日タイ、リタイア生活

日本とタイでのリタイア生活をつづります

香港の海を見に行く

2015-03-31 | 香港 散策
住んでいるアパートの窓から少しだけ海が見える。海といっても対岸が近いので川の景色みたいなものだ。それでも、いつでも見えているということでかなりの精神的満足感がある。5分も歩けば海辺に出ることができるのだが、通勤経路や買物ルートと反対側なので不思議と足が向かない。過ごしやすい陽気になって、天候に恵まれた週末ともなるとどこかに出かけたくなる。そんなときに窓の外の海を思い出す。

アパートの下からビルの回廊を伝って公園に出る。東区走廊という高速道路のような道を歩道橋で渡りきると海だ。歩道橋の途中にちょっとした展望スペースがあって、眼前に海や対岸の九龍半島を眺望できるようになっている。九龍サイドもこのあたりに来ると低い山とその麓にへばりつくように立つ団地ぐらいしかないのでたいした景色でもないのだが、海風を感じながら小さな船に曳航される貨物船やヨット、運がよければ大型客船などが次々とやってくるのを見つめているのは楽しい。午前中とあって、堤防沿いに作られた公園ではジョギングを楽しむ人や太極拳をやる人々、散歩を楽しむ家族連れも多くて、結構賑やかだ。

右手には大きな赤い船が陸揚げされている。内部を見学できるようになっていた。減火輪=消防艇で、現役を引退したあと博物館になっているものだ。中は簡単なパネル展示しかないが、甲板に上がってみると海上にいるのと同じような眺めなのでそこそこ人がいる。

小一時間もいれば気分はリフレッシュ。なればまた来てみようということになるはずなのだが、再び足が遠ざかってしまう。なんだろうね。

香港花卉展覧(Hong Kong Flower Show)

2015-03-28 | 香港 催事
日本ではそろそろ桜の季節ですね。梅が咲くと春の訪れを予感させ、桜で春を実感し、つつじで初夏を、紫陽花で梅雨、そして向日葵で夏を感じるというように日本に住んでいたころは花で季節を感じることができました。

ところが亜熱帯の香港ではこれだ!という季節の花がありません。旧正月の花というのは存在するのですがそれは野に咲いているものではなくて、花屋さんで売っているという位置づけです。ですから花を観賞する機会も多くはありません。

毎年三月に行われている香港花卉展覧(香港フラワーショー)はその意味では、花を楽しむことができる貴重な機会で す。ビクトリアパークの半分ぐらいが一時的に造園されてその周りに花屋などの物販店が並びます。昨年は夜間に行ったので綺麗な写真が撮れませんでした。そこで今年はもう少し早い時間の午後に出かけて見ましたが、ものすごい混雑でした。花を見ながら歩いていても、立ち止まっても、人々の隙間を見つけてカメラを構えていても、必ず右から左から人がぶつかってくるのです。さらに、上空からも自撮り棒が襲い掛かってくるという恐怖の連続でした。

桜の木のしたでの宴がうらやましい…

香港の歴史ある建築の再生~動漫基地

2015-03-24 | 香港 散策
このところ香港では戦前に建てられた古い建物を取り壊すのではなく、使えるところは残して別の目的のビルに改装する試みが相次いでいます。

香港島、ワンチャイにある動漫基地はその魁となったプロジェクトで以前から気になっていました。ちょうど広告に企画展があると出ていたので行ってみることにしました。

トラムが走っている通り近くだということは知っていたのですが、正確な場所は知りませんでした。ところが行って見ればトラムに乗っていて車窓から見えているあの建物は何だろう?と思っていたそのビルでした。

外観は一階に商店、上の 階に住宅またはオフィスが入る長方形の建物です(イギリス式に日本の一階はGFなのですが、ここではわかりやすいように日本式の呼び方にします)。再開発ビルでは行政が介入するため、意外に良いテナントが入らないことがあるのですが、この建物にはコンビニや漢方茶の老舗、老舗のレストランという集客力のあるテナントが入居していて収益の安定性を図ろうという工夫が見られます。ひとつ難点なのが、入口がわかりづらいことです。二つの通りに面しているのですが、メインのマロリーストリート側の入口がパンダパンダというお店の中を突っ切っていくような構造になっているのです。動漫基地としての形態が5年間限定だからでしょうか。

ここは動漫 基地という名前から、アニメ、コミックの文化発信基地というイメージでしたが、実際にはもう少し広い範囲でとらえているようです。一階二階がテナントなので、三階から見ていきます。まず、香港アニメの上映があり、その奥にパソコンで個別にアニメが見られる部屋と、コミック雑誌がならぶ図書館があります。この図書館には日本のコミックも置いてありました。せっかくなので、一冊読んでみました。日本のコミックなんて何年も触れていなかったのですが、吹き出しの字が読みにくくなっていたのは気のせいかな。その上階が特別展示でしたが、内容はアニメというよりはグラフィックデザインに近い感じでした。訪れたのは土曜日の午後だったのですが、 見学者は各フロアで10人程度と意外に少なかったです。地下鉄内でスマホで漫画を読んでいる人を何人も見かけたことがあるのでもっと賑わっていると思っていたのですが。

最上階はテラスになっていて、中庭を上から見ることができます。中庭でも展示をやっていました。また、各フロアの階段側や天井、踊り場などにかつての建物の昔の姿が残っていて、私としてはこちらのほうが興味を引きました。天井を見てどこか似ているなと思ったら、今はアジアンソサエティになっている旧イギリス軍の弾薬庫の屋根の構造と似ていました。パンフレットによるとこの動漫基地の建物は1910年代に建てられたようで弾薬庫の時代に近いのですね。

このプロジェクト以降の再生事例をフォートレスヒルやセントラルなどで見てきましたが、テナントの選択や企画内容ではこの動漫基地がもっともうまくいっているように感じられました。


香港裏街歩き 士丹利街 (北側)

2015-03-21 | 香港 散策
中環にある裏道、士丹利街(スタンレーストリート)の2回目です。前回は通りの南側だったので、今回は北側を見てみましょう。
蘭桂坊寄りの入口から西に向かって歩きます。角の店は時計店ですが、今回初めて確認したというくらい印象の薄い店。自分が関心がないと記憶に残りにくいようです。この店の前に「士丹利街」という標識が立っています。その隣は中古ブランド品の店です。ここも自分とは縁が遠い店なのですが私がこの店を通る夕方、夜間では通り越しに見えるショーケースの明かりが爛々と輝いているので目立ちます。その先はいつの間にか、不動産屋になっていました。以前どんな 店だったのか記憶にありません。不動産屋自体も場つなぎ的と思われるのでまたすぐ変りそうです。その次の立派なビルには香港競馬会が入っています。いわゆる場外馬券売り場です。時折大行列ができることがあります。それは宝くじを買う人の列です。六合彩という日本のロト6のような数を当てるもので一等当選金が繰り越しになって高額なると行列が長くなります。地下には「黄枝記」という老舗の大衆食堂が入っています。この店は以前、一本北側の道の角にありました。そのときは一階だったので中の様子が見え、レトロ調のテーブルと椅子が特徴でした。いつか入ってみたいと思っているうちに閉店してしまい、がっかりしているとこの場所に移転オープンし ていました。早速入ってみると、中の調度品は以前の店と同じでした。なんかうれしかったです。さらに坂道をゆっくりと上っていきます。眼鏡屋さんがあります。この店は結構長く続いていますね。その隣が空き店舗。以前は何のお店だったのでしょう?その隣が薬局です。「勝利大薬房」という立派な名前なので覚えやすい。その先はカフェです。読みにくい看板ですが、「Holly Brown」ですね。香港では珍しい日本と同じような形態の喫茶店のようです。最近ヒルサイドエスカレーター入口近くにも、ミニスタンドができました。さらに進むとややクラシックスタイルなビルがあります。正面が木目の外装です。飲茶で有名な「陸羽茶室」です。この店はずっと昔に入ったことがありますが、常連客にはとても親切ですが、一見さんにはつっけんどん、といういかにも香港的な接客だったのでその後訪れていません。その隣には古いビルが3つ並んでいました。両端の二つは早々に取り壊されたのですが、真ん中の小さなビルだけ残っていました。しかし、地上げに成功したのか?最近そのビルも取り壊されて、一体開発するようで建設機械がうなり をあげています。そこそこ大きなビルが建ちそうです。次のビルもそう高くはありません。2階がベトナムレストランで、一階は鶏や鵞鳥のローストの店と文具店になっています。食堂のほうは最近オープンしました。近隣の庶民的な食堂が賃貸料高騰を受けてどんどん閉店していることもあり、この価格帯の店は貴重です。そんなこともありかなり賑わっています。カメラ屋を挟んでその先は石段街の階段になっています。見上げると雑貨やみやげ物を多く吊るした露店がいくつも見えます。石段の先はオーガニックの店。意外にも健闘して長く営業しています。その隣がつい先ごろオープンした日本のラーメン屋さん。香港人の固定客をつかめるかどうか。さ らに進むとバーみたいなつくりのコーヒーショップがあります。あまりに地味なのでお客が入るかどうか心配です。こちらもいつのまにかできていたという感じの店です。



その次のビルには「太平館」という香港風の洋食屋さんです。この店も長く続いていますね。店は2階なのですが入口ところにメニューがおいてあります。日本でいうところの昔ながらの洋食屋のイメージです。写真屋の向こうが「南記粉麺」とう麺類のお店。香港内にいくつか支店がありこちらも昼時は行列ができるほどの混み具合です。その隣が、春回堂薬行」という漢方茶の店です。香港ではよくあるスタンド形式の店で、こちらも利用客が多いですね。その先は上がヒルサイドエスカレーターになっています。
結構たくさんの店がありましたが、1年後にはどうなっていますやら。



禮賓府一般公開に行ってきました

2015-03-18 | 香港 催事
イギリス植民地時代に総督府として使われていた建物は現在は禮賓府と呼ばれ、特区長官の官邸となっています。1850年代に建てられた白亜の建物で、ふだんは一般の人は出入できませんが、毎年一般公開の日があります。

今年の一般公開はすごい人で賑わいました。中に入るのに30分も行列に並び、さらに敷地内に入ってからもほとんど行列に押し流されるようにのろのろ歩きをするだけで、庭園をじっくり鑑賞する余裕がありません。その上、庭がなく四季の花を見慣れていない香港人にはちょっとでも花が咲いていると珍しがって写真を撮るために立ち止まるために、ますます渋滞に拍車がかかります。建物内に入るにも5分ほど待たされ、やっと入っても押し競饅頭のようです。公開されているのは一階の一部だけなのですが、やはり写真を撮る人が多いのであちこちぶつけられながらようやく正面玄関口にたどり着きました。玄関脇では演奏会などが行われていましたが、もうぐったりです。

この公開日に訪れたことは何回かあるのですが、今年ほどの混雑ではありませんでした。



今回が最後の見学になりそうな予感。