社長つれづれ日記

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人間を知ると言うこと

2006年05月23日 | 仕事
◆◆社会不安障害

 何かのニュースでやっていたのですが、最近はこの社会不安障害(SAD)という病気にかかっている人が大変多いといいます。そして、この病気は本人が病気であるという自覚がなく、「自分の性格によるもの」と思っているらしい。であるから、適切な治療が出来ないで、本人が一人で悩むこととなっているそうな・・・。

 あわただしく過ぎてゆくこの社会の中で、健康な人間であっても、人間はなかなか生きにくくなっています。色々な意味で、自分の健康には目を向けて行かなければなりませんね。また、職場においても、管理者が部下の健康状態を良く観察し、適切なアドバイスも必要でしょう。そういう意味で、経営者を含めて、管理者は「人間」の理解が大切だと思います。、

------以下 「e治験.COM」 参照 http://www.e-chiken.com/shikkan/sad.htm

●社会不安障害(Social Anxiety Disorder: SAD エスエーディー)とは

 ・会議などで発表したり、意見を言ったりする
 ・人前で電話をかける
 ・権威ある人(学校の先生や職場の上司)や良く知らない人と話をする
 ・多くの人の前で話したり、歌を歌ったりする

 このような状況に自分が置かれたり、また、このような状況に自分が置かれることを想像するとき、「緊張したり」「不安を感じたり」することは誰でもあると思います。
 SADは、このような状況で普通の人よりも「強い不安」を感じたり、それらの状況を「避ける」ことにより、毎日の生活や仕事に支障をきたしてしまう病気です。

 また、SADの患者さんは、上記の他にも、普通の人であれば特に「緊張したり」「不安を感じたり」することのない次のような状況でも「強い不安」を感じることがあります。
 ・趣味のサークル、PTA、ゼミ等のグループ活動に参加する
 ・レストラン、喫茶店、居酒屋等で飲食をする
 ・職場や学校など、人前で仕事をしたり字を書く
 ・会議やゼミ等他の人たちがいる部屋に入る
 ・人と目を合わせる
 ・来客を迎える
 ・自分を紹介される

●SADの患者さんが、このような状況に「強い不安」を感じるとき、具体的には次のような症状が現れてきます。
 ・手足が震える
 ・息が苦しくなる
 ・動悸がする
 ・大量の汗をかく
 ・顔が赤くなる
 ・声が出なくなる
 ・頻繁にトイレにいきたくなる など

●社会不安障害(SAD)の患者さんの特徴

 SADの患者さんは、人前で自分が何かおかしなことをしてしまうのではないかという「強い不安」を抱き、また、それを他の人に気づかれまいとして、不安のもととなる状況を避けようとします。
 例えば、「話をしているときに声が震えたり、顔がひきつったりしていると他の人に気づかれて恥ずかしい思いをするのではないかと考えて非常に不安になる」、「手が震えていることを気づかれるのではないかと心配になり、他の人がいるところで食事をしたり、字を書いたりすることを避ける」といったことです。

 SADは、以前「対人恐怖症」と呼ばれていたものの一部分の症状(strikethrough: 疾患(病気))であり、患者さんの特徴として次のことがあげられます。
 ・劣等感が強い
 ・自分に自信がもてない
 ・人前で恥をかくのではないか、変な人と思われるのではないかと強く心配する
 ・他人の評価に敏感である

●社会不安障害(SAD)の患者さんは治療の機会を逃しています。

 海外では、SADは一般的に理解度が低く、治療の機会を得にくい病気とされています。
 左のグラフにもあるとおり、海外で行われた調査によれば、SADの患者さんの約2/3は病院に行っておらず、また、病院に行っている場合でも「自分がSADであると認識して受診した」患者さんは3%にすぎないという結果となっており、治療の機会を自ら逃していることがうかがえます。

 一方、日本では、SADという名称や病気の症状については、あまり認知されておらず、その症状の原因を「自分の性格のせい」であると思って、治療を受けていない(病院に行っていない)方が多いようです。

 SADは発病すると、他の精神疾患(うつ病、アルコール中毒、パニック障害など)を併発する割合が70%を超えるとも言われていますので、SADの症状が現れている場合は、それは「性格のせい」ではなく「病気である」と認識して、早めに専門医(精神科や心療内科)の診断を受けてください

●社会不安障害(SAD)の治療法

 SADの治療法には大きく分けて、薬物療法と認知行動療法の2つがあります。実際の治療では、この2つの治療法を併用することが多くなっています。

【薬物療法】
 最近の研究では、SADは脳(セロトニン神経系とドーパミン神経系)の機能障害により発症するのではないかと推測されており、現在もその発症原因について、世界中で研究が進められています。
 海外では、早い時期から薬物による治療の研究が盛んに行われており、既にSADの治療薬として承認され、患者さんの治療に使われている薬(一般名:パロキセチンなど)もあります。

 一方、日本では、SADという病名で国(厚生労働省)に承認されている薬は一つしかなく(一般名:フルボキサミン)、患者さんの症状により抗うつ薬や抗不安薬なども治療で用いられています。
 現在、SADという病名で承認を受けるために進められている治験(国から薬として承認を受けるための臨床試験のことです)もあります。

【認知行動療法】
 認知行動療法は薬物療法より歴史が長く、精神療法の中でも重要と考えられている治療法ですが、日本ではあまり知られていません。 認知行動療法では、エクスポージャー、ソーシャルスキルトレーニング(社会技術訓練)などの方法を用いて、実際に恐怖を感じる場面に直面したときに感じる不安感を自分自身でコントロールできるようにします。

 薬物療法と違い、副作用が少ないのが利点ですが、患者さん自身もかなり努力しなければなりません。そのため、認知行動療法では、問題点を順番に洗い出していき、解決できそうな問題、患者さん自身も大きな不安と感じないような小さな問題から順番に解決していくという方法がとられます。
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 ニュースでは「9割以上の人が、薬を飲み、認知行動療法をとることで直る」とか言っていました。とにかく、もし、思い当たる人がいたら、早く病院に行って治療した方がよいですね。
 
 人を預かっている経営者として、今回のような情報は重要ですね。精神論だけで社員さんを扱っているとしたら、それは問題です。日頃から、社員さんとの気楽なコミュニケーションのなかで社員さんの健康状態にはよく注意し、色々と「人間」に関する科学的情報は持っておく必要がありますね。そうすれば、社員さんに対する適切な対処と共に、良い人育ても出来て行くのではないかと思います。