おなじ七年正月、内裏の仰せにて
としたてば はなこふべくも あらなくに はるいまさらに ゆきのふるらむ
年たてば 花乞ふべくも あらなくに 春いまさらに 雪の降るらむ
おなじ承平七年正月、天皇の仰せにて
新年になったので、もう花が咲くのを願うまでもなくなったはずなのに、どうして春になったいまさら、雪が降るのであろう。
年が明けた(旧暦なので、つまり春になった)のにどうしてまだ花が咲かずに代わりに雪が降るのか、という歌ですが、年があけたのは現実世界、雪が降っているのは屏風絵の中のことでしょうか。