じかな。(まぁまぁって

西澤保彦『怪獣は密室に踊る』
これは異色。トリックは何となくわかったけど、それは置いておいて、へ?何?え?そんなのアリなん?と言った感じ。

貫井徳郎『ミハスの落日』
これも結構好きかなぁ。え?そんなことってありえるの?って言いたい感じだったけど、お話っていうのかな?内容が好き。

法月綸太郎『使用中』
これも好きだ。これが一番好きかな。続きというかこの後があったら読みたい感じだけど、ここで終わるからこそいいのかな。

山口雅也『人形の館の館』
ちょっと怖かったなぁ。これも、え?そういうのあり?って感じだった。


「密室」というテーマだけで様々な形があるもんだなぁ~と、面白かった。

8『十角館の殺人』綾辻行人

2008-01-27 12:12:53 | 本 2008
綾辻行人『十角館の殺人』

【内容情報】
半年前、凄惨な四重殺人の起きた九州の孤島に、大学ミステリ研究会の七人が訪れる。島に建つ奇妙な建物「十角館」で彼らを待ち受けていた、恐るべき連続殺人の罠。生き残るのは誰か?犯人は誰なのか?鮮烈なトリックとどんでん返しで推理ファンを唸らせた新鋭のデビュー作品。



内容とは全く関係がないが、綾辻さんは「言う」を「云う」と書く。小説でこういう書き方をする人って珍しいと思った。

昨夜、この本の先がとっても気になっていて(半分ちょっとまで読んでいた)、寝る前にちょっとだけ読むか、と思い読み始めたところどんどん面白くなってしまい結局2時半に読了。
あらすじを見たり、wikiで綾辻行人を調べていたので、どんでん返しがあることはわかっていた。読みながら色々と考えていたのだが、まんまとこのどんでん返しにハマってしまった。
読み終わって「これが本格ミステリか」と思った。こういうの読むのは初めてだと思う。なるほどな・・・と思った。よく考えれば、よく読んでいれば分かったかも知れない。
いや~これは面白かった!
ラストの意味が分からなかったのでみくしで調べた。こういう時にすごく役に立つ。
は~なるほど!そうだったのかぁ・・・!
これから綾辻行人を読んでいこうかな。『館』シリーズ、『囁き』シリーズがあるらしい。

内容とは全く関係ないが、文庫版あとがきの最後に、
「やはりこの『十角館』については、彼女にお礼を云わねばなりません。宇野冬海女史こと小野不由美さん、改めて、本当にありがとう。」
と書かれていた。どういった経緯があったのか知らないけど、素敵。



7『キッチン』吉本ばなな

2008-01-16 20:41:47 | 本 2008
吉本ばなな『キッチン』

【内容情報】
家族という、確かにあったものが年月の中でひとりひとり減っていって、自分がひとりここにいるのだと、ふと思い出すと目の前にあるものがすべて、うそに見えてくる―。唯一の肉親の祖母を亡くしたみかげが、祖母と仲の良かった雄一とその母(実は父親)の家に同居する。日々のくらしの中、何気ない二人の優しさにみかげは孤独な心を和ませていくのだが…。世界二十五国で翻訳され、読みつがれる永遠のベスト・セラー小説。泉鏡花文学賞受賞。


半分ほど読んだ時に「これ・・・もしかして読んだかも」と気付いた。が、しかし最後がどんなだったか思い出せなかったので全部読んだ。読んだ本はだいたい家にあるので調べてみたけどなかった。どこで読んだんだろう・・・学生の時かなぁ。うーん、思い出せない。
吉本ばななさんの本は前に『とかげ』を読んだことがあって、その時はそんなに思わなかったけど、これ、めちゃくちゃよかった。何度も読み返せる本っていうのかな。
生、死、仕事、恋愛・・・様々なことがこの一冊に詰め込まれてる。書かれていることにいちいちうなずけるというか。
何気なく取った本だったけど読めてよかった。





この本は「キッチン/満月―キッチン(2)/ムーンライト・シャドウ」の三篇からなっているのだけど、どれもよかった。

「ムーンライト・シャドウ」を読みながら失恋した時の事を思い出した。
ここからちょっとネタバレ・・・?








この「ムーンライト・シャドウ」では恋人が死んでしまう。私は恋人を死別という形でなくしたことはないけど、ある日突然居なくなってしまった、ことはある。
それは相手にしてみれば「ある日突然」ではなかった。私にとって「ある日突然」だった。
その人の事が好きだった。このままずっと一緒に居るんだろうと思っていたときに突然別れを告げられた。そんな予感は微塵もなくて。私には本当に突然だった。
とてもショックで何が起こったのかわからなかった。
この本で私の感じた、あの時の感じが本当に上手く表現されていた。
朝起きた時に感じる「現実」という絶望感。すぐにまた夢に逃げたくなったあの朝。明日からどうやって生きていけばいいの?と毎日問いかけて。どうやってどんな顔で過ごせばいいのか分からなかった。どういうふうに息をしていたのかさえもう分からなくなっていた。
当時の私は本当にこんな感じだったなぁ・・・。しみじみ
思えば相手にかなり依存していたんだな(苦笑)
失恋ってそりゃなかったらなかったで越した事はないけど、今の私が形成されているのもああいうのがあったからで。それを考えると何とも言えないな。まあ、いい、悪いの話じゃないか。
私にも、こんな時代もあぁったねとぉ~♪
これは経験していないとなかなか書けないと思う。吉本ばなな・・・気になる。

6『L change the world』M

2008-01-14 21:48:20 | 本 2008
M『L change the world』

【内容情報】
L、最期の23日間。劇場版『デスノート』から、ついにスピンオフ「L」登場。究極の選択をしたのち、Lに降りかかった最後の事件を描く完全オリジナルストーリー。映画原案に参加した謎の人気作家Mが小説版を書き下ろし。


西尾維新の『Death note another noteロサンゼルスBB連続殺人事件』もよかったけど、こっちも面白かった。
展開の早さがいい。
作者は下記のようになっていて、誰なのかとても気になる。

【著者情報】

年齢・性別とも非公開。大胆な発想と確かな構成力が高く評価され、第一線で活躍する作家。以前からその著作に注目していたプロデューサーに招聘され、「Lプロジェクト」に参加する

予想は付くけれど、読んでてなんか違うかも・・・と思った。

最後がちょっとしんみり。


 

5『タカイ×タカイ』森博嗣

2008-01-13 01:43:41 | 本 2008
森博嗣『タカイ×タカイ』

【内容情報】
地上15メートルに掲げられた他殺死体!!
不可解極まる事件の意外な真相とは!?
「あんな高いところに、どうやって死体を上げたのでしょう?」
有名マジシャン・牧村亜佐美の自宅敷地内で発見された他殺死体は、奇妙なことに、地上約15メートルのポールの上に掲げられていた。被害者は、前夜ファンと牧村の会食中に消えたマネージャーだった。事件関係者の調査依頼を受けた《探偵》鷹知祐一郎は、複雑に絡み合う人間関係の糸を解きほぐし、犯人の意図と事件の意外な真相に迫る。ますます好調Xシリーズ第3弾!!


という内容です。
『もえない』の時も書いたけど、やはり作者の意向は尊重したいからなぁ。何を書いていいのか・・・。

出会いでも書いてみるか。

今では作品が発売されるのを今か今かと楽しみにしているが、最初から一気にハマったわけではなかった。
森博嗣の作品で初めて読んだのは『すべてがFになる』漫画版だった。
彼から薦められた(んだったと思う。てかそれ以外にないか
私が知ったのは2006年だったと思う。その頃にはもうかなり本が出ていて、S&Mシリーズ、Vシリーズ・・・と色々シリーズもので出ていた。読んでみたいけど何冊もあるなぁ~どうしよう~と悩んでいた時にシリーズものの第一弾が漫画版で出ているのを知って読んだ。
正直、最初はあまりピンとこなかった。
さて次を・・・と思っていたら全部が漫画化されていないと知り、あらら・・・どうしようと迷ったのだけど、乗りかかった船だと思い(?)次の『冷たい密室と博士たち』を読んだ。
読了までにすごく時間がかかった。言葉が難しく、内容も難しく(今ではそう感じないが)なかなか興味が湧かなかった。
今の私では考えられないが、ちょっと読んでは置いて、ちょっと読んでは置いてという感じでそのまま置きっぱなしになり、ある日ふと(あーこの本読みかけだなぁ)と思いついて読み始めた。しかし、事件が起こってからの展開にはのめりこんで一気に読んだ。
その次にシリーズ外のものを読んだのかな。「これは面白い!凄い!」と思って、ここで一気にハマった。
そこからどんどん読んでいき、半年ほどだったかな?でほぼ追い付いた。
そして今に至る、という感じだ。

なんなんだろうなぁ。雰囲気、言い回しもいいが、登場人物の台詞がいい。もちろんこれらの台詞を言わせてる人物が作者なわけで。
色々な人が居ると思う。登場人物にハマる人とか。キャラ萌えってやつかな?私はあまり、ほとんどそれがない。産み出す人物にハマるタイプかな。(タイプとかいう分け方が出来るんかな

 
 


4『壁の目』森村誠一

2008-01-11 10:56:08 | 本 2008
森村誠一『壁の目』

【内容情報】
ある新人賞の審査員となった人気作家・浅沼は、候補作を読みながら、背筋の凍る思いがした。そこに描かれているのは、彼が隠し通し、葬り去ったはずの7年前の殺人、そのままではないか!あの日、隣室から現場を目撃していた恐るべき「壁の目」があったのだ。この作者は浅沼を告発しているのか?それとも―?!卓抜な着想、絶妙な仕掛け、驚愕のどんでん返し。円熟の境地を示す、異色ミステリー。


読み終わって、え?あ?う?い?へ?え?( ゜д゜)ポカーンとなった。
何が起こったのか一瞬わからない。
最後をもう一度読み返す。
わからない。全体的に上手く飲み込めない。
こんな本に出会ったのは久しぶりかも。
多くは語るまい(誰だ
お時間があれば是非読んでほしい。そして解説してほしい。笑



3『「なぜか人の心に残る人」の共通点』斎藤茂太

2008-01-08 21:52:29 | 本 2008
斎藤茂太『「なぜか人の心に残る人」の共通点』

【内容情報】
地味で奥手だけど、なぜか会うと心が温かくなる人がいます。あなたの気持ちをやわらげてくれる人とのつき合いは、あなたの人生を豊かにしてくれるはず。そんな「心の財産」を、少しずつ増やしていきませんか。毎日を楽しく、そして幸せに過ごすための秘訣を、モタ先生が教えます。元気が出る1冊です。


ひょんなことから頂いた本。
この手の本を読むのは久しぶりだ。

本を読み進めていくうちに作者がかなりの御年だというのが伺えるので、一体何歳だろう?と興味を持ち名前を検索していったら色々発見があった。

2006年11月20日に心不全で死去、享年90歳。おお・・・なんと、この文庫本の初版第一刷発効日に亡くなられたのか。
この本の単行本発売日が2004年03月なので88歳の時のものだったのか。なるほど。
精神科医で医学博士、らしい。それは内容からも伺えた。
また、歌人で精神科医の斎藤茂吉の長男。斎藤茂吉って精神科医でもあったのか。作家の北杜夫は弟、だそうな。


読みながら印象的な所に印を付けていったらとんでもない数になってしまった。
こういうのを書くのは苦手だから箇条書きぽく書いてみようかな。

まず初っ端から、なるほど・・・と思わされる事を書いてくれる。
「「人間」とはよくいったもので、人は、人と人の間で生きている。」

それと、
「気を遣われ過ぎる「べたべた感」で、こちらが気疲れする」
なるほどなぁ~。あまり気を遣い過ぎるのもいかんという事か。
そう言えば、この間こんな話を店長としていた。
例えば「何が食べたい?」と訊かれたら何て答えるか?
だいたい私は「なんでもいい」と言ってしまう。2択になっていたらどちらか言うだろうが、こういう大雑把な質問だとこういう答えになってしまう。
私としては相手の好きなものを一緒に食べようという思いからのこの言葉だが、しかし私がこう答える事により相手が考えないといけないという雰囲気になってしまう。だから結果として気を遣わせているという事にもなっているんやで、と言われた。
これと同じ様な感じなのだろうな。

私は自分の事を相手にわかって欲しいと思っているが、なかなか相手に上手く早く伝わらないのがもどかしく思っていた。
友達でそれがすごく上手に出来る子が居て、いつも羨ましく思っていたのだけど、
「誤解されずに自分をわかってもらうコツは、「ゆっくり時間をかける」ということだ。」
「「自分というもの」をわかってもらうコツは、「自分をわかってもらおう」と意気込まない」
ここを読んで、あぁ、このままでいいのか、と思った。

あと印象に残ったのが、
「人に嫌われたくない人ほど、なぜか人に嫌われる」
「「嫌われたくない」という気持ちからは、相手の気持ちがみえてこない。なぜなら、「嫌われたくない」という、自分の気持ちに執着しているだけだからだ」
「自信というのは何かをやった後に付いてくるもの。すべて「後付け」なのだ。」
とか。

それとこの本にはちらほら「心の病」という言葉が出てくる。
最近忘れがちだったそういう方面の対応策みたいなのも色々と書いてくれていてありがたかった。
「開き直り」とか「人の目」とか。「だからどうした」精神みたいなのとか。

あぁ、そうだ、
「人というのは表側を見せて「自分は、こういう人間なのです」といいたいのだろうが、人というのはその人の裏側を見て「ああ、この人は本当は、見かけによらずこういう人なのだな」と合点してしまうことも多い」
ここも印象的だったな。

最近の私に当てはまる、服装に関しても書かれていた。
「いつも同じ服を着ていては・・・外見に変化を付けることによって内面も変化する」という感じだったかな。
確かに着る服が変われば気持ちも変わったりするしなぁ。なるほど。


短い本だったけどなかなか濃い内容だった。
本を頂き感謝しております。


2『東京奇譚集』村上春樹

2008-01-06 21:32:19 | 本 2008
タイトルの頭に何冊目かを書いてみる。
今年は何冊読めるかなぁ~。

村上春樹『東京奇譚集』

【内容情報】
肉親の失踪、理不尽な死別、名前の忘却…。大切なものを突然に奪われた人々が、都会の片隅で迷い込んだのは、偶然と驚きにみちた世界だった。孤独なピアノ調律師の心に兆した微かな光の行方を追う「偶然の旅人」。サーファーの息子を喪くした母の人生を描く「ハナレイ・ベイ」など、見慣れた世界の一瞬の盲点にかき消えたものたちの不可思議な運命を辿る5つの物語。


村上春樹の小説に出てくる人たちって結構あこがれる。
これネタバレになるかな・・・ってまぁいいか。
最後の話に出てくる人で、嫉妬を経験したことがない、っていう人が居る。これはなかなかない事だと思う。
そういう思考に走る(走らないという方が合ってるかな)のが羨ましい。
他の登場人物もさっぱりしてるというか。
こう書くと人間くさくないぽいかも知れないけど、それはそれでみんな人間くさいところもあったり。
なかなか面白かった。「どこであれそれが見つかりそうな場所で」が一番好きかな。



1『もえない―Incombustibles』森博嗣

2008-01-05 21:19:24 | 本 2008
今年は読んだ本を書いていってみようかしら。

今年一冊目。

森博嗣『もえない―Incombustibles』

【内容情報】
クラスメートの杉山が死に、僕の名前を彫り込んだプレートを遺していった。古い手紙には「友人の姫野に、山岸小夜子という女と関わらないよう伝えてほしい」という伝言が。しかし、その山岸もまた死んでしまったらしい。不可解な事件に否応なく巻き込まれてゆく僕は、ある時期から自分の記憶に曖昧な部分があることに気づき始める。そして今度は、僕の目前で事件が―。

というお話。
あらすじ以外は何を書いてもネタバレ、ぽい事を作者が言っていたので何も書かないでおく。・・・でもそれもなぁ~と思うけど。うーん、、、書くことが見つからないや。