日タイ、リタイア生活

日本とタイでのリタイア生活をつづります

ランタンカーニバル

2012-02-10 | 香港 催事
開口一番「チャイニーズバレンタインへようこそ」みたいな英語のスピーチがあったので、ちょっと違うんじゃないかと思った。

舞台はカラフルな民族衣装に身を包んだモンゴル族の踊りで始まったのだが、満席の会場にもかかわらず踊りから歌に演目が変わると人々はぞろぞろと移動を始めた。見ている時間よりも待っている時間のほうが長かったはずなのに。同じ中国と言っても、香港の人たちにとっては内モンゴルは遠い世界の話でなじみがないのだろう。

このランタンカーニバルは大舞台のほかにも数ヶ所で別々の異なるプログラムが進行している。だから観客はいくつかの舞台を回遊するように移動していく。気に入った舞台だと長居するがそうでないと、じゃあ別のところへ行ってみようということになる。建物の内外では大きな灯篭(ランタン)に光が入ってその周りを人々が囲み写真を撮っている姿も多かった。

室内のステージではいかにも中国らしい民族舞踊をやっていて客の定着率は大舞台よりも高いようだった。舞台をより間近で観ることができるということも原因しているかもしれない。外の小舞台では広東オペラをやっていて、ここにも人だかりができていて歌舞伎張りの大向うの一声がかかって、香港らしさが感じられた。

旧暦正月は別名元月というらしい。その最初の満月の日を元宵といい、古来元宵節というお祝いの日とされてきたというのが、このランタンカーニバルの由来のようだ。なるほど、旧暦と満月という関係を押さえておけば伝統行事として認識しやすい。新暦にすっかり慣れきってしまった日本人には、小正月とか薮入りはおろか、成人の日がかつて 1月15日に固定されていたこともすでに忘れてしまっている人がほとんどではないだろうか。

中国やタイなどでは現在でも旧暦で伝統行事を行っている。タイで買ったカレンダーには満月の日が絵文字で表示されていたほどだ。

日本ではせいぜいが月遅れのなんとか、という形でつじつまを合せている行事もあるがいかにも中途半端に見える。第一、お月様に失礼じゃないか。

雲間から垣間見えた満月を眺めながら、月と日本人の関わりがだんだん薄れてきてることにちょっと寂しさを覚えた夜だった。


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2 コメント

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月の存在 (edaats)
2012-02-11 11:09:25
最近は、本当に「月」の存在が希薄になってきました。日本を含むアジア各地で「月」の存在って大きかったんですね。
なんだか「月」を追求してみたくなりました。(^o^)/^

Unknown (erawan)
2012-02-16 00:13:26
>edaatsさん。

香港とかタイですと伝統行事が季節の節目に行われることが多く、その場合は満月の日なんですね。
昔の日本人も、そうやって行事を伝えてきたはずに違いないでしょう。新暦だと、それがわからない。ちょっと残念ですね。

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