今日の料理(こだわりがないのがこだわり)

フードリテラシーに沿いつつも、なるべく夢のある料理や飲食をジャンル・国境・時代・時間をボーダレスに越えて書いています。

仙台味噌

2014年11月26日 | 素材

今日は、仙台味噌について勉強してみよう。

仙台味噌は、独眼龍・伊達政宗が青葉城に日本初の大規模な味噌工場を建てたのが始まりで、軍用モノとしての味噌の役割の他に、飢饉の多い東北での非常食としての意味も兼ね備えられてきたという。

味噌というのは、消化吸収を促進する効果があるので、いくら兵糧で白米を沢山足軽達に食べさせても、消化吸収が上手くいかなければ、疲れが取れず、根気も続かないのだ。

味噌には大豆に含まれる35%の麹菌が発酵を促し、旨味成分であるアミノ酸が造成され、さらに長期間の塾生でよく発酵している為に、乳酸菌や麹菌・酵母などが消化吸収を良くする整腸作用の様な役割も果たす。

仙台味噌は口伝で製法が伝えられてきたが、日持ちする様に塩分も多めなのだが、2年余の長期熟成で塩もこなれてくるので、そんなに食べられないという塩っ辛さではない。(なかった・・・やや塩辛いなという感じぐらい)

秀吉の朝鮮出兵の折に、伊達家も仕方なく現地へ渡り戦争した折に、他の戦国大名の軍用味噌は、向こうの風土に合わずにその殆どが腐っていったのに対し、伊達政宗の仙台味噌だけは、その塩っ辛さもさることながら、長期熟成の製法のおかげで腐らなかったので、他の大名達が争って、仙台味噌を請いに来たという、そのおかげ仙台味噌は一躍日本全国に名を轟かせた。

そんな逸話もある仙台味噌だが、スーパーに行って味噌の棚を見てみると、あまり味噌って好きじゃなかった(基本味が薄いモノが好きなので)ので、OUT of 眼中だったが、味噌ってこんなに種類があるのかと思って、凄く迷ったのだが、(麦味噌とかも久しぶりに食べてみたいし)、その時、この朝鮮出兵の逸話を思い出し、そうか仙台味噌というものを食べてみようと、探したら、モンドセレクション8年連続金賞受賞でそんなに高くもなかった。(あ、この値段なら、まあ塩辛過ぎて自分に合わなくても、まあ、仕方ないと諦めがつくかと思い)、念願だった仙台味噌を買う事にしてみた。

よく、最近はダシ入りの味噌というのが主流で、自分もそれで育ってきたけれど、
よくよく考えたら人工的に旨味を加えた味噌を食べさせられていたわけで、受動的だなあ~って、もしかしたらそんな所が嫌いだったのかもしれない。
今回、初めて、ダシや化学調味料や添加物が一切入っていない、米・大豆・塩・麹だけの本物の味噌というモノを食べてみた。
(少し、味噌が好きになったかな)
ランチはハンパなモノを食いたくなくて味噌だけだけれど、梅干みたいに1個丸々食べなければいけないものよりも、自分の好きな分量だけ白飯に乗っけて食べるところに、自分は選択の自由を感じている。
(たまに良いモノ食べれば良い)
昔は白米にフリカケだけだったが、同期の子に「ワビシイからヤメテ」と言われ、自分だって流れ流れて、ここに辿り着いたんじゃねーか?、家でお父さん・お母さんに美味しいモノ食べさせてもらっているのかもしれないけれど、人のメシにゴチャゴチャ言うな、それに俺は夜は後輩の店に行ったり、命掛けで食の勉強をしているんだ、だから金もいる。
それに「米の味が解り過ぎて(=米をライスサラダに入っている様な素材や穀物としてみているんだ)、だから白米だけ食べているんだよ」と言った所で信じてはくれないだろうから、黙っていた。
でもその子カワイカッたから、その日から屋上かベランダで白メシを食べる事にした。
ここならウルサイ上司も、誰も文句を言わねえからイイヤって。

戦国時代の足軽達は白米だけで戦(イクサ)場を乗り越えてきたのだから。

1カップ1000円前後する味噌なんて、どんな味がすんだろ?
まあ、期待に胸膨らませておく方が楽しいのかな。

※その伊達政宗の遺訓に面白いモノがある。↓
・仁に過ぐれば弱くなり
・義に過ぐれば硬くなる
・礼に過ぐればヘツライとなり
・信に過ぐれば損をする
・智に過ぎれば嘘を付く。

これを読んで、ハッとする人も居るだろうし、
ドキッとする人も居る人間も居るだろう。

「人は行動で語る」。