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日タイ、リタイア生活

日本とタイでのリタイア生活をつづります

2014 台湾 台北のカフェ探訪

2014-04-20 | アジア旅行
台湾でも香港同様、新しいカフェが登場して人気を呼んでいるそうです。中には日本時代の建物を改装したものもあるということなので訪れてみました。

まず、向かったのが「二條通 緑島小夜曲」というお店。地下鉄中山駅から大通りに出て、路地を入った所にありました。入口には「二條通」という料亭のような看板が出ていました。門の内側が板敷きのテラス席になっていてその奥に店の入口へと続いています。間口が狭く奥行きが深い構造で、テーブル席とカウンター席がありました。この建物は大正時代に建てられた佐々木さんという日本人の家だったそうです。木造建築の良さを残しつつ調度品も木製、壁にもモノクロ写真を飾っていて、レトロな空間を演出していました。小さな店なので私が入ったときは、手前のテーブル席しか空いていませんでしたが、入口が見渡せるカウンター席が特等席のように思えます。木の香りとコーヒーが良くなじみます。


翌日は、地下鉄双連駅に近い通称「跳舞カフェ」に行きました。ここも以前は日本人の公務員宿舎だったところです。都会の真ん中ですが広い芝地の中に木造の平屋建てという空間がすばらしい。左側の大部分が「蔡瑞月舞踏研究社」の舞踏稽古場になっていて、右側の一部とその前のテラス部分がカフェとして営業しています。肌寒かったので中の席に着きましたが、天気が良ければ芝生が映えるテラス席でくつろぎたいところです。店内のテーブルと椅子は透明の樹脂製で木造建築、木の床なのにちょっと残念でした。板敷きの稽古場は稽古がない時間帯は見学が出来ます。

これらのカフェの値段は夜市の屋台飯の2倍ぐらいするのですが、二軒とも交通の便がよく、建物的にも貴重なものだったので予定を変更して訪れてよかったです。

2014 台湾 林家花園を訪ねる

2014-04-17 | アジア旅行
林家花園(林本源園邸)は清代に作られた豪商のお屋敷及び庭園です。地下鉄府中駅から10分ほど歩いた商店街を抜けたところにありました。

かなり凝った装飾ですが嫌味がありません。壁をくりぬいた模様が各所にあって、盆栽や甕、水車なども配されていました。回廊は意図的に直角に曲がっていて、提灯型の照明は古風ながらもモダンな趣きを呈しています。香港で見ることが出来る中華式庭園は、おおむね外壁や門が赤と緑で塗られているのですが、ここでは青と黒と赤茶色が多用されていて派手さはないものの、渋みのある高級感を醸し出していました。池の中に舞台があったり、橋がかかっていたりとどこから見ても違う風景が展開していきます。

壁には丸や多角形の穴が装飾的に開けられていて、その向うにまた丸や多角形の世界が広がって風景が多層的に見えます。全体を見ながら歩いても楽しめるのですが、こうした穴のそばに寄って、内側から見える景色を楽しむと言うのもまた一興という珍しい庭園でした。

台北に行ったら、是非訪れておきたいところです。

2014台湾 彰化扇形車庫 

2014-04-13 | アジア旅行
彰化まで来たのは扇形機関庫の見学が目的だった。扇形機関庫は日本でも数少ない存在になってしまったが、彰化の機関庫は現役で使われていてなおかつ見学可能という、すごい施設なのだ。但し見学が出来るのは平日のみなのでハッピーマンデーを利用した3連休では行っても見ることが出来ない。金曜が祝日のこの日は私にとって数少ないチャンスだった。

彰化駅を降りると「扇形車庫」への案内図が出ていた。当然中国語表示なのだが、三民路を進んで和平路との交差点を左折して地下道を…なるほど日本人にもわかりやすい。気をつけたいのは地下道の入口が反対側を向いていることで、多分あれが入り口かなという当りをつけておいて振向くと、人行地下道扇形車庫の大きな文字が見える、という段取りになる。

扇形機関庫は正式には「交通部台湾鉄路管理局彰化機務段」という。入口脇の事務所に備えてあるノートに住所、氏名などを記入すると見学できる。係りの人が指差す方向に参観経路と看板が出ている。緑色の壁に沿って進んでいくといきなり機関庫の裏側に出た。開いている窓越しに蒸気機関車の後姿が見える。さらに進むといよいよ入口で、左手にオレンジ色のディーゼル機関車、右手にSLが我々を迎えてくれる。SLのプレートには「CK124」とあり、なんか懐かしい。もしかして「C12蒸気機関車」?戻って調べてみたらやはり日本のC12が台湾に渡ったものだと判明した。この機関庫は日本時代の1922(大正11)年に作られたものだそうだが、機関庫も機関車も当時のものを大事に使ってくれたわけですね。台湾のみなさんありがとう。線路の先を進んでいくと、右側に安全第一とペイントされた車庫と操車場が見えるが見学者は立ち入ることができない。左がに転車台、その向うに1から12までの番号が振ってある扇形機関庫がある。機関庫には左の12番と11番にSLが、残りにオレンジ色の機関車が入庫していて、転車台のすぐ先にもオレンジ色ディーゼル機関車が待機していた。右奥には唯一の青色のディーゼル機関車が見えるが近づくことが出来ないのが惜しい。

とにかく転車台から回ってみる。通路の一部を塞ぐように機関車が停まっているのでその場所だけは線路の上を横断していく…って、こんなに近づいちゃっていいんですね。半周すると1番の前に出るので一両ずつ入庫している機関車を見ていく。12番のSLの前には動輪が置かれていてこれから交換のようだ。作業員がさらに新しい動輪を運んできた。場内は数人の見学者がいたが、なぜか女性ばかり。不思議な感じだ。

機関庫右側の事務所の上が展望台のようになっていて全体を見下ろすことが出来る。音が聞こえたので振向くと後ろの本線を特急が通過していくところだった。あっちへ行ったり、こっちに戻ったりを繰り返して1時間ほどで大人の社会化見学は終了。こんな機会は日本ではまず考えられないのではないか。いやぁ、台湾ってほんとうに良いところですねえ。

2014台湾 台湾鉄路之旅

2014-04-06 | アジア旅行
改札を抜けると病院の待合室のような椅子が何列も並んでいた。新幹線のホームは2本あるのだが先発の2本の列車は左側のホームから、後続の2本の列車は右側から出発するようになっていた。乗車予定の列車は右側のホームだったので、エスカレーターの前まで行ったらゲートが閉まっていた。ゲートが開くまで椅子に座って待っていなさい、ということなのだろう。地下ホームが狭いので降りる客を全部さばいてから乗る客を入場させるという形をとっていると思われる。台湾新幹線は初めて利用するので早めにホームに着きたかったのだがあてが外れてしまった。

ゲートが開くと予想通り列車は既に入線していた。やっぱりホームが狭い。どうしても盲人用ブロックの上を歩かざるを得ないぐらいだ。白地にオレンジという配色は在来線の特急と同じで意外だった。日本のようにまったく違ったデザインの方が好きだな。普通車の車内は2+3の座席配置で日本と同じだ。座席の後ろに折り畳み式テーブルがついていて、裏側にトイレの場所などの車両案内が記されている。午前9時、新幹線625次は定刻に台北駅を発車した。しばらくは地下を走るので感慨は今一つといったところだ。板橋を過ぎたあたりで地上に出た。ようやく列車旅の気分になってきた。スピードが上がっているようだが揺れがほとんどないので実感がわいてこない。この列車は各駅に停まるいわゆる「こだま型」で、3席の窓側に座っていたのだが次の停車駅桃園で女性が二人乗ってきた。やや圧迫感がある。これだと男性が3人座るとかなり窮屈そうだ。この日の台湾は寒気団の南下で肌寒かったが車内は冷房が利いていてちょっと寒い。とはいえ、同時期の香港の地下鉄の寒さに比べると全然ましだ。車窓に展開しているのはトンネル、田んぼ、ため池といった風景で単調だ。ときおり車内の電光板に速度表示が出る。時速233k、そんなに速いのか。車内販売のワゴンが何回か通り過ぎるが窓側なので何を売っているのか見えなかった。9時58分台中駅に到着。ここで乗換えのため下車する。

台中駅は在来線の台中駅とは別の場所にある。日本なら新横浜とか新神戸とか別の名前をつけるのだが、台湾は違うようだ。この駅は在来線と交差していて新烏日駅とつながっている。連絡通路の途中には鉄道模型店や鉄道グッズの店、駅弁のスタンドなどがあって鉄道ファンには楽しそうだ。この駅では悠遊カードが使えないので、窓口で行き先の駅名を書いた紙を見せて切符を買い、ホームに向った。やってきたのは台北近郊を走っているのと同じ青色の4両編成の電車だった。山手線と同じようなロングシートの座席でトイレがついている。これだとお弁当を広げて列車旅という気分にはならない。嘉義行きの区間車は10時34分に新烏日を発車した。十分に座れるぐらいの混み具合だ。道路や民家が近いので新幹線よりも車窓は楽しい。次の駅は「成功」とう名前だった。前に座っていた男性が思い出したように立ち上ってスマホで駅名表示板を写真に撮っていた。目的地の彰化はその次の駅だった。区間車の旅は10分ほどで終了。

帰路は在来線で戻ることにして特急を予約しておいた。彰化発13時17分発の172次自強号である。台湾の列車で戸惑ってしまうのが自分の乗る電車がどのホームから出るかわかりづらいことだ。原因は台北が終点駅でないことにある。台北に行く13時台の自強号ということだけ頭に入れて改札を通過したのだが、13時台の自強号は上り下り両方ともあったのだ。切符で列車番号を確認してホームへ向かう。この自強号は台北から東部幹線に入って花蓮まで行く、台湾を半周してしまうほどの長距離列車だった。新幹線に似た白とオレンジの車両に乗り込む。2+2のリクライニングシートだったが斜め前の席の男性が思いっきり座席を倒していたのでかなり圧迫感があったが、運よく次の駅で降りてくれた。テーブルはなく、肘掛横にドリンク立て、前座席下にフットレストがついている。13時43分豊原駅に着くとお客がどっと乗り込んできてあっという間に満席。通路にまで立席の人が入ってきた。この辺りから記憶があやふやになる。前日の深夜に台北入りして十分に睡眠がとれないまま新幹線に乗り込んだので疲れが出てきたのだ。うとうとしていたら列車は台北近くの地下区間に入っていた。
15時50分、ほぼ定刻に台北に到着。半日間の鉄道旅を終えた。


2014台湾  前清淡水関税務司官邸(小白宮)

2014-04-02 | アジア旅行
淡水でもうひとつ見逃していたのが小白宮と呼ばれている洋館だ。当初紅毛城→小白宮の順に回るつもりだったが、淡水に着いたらすでに4時を回っていた。小白宮の閉館時間が迫っていることに気づいた。ちょうど紅毛城の一つ手前のバス停が小白宮前だったことを思い出し、急きょ順番を入れ替えることにした。

やや急な坂道を上ってしばらく行くとやがて緑の中に白い洋館が見えてきた。淡水河を見降ろす小高い丘に建つ建物は清時代の税関役人の住居として使われていたのが始まりで、西洋人も実務に当っていたことから、コロニアル様式の建物になっている。赤レンガが多い淡水の洋館の中では異彩を放っていた。赤い屋根に白い壁、アーチ型の回廊が特徴で、庭園の緑やピンク色の花とのコントラストが鮮やかだ。

日本語のパンフレットも置いてあり、淡水の歴史を知る上でも役立つ史跡だと思う。