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B面でかせごう!

京都なまりのフランス語通訳
*人見有羽子のポップでキュート*

田中一村展 お見逃しなく!

2024-11-23 11:00:13 | アート・文化

わたしにとっては発見でした。

2018年のフランスでのジャポニスム関連行事として田中一村の絵もフランスに渡り、その際、現地でも高く評価されたことは仕事で知ったのですが、その時に初めて目にしたのは奄美大島で描かれた南国の植物がぎっしり詰まった作品。

う〜ん、好みと違うかなあ、と失念していたのですが、今回の大回顧展では彼の幼少期から最晩年の作品が網羅されていて、びっくり仰天。

本物を見るとなんと繊細な日本画。しかも幼少期の父親(彫刻師)以外、特定の師匠にもつかず、南画の伝統を独学で勉強されたというからまたびっくり。昭和の若冲という言われ方もしますが、天才の凄みのある若冲さんよりも、苦行の道をひたすら歩んだ努力派の一村さんの好感度たちまちアップ。

今回の展覧会で、とてもありがたかったのは私のような素人にもよくわかるキャプションの説明。とても丁寧で、制作時の作家の心理的・物理的状況が簡潔に説明されているので、なるほど・・となるわけです。共感しやすい。

本展の宣伝素材にもなっている「アダンの海辺」はやはり唸ります。

それでいて、枯れた味わいの「草花と岩上の赤髭」(写真下)は、一村の自画像かなと思いながらも、見ている私自身を重ねてみたりして、なんともなんとも惹かれます。

この絵葉書は抜粋でしかなく、本当は前景に草花を配したもっと縦長のフォーマットで、この赤髭という鳥の孤高の姿がより際だっています。

この岩の滲み具合もぐっときますよね。大好きな一作です。買うなら(買えないけど)、これです。鳥や草花の愛らしさ。絶妙な構図。

一村さんは写真にも興味を持ち、独学で学んだそうですが、何点が出品されている写真を見ても、彼の構図のセンスは発揮されています。合点! 

展覧会は12月1日まで。 わたしは人が空き始めていた17時頃に行き、終了まで粘って1時間半。でももうちょっといたかったかな。

 

 

 

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京都で谷口ジロー展 

2022-08-22 11:25:58 | アート・文化

京都では、ブライアン・イーノ展がこの夏の目玉的な扱いなのだけれど、

疲労困憊している頭に自分なりの考察を促されても、ほとんどノーアイデアのような予感がして

熟考の末、却下。

それよりも具体的に心に響きそうな谷口ジロー展に出かけました。200点の原画展です。場所は烏丸御池の京都国際マンガミュージアム。

「描くひと 谷口ジロー展」そしてなんとフランス語でL'Homme qui dessine  Jirô Taniguchiという副題まであります。

フランスではもう長いこと谷口ジローさんは漫画界のスターなのですよ。

先日もフランス人監督がアニメ化した『神々の山嶺(いただき)』が公開されたところです。

(未だ見過ごしていますが、まだどこかでやっているだろうか・・)

 

わたしが彼の存在を知ったのは、パリ留学時代の後半だったと思いますが、

学校(=イナルコ)の日本文学史の授業が面白くて、その流れで明治期の文豪たちを遅まきながら再発見(=正確には発見ですね)し、またまたその流れでフランス人の先生や生徒が明治の文学思想を漫画化した「『坊ちゃん』の時代」(1987-96)にはまっていたのに興味を持って、日本に戻ってから文庫化された全巻を読んだ・・のだったか。原作の関川夏央さんもその頃に知り、けっこうツボでしたので、何作か続けて彼の著作も読みました。

「『坊ちゃん』の時代」はすごいと思いました。漱石はなんだかダメダメな人に描かれているし、ユーモアたっぷりながら、時代の空気は鋭くとらえれらている。勉強になる! 文豪を普通の人として描くのは関川さんからのリクエストだったようですが、展覧会会場では、関川さん始め、谷口ジローさんに関わった方々のインタビューからなるビデオ 48分が流されいて、しっかり全部観ましたが、フランスでは谷口さんは日本の漫画界の小津安二郎の位置づけらしいですね。なるほど・・・です。

(Au temps de Botchan 仏語版です)

あまりにも早い訃報(2017,享年70歳)は、フランスのメディアでのとりあげの方が日本よりもはるかに大きかったですね。

敬意を感じました。

(外国版の谷口ジロー作品のいくつか)

京都国際マンガミュージアムは漫画好きにはたまらない場所ですが

谷口ジロー展は外国の見学者も多かったです。

ミュージアム入場券900円でこの展覧会には無料でアクセスできますので、涼をとりつつ

ぜひ来週29日までの会期中にお楽しみ下さい! 

 

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上野リチ しあわせなひととき

2021-12-19 09:46:03 | アート・文化

こないだ京都国立近代美術館で。

童心に戻ったひと時でした。

今朝、「日曜美術館」で紹介され、来年には東京でも展覧会が開催されるようですから、ぜひ。

ミナ・ペルホネンの展覧会も至福でしたが、テキスタイルや壁紙のファンタジーは日常とは違うどこかに連れていってくれます。

ミニマリズムより、わたしはこうした装飾的なデザインが好きだな。

上記写真のチラシは一部、もう終わってしまった京都伊勢丹のポップアップストアのものも含みます。こちらは行けなかった!行ってたらお財布の紐が緩みっぱなしだっただろうから、それはそれで身のためには良かった・・。

今年はほとんど洋服を新調していなくて、最近、すでに流行が終わろうとしている黄色のベストV 衿が欲しいなあとネットで探しましたが、好みのデザインがなくて諦めました。

前ボタンが並ぶ、薄手のニット編みベストが欲しい。ツイードのジャケットに合わせたいんだよなあ。黄色といっても、ややマスタード系の黄色。目には浮かんでいるんだけど。

うかうかしているうちにもう新しい流行が来ていて、アパレル系はいっせいにそちらを追うから、

いちど逃すとなかなかね。 

 

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現況 横尾忠則展へ

2021-10-10 18:40:25 | アート・文化

横尾忠則さん60年のキャリア、圧巻です。

わたしはデザイナーとしての横尾さんのポスター群にぐっと惹かれます。

アングラの時代が懐かしい。お気に入りを2枚。

しっかりグッズまで買ってしまった。でも、色みも気に入ったので、これまでのプチデジュネの紅茶茶碗はすっかりこのヒトミ、ヒトミ、マグカップに取って代わられてしまいました。飲み終わる頃に瞳と目が合う感じが朝から楽しい。

バイクガールのルネ・マグリット風のこの絵も、好きです。元気になります。

横尾さんの絵にしばしば登場するアメリカのグラマラスなピンナップガール風の女体も好きです。

 

横尾さんのコレクションの滝の絵葉書部屋も楽しい。絵葉書以外の面がすべて鏡なので、お、私か!、と自分と顔があったり、足下を見れば、盗撮できそうな鏡面なので、スカートの裾押さえてましたが、そのスカート押さえてる自分にうっかり遭遇したりするので、長時間いると頭がクラクラしそう。

遊び心満載です。

そして高橋睦郎作、横尾忠則演出という、面白すぎるアニメビデオが上映されており、もう、これだけで今日、来た甲斐があったというくらい超満足。あ〜あの頃は良かったなあ、感をひしひしと感じながら・・・。

というわけで、10月17日最終日まであと数日ですが、ぜひ木場の東京都現代美術館へGO !  清澄白河からちょっと歩くのですよね。暑い日でしたから、けっこうへたりました。

平日でしたがけっこう混んでいて、みなさん真剣に鑑賞されてましたね。わたしははやばやと切り上げて(横尾さんの展覧会は兵庫含めてあちこち出かけているので、と言い訳)、二階のカフェに上がり、ソフトクリームでほっとひと息。

久しぶりの癒しでした。

 

 

 

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ポンポン展を駆け足で

2021-08-31 22:17:41 | アート・文化

フランソワ・ポンポン展、名前が可愛い!と思っていたら、

動物彫刻の作品も愛らしい。

ロダンのもとで腕を磨いたポンポンさん。

思わず撫でたくなるつるつるの質感。

このつるつる感で思い出すのはブランクーシ。二人が実際に出会っていたかは謎らしいですが

ブランクーシは間違いなく影響を受けていますよね。

 

お盆前の暑いさなかの京セラ美術館でしたが、前年に比べてぐんと訪れる人が増えて、カフェも長いウェイティングリストがあったので諦めました。

その後、四条の大丸近くのイノダへ。

京都の夏は気温37度などざらなので、デパートも喫茶店も中に入るとキンキンに冷えている。

子供の頃から、この寒暖差は尋常じゃない、と思ってましたが、京都の人はデパートに涼みに来てるのかも知れません。このキンキンの冷え方は、京都名物です。

 

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