日タイ、リタイア生活

日本とタイでのリタイア生活をつづります

空中展開

2011-06-28 | 香港に思う
香港島は土地が狭い。
バスに乗っていると、3階にある養老院が見える。しばらく行くと5階ぐらいのところに教会があった。もちろん十字架も尖塔もない。雑居ビルの一角だ。
通り沿いにはそんな教会がいくつもある。

幼稚園も2階にあった。教室はともかく運動場はどうしてるのかと心配だ。
さすがに銀行や郵便局などは一階部分にあるが、土地がない香港ならではの光景である。

そう考えてみると、日本はまだまだ恵まれているのかもしれない。

愉景湾

2011-06-20 | 香港 散策
香港で一番大きな島、ランタオ島東部に位置する愉景湾(ディスカバリーベイ)は、比較的新しい住宅地である。

ここを訪れたのは14年ぶりぐらいだ。当時は、島内の各地域とは物理的に遮断されていて香港島の中環から24時間運航しているフェリーが唯一の外界との連絡手段になっていた。屋根をオレンジ色で統一した中・低層のマンション群が湾をぐるりと囲んでいて、人々は公共バスのほかはゴルフカートでの移動に限られるという香港離れした、まるで南欧リゾート地のような住宅地だった。

当時の感覚では、確かに理想郷のような作りだが、あまりに整理されすぎていて窮屈に感じられ、やがて廃れていくのが自然だろうと思わずにいられなかった。ところが今回訪れてみて、町が数倍の規模に拡大していてビックりだ。

ショッピングセンターの内側にあるテーブル付の広場では、多くの人たちが飲んだり、食べたり、読書をしたり、パソコンをいじったりして思い思いの休日を楽しんでいた。他の町と違うのは彼らの多くが西欧人であるということだろう。

フェリー埠頭脇には、小さいながらも砂浜が広がっていて三々五々という感じで家族連れがやってきては水遊びに興じていた。フェリー乗り場脇というよくない環境であるために、わざわざやってくる人は少なくて、のんびりした様子だ。
砂浜に寝転びながら、この町が大きくなったわけと、自分の予想が外れた原因を考えてみた。あらためて周囲を見渡すと、かつて目立っていたオレンジ色が薄れて新しく出来たビル群にかき消されそうなほどの存在になっていた。リゾートみたいな住宅地、というキャッチフレーズからはずして拡大していったのだろう。
町が大きくなっていくというのはそうゆうことなのだろうな、と亜細亜のごちゃごちゃした街並みを思いながらかつてのリゾート地を後にした。

ちょっと寂しい路面電車

2011-06-16 | 香港に思う
香港島北岸の人口密集地帯を東西に走る路面電車はトラムと呼ばれ、ほぼ同じ区間を地下鉄が通るようになっても庶民の足として健在だ。

利用者にとっては、運賃の安さと駅間距離の短いことがどこでも手軽に行けるという魅力になっているが、一方渋滞に巻き込まれやすいので、遅い、なかなか来ないという欠点にもなっている。

ところがこのスピードの遅さがトラム運営会社に有利に働いているのが、車体全面に展開している広告だ。
バスも同様に派手な広告をつけて走っているが、広告の搭載率ではとラムにかなわない。

キヤノン、リコー、ANA、JAL、正露丸、救心、出前一丁、カップヌードル…かつては多くの日本企業がトラムの広告を飾っていたのだが、今ではほとんど見かけなくなってしまった。

不景気になるとトラムの広告が減る。数年前には広告なしの緑一色のトラムをしばしば見かけることがあったが、今ではほとんどすべての車両が広告付きだ。

ということは、日本企業の景気がはかばかしくないということなのだろう。広告はあまり目立ちすぎても問題になりそうで良くないが、なくなってしまうと寂しい限りだ。

浅水湾

2011-06-13 | 香港 散策
香港島は小さな島だが、北側と南側ではかなり様子が違う。北はごみごみしてやかましく、南はさっぱりして静かだ。
アバーディーントンネルを抜けると、南側に入ったとすぐに実感できる。太陽がまぶしく海がキラキラ光っている。
南岸沿いのアイランドロードは日曜日の午後とあって渋滞していたが、深水湾まで来ると流れがよくなった。坂を降りはじめ、丘の中腹にぽっかり穴の開いたリゾートマンションが見えたら、浅水湾(レパルスベイ)に到着だ。
道路わきの階段を下りていくと、香港島ではもっとも広い砂浜に出る。その前に脇にあるセブンイレブンに寄って、ビールやつまみを調達する。このあたりでは唯一のコンビニとあって大盛況大混雑でごった返していた。
好天のわりには思ったほど人が多くなかった。ここは外国人比率が高い。在住者はもちろん観光バスでやってくるツアーも多いからだ。
尉波洲、頭洲などの小さな島に囲まれていて、ロープの向こう側にはクルーザーや貨物船が停泊していてちょっとしたリゾート地の絵葉書のような景観である。
海の透明度や周りの景色は、南国リゾートと比べられるようなものではないが、それでもバスで30分足らずでたどり着けるのだから、天気の良い日の外出にはうってつけの場所であることには違いない。

渋滞のわけ

2011-06-08 | 香港に思う
通勤には帰りは地下鉄だが、行きはバスを利用している。始業時間が早めなので通勤ラッシュに巻き込まれないためと、ゆったりと座れて外の景色を楽しむことが出来るからだ。

地下鉄は早くて時間も正確だ。しかし、人を輸送するという効率に徹しすぎて日本の電車ほど乗り心地がよくない。座席はつるつるとした金属製で、固いし急ブレーキをかけられると横滑りする。それに早朝の時間帯でも座れる確率が低い。だったら多少時間がかかっても、料金の安いバスのほうを選びたい。

住んでいるところから職場まではほぼ一本道の大通りが走っている。バス路線はその大通り沿いに進んで途中から、一本海側の道に移ってセントラルの直前で元の大通りに戻ってくるというルートだ。
いわば幹線道路ばかりを走っているのだが、交通量が少ない早朝であってもスピードがそれほど上がらない。というのはバス停や交差点直前で駐車してる車があったり工事中で車線が狭くなっている場所が必ずあるからだ。

その道路工事だが、年中やっていて切れ目がない。今年に入っても北角や金鐘といった繁華街で同じ場所を何回も掘り返している。どうして同じ場所ばかりなのだろうと思っていたら、事業主体が異なっていた。あるときは電話会社、あるときは水道局、またあるときは電力会社といった具合だ。

この効率の悪さは、日本以上だ。