近頃、宵はエクササイズに専念しているので、まったくもってだら〜んとテレビを観ることもなく、
エクササイズをひととおり終えたら、寝る前の儀式をそそくさとすませて、パトリシア・ハイスミスの読みかけの小説を手にとるも、ものの数ページで眠気に襲われ、しかたなく本と眼鏡を戻して消灯する・・。この小説、読み終えられるのかしら、というくらい遅々とした読書が続いていたのだけど、昨夜はひさびさにエクササイズを夕方に終えたので、やった!きょうは寝る前の読書が出来る!と読み始めたら・・・
なんだか話の雲行きが怪しい。ハイスミスですからね・・・。『水の墓碑銘/Deep water』ですからね。
え?え? ひょっとしてこの人(=主人公。話法は三人称)、え?え? と、おそるおそる読み進めていくと、わ〜、やってしもた。え・・・、このまま平穏に終わってくれ、と願っていたのに・・・
そうなるとさらに胸騒ぎがして、読み進めるのが恐くなり、えい!と30ページくらい飛ばして、ラスト数ページに目を走らせたら、あらららら・・・。主人公に共感する読書人としては、そんな、そんな・・・ショック。
やはり、パトリシア・ハイスミスは恐ろしい。「キャロル」を読んで、ハイスミスの文体が好きだなんて思った私が甘かった。恐い。
おかげで、なかなか寝付けませんでした・・。もやもやとした暗い雲が頭の中で渦巻き始めて、邪心というのですか、主人公ヴィックの邪心がいつのまにか私の邪心に変換されて、やばい、やばい。
というわけで、今朝起きてすぐ、青いブックカバーの文庫本をベッドサイドから遠ざけました。
夜に読むもんじゃない。
すっ飛ばした30ページは真っ昼間に退屈な電車の中で読むことにします。
作者の心理描写が微に入り細に入り執拗で・・・、実人生でお近づきになりたくないタイプのおかたです・・・。