陸奥へ下る人を惜しめる
かりころも するなにおへる しのぶやま こえむひとこそ かねてをしけれ
狩衣 摺る名におへる しのぶ山 越えむ人こそ かねて惜しけれ
陸奥へ赴く人を惜しんで詠んだ歌
狩衣の信夫刷りで名高い信夫山を越えてく人が偲ばれて、別れの前から名残惜しいことよ。
信夫山は陸奥の歌枕。信夫刷りは「シノブの茎や葉の色素を布にすりつけて表したねじれたような模様。また、そのすり模様の衣服。(デジタル大辞泉より)」とのこと。当地の名産ですね。また、「しのぶ」には、「信夫(山)」と「偲ぶ」が掛かっています。
「陸奥」「信夫刷り」というと、百人一首(第14番)の河原左大臣(源 融 みなもと の とおる)の歌が思い出されますね。
シノブ
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし われならなくに