初・名香智子

2006-02-11 17:38:59 | books
財布に4000円しかないので出かける予定をすべて保古にした。
というのは冗談だけど、今月は秘密の出費があって、少し節約モード。
出かけてお金をつかうとその分精神的に得るものは多いのだと、いつもは無駄遣いの言い訳のように思うけれど、お金がないなあと思うと出かける意欲がまずなくなる。
こういうのを貧すれば窮すというのだな、と思ってなんか違う? 貧すれば鈍す、ですね。
貧乏金なし(それも間違い)。

仕事モードの週は週末家にいると余計に疲れてしまうのだけど、締め切りの近い添削仕事があるので仕方ない。たまっているビデオもあきらめてしこしこと仕事する土曜日。
見渡せば乱雑きわまりないリビング。ああ、掃除もしなくてはなあ。


o山さんから借りた名香智子の漫画を読んでいます。
名香智子って、絵柄がいまいち好きになれなくてずっと「読まず嫌い」なままでいたんですけど、意外に(というのは失礼な言い方だ)ディープなファンが多いのですね。自分で買ってまでは読みたいとは思わないけどずっと気になっているランキング3位くらいの漫画家さん。
お借りしたのは『グリーン・ボーイ』と『花の美女姫』。
いやあ、『グリーン・ボーイ』面白かった。これかなり画期的な少女漫画ですね。本当は貧乏だけどお金持ちのお嬢様のふりをしている主人公ってのはありきたりだけど、少女漫画で主人公が淫乱ってのはあまりないんじゃないかしら? ファンタジーでありながら、毒もしっかり。
『美女姫』のほうも正統な少女漫画の体裁をとってはいるけれど、スケールの大きさを感じさせますね。いやはや、まだまだわたしの知らない世界が漫画にはありますね~。

おかげでちっとも『失われた時を求めて』が読み進みません。まだ1巻終わらないってどうよ?

オリンピック始まったしなあ……。

『イノセント・ボイス』

2006-02-11 00:37:37 | cinema
会社の帰りに銀座シネスイッチで映画『イノセント・ボイス』を観る。シネスイッチは金曜日がレディスディで900円なの。ほんとは仕事が終わらなかったんだけど、きょうを逃すと行けそうにないと思って(内緒ね)。

この映画はどうしても見たいと思っていたの。去年から縁のあるメキシコの映画だということもあるけど、この映画の監督さんと脚本のひとに偶然(居酒屋で)遭っているんですよね。映画の宣伝で来日しているときに、本当に偶然。こういう縁は大事にしたいのです。


メキシコ映画ですが舞台はエルサルバドル。政府軍とゲリラ軍による内紛状態の厳しい時代を生き抜いたひとりの少年が主人公。実話をもとに作られているということで、戦時下はそれがたとえどこであろうと過酷な現実との戦いであるわけなんだけど、この映画の舞台は1980年代。日本がバブルで浮き足立っていた時代に、こんなことが! と思うだけで胸が痛む。

主人公の少年チャバは11歳。この国では12歳になると兵隊に行かなくてはならない。それも日本のように「召集令状」が届くなんてことはなく、ある日突然政府軍が学校や村に乗り込んできて少年たちを無理矢理車に乗せて連れ去るのだ。連れていかれなかったとしても、毎日が危険と隣合わせなことには違いがない。住宅地での銃撃戦、教会や小学校にまで乱入し突然撃ち合いが始まる。多くの近しい人間が犠牲になっていく。
そんな状況下でも、子供たちはまだ無邪気だ。外出禁止の時間を過ぎても遊んでいたり、大人たちの助けになるように働くのも、どこか遊びの延長。クラスの女の子に夢中になったり、ゲリラの叔父からもらったラジオで禁止されている曲を聴いたりしてみる。
しかし、事態は悪化するばかり。子供たちの顔からだんだん笑顔が消えていく。
政府軍につかまって歩かされているときの恐怖に歪む顔! 殺されかかったあとにライフルを構えて撃とうとするときの憎しみに満ちた顔! 焼き討ちにあった自分の家の前で呆然とたたずむ姿!
このへんは本当に見事でした。演技の見事さというよりも、変わっていかざるをえなかった子供たちの姿にどんどん引き込まれていくという感じでした。

チャバのお母さんがまたかっこよくてね。美人でたくましいの。


せっかくだから、メキシコ大使館のアウレリオに「映画見たよ~」ってメールを送りたいけれど、また英作文しなくちゃならないと思うと気が重い(笑)。
いずれにせよ、きょうはとっても疲労感。オリンピックの開会式まで起きていられそうにないわ(冗談です)。