ふふ、嬉しいですねえ。
通訳を担当した作品がヒットすると我がことのように狂喜乱舞しますわ。むろん、配給会社、宣伝会社のひとたちの汗と涙に敬意を表した上で、かげながら小躍りという形ですが。
まずオリヴィエ・アサイヤス監督の会心の一作!
『夏時間の庭』L'Heure d'été
アンドレ・テシネの『ランデヴー』の脚本を書いていた頃からアサイヤス監督にはずーっと注目していたわけですが、今回の作品は永遠少年ともいうべき彼の成熟を(ようやく)見た!とお姉様たちはガッツポーズだったのよね。だから、弟の快挙のように嬉しい(ほんとは彼の方が年上なんだけど、気分的には年下の男の子です。数年前『デーモンラヴァー』の来日で取材通訳した時もほんと少年って感じでした)。
まあ、なんで落ち着いちゃったの?と嘆くファンもいるでしょうが。いや、またすぐやんちゃしますよ、きっと。
そしておそらくは大器晩成型のピエール・ショレール監督の40才を越えてのデビュー作。
『ヴェルサイユの子』Versailles
昨年10月に夭折したギヨーム・ドパルデューが主演ということで話題作。実生活での父親ジェラール・ドパルデューとの確執が主人公とオーバーラップすることもあって、複雑な思いはダブルに募りますが、わたしはとても高く買ってます、この作品!
ショレール監督とはフランス映画祭の来日の際に、配給会社さんと担当通訳さんのランチに私もまぎれこんだこともあって一応、知己の人。
こないだドキュメンタリー作家マークのアテンド通訳をしましたが、そのマークと最初に会った時に、「君はピエール・ショレールの通訳をしたよね」と言われ、不覚にも「だれ、その人?」と目を丸くしたのですが、だって私は通訳担当してませんから! ごはん食べただけですから! いずれにせよ、名刺は渡したのだった。しかも、映画をバカ誉めしたのだった。
というわけで、ショレールが私を覚えていて日本に取材に行くという友人(マーク)に「ユウコは素晴らしい!」と話したようで、人違いじゃないの?と思ったけど、「いや、それは君がバカ誉めしたからさ、効果は絶大だね」とマークに言われて苦笑い。
というわけでマークはショレールの友人で、ショレールの奥さんが私のパリの親友ジュヌヴィエーヴと友だちで、マークはジュヌヴィエーヴとも知り合いなんだよね。めくるめく縁。
最後の一本は6月6日に公開されて絶好調の『サガン ー悲しみよこんにちはー』。
フランスの女性監督としては長いキャリアを誇るディアーヌ・キュリス監督の思い入れの深い作品。あれ、この話、すでにフランス映画祭の頃にブログに書いたような気がしますね。キュリス監督はいつも白いシャツにジーンズ、黒いシャツにジーンズといった男前のスタイルですが、取材の記者さんに誉められると嬉しそうにはにかむ笑顔が少女のようです。
公開にあわせてサガンの伝記も出てますよね。わたしのパリのイナルコ学生時代の同級生、永田千奈さんが翻訳してます。買って読みましょう!
『サガン ー 疾走する生』 マリー=ドミニク・ルリエーヴル著 永田千奈訳
(出版:阪急コミュニケーションズ)
以上! 今、和仏翻訳でウンウンうなっていて、ああ、日本語で文章が書けるってなんて楽なんだろう、と、ついついいっぱい書いてしまいました。駄文でごめんなさい。
ではみなさん、Bon dimanche !!