やっぱり冷えます、京都の田舎。
京都盆地に隣接しつつ北西に位置する盆地ですから、さらに丹波寄りで、北風が山から吹きおろしてくる感じです。
家は木造だし、陽の当たらない廊下なんて冷え冷え。
幸いにも数年前、お風呂に暖房をつけたのは正解でした。
おかげでなんとかお風呂嫌いにならずに済んでます。電気代がばかになりませんが、この時期我慢してどうする、です。
ひとりではお鍋もしませんが、きょうは寒いので母と水炊きです。
紀州の幼少時代、板屋川沿いのカーブした崖近くに美味しい鶏肉屋(かしわや)さんがあり、母との買い物には必ずといっていいほど立ち寄りました。骨付きの水炊き用の鶏が最高で、この鉱山町に本社から偉いさんが来ると接待の料理はいつも、ここの骨付き鶏の水炊きだったそうです。
今、骨付きの水炊き用の鶏なんて見かけないですよね。懐かしい。骨の髄から滋味がにじみでるスープに、翌朝、父がご飯を入れて、おじやです。それがまた美味しいの。
父は、京都の田舎言葉で「かんま」と呼んでましたが、おじやよりももっとずっとリゾットに近い。とてもコンパクトに味が凝縮していて、ちょっとしつこめの「すき焼きのおじや」よりも、ポン酢味のするこの「水炊きのかんま」が好きでした。
明日の朝は母が父の味を再現してくれるかなあ。
ふだん、朝食にお米を食べることはほぼゼロですが、「かんま」は郷愁の味なので別格です。