以前、なくしものの話をしましたが、この夏の終わりにまたまた・・・。
昨日、『工作 黒金星と呼ばれた男』を新宿シネマートに観に行ったのですが、「今、暑くても、上映中、寒いだろうなあ」と、映画が始まる前に日焼け予防の長手袋と首用スカーフ、肩かけ用大判スカーフ一式を身に纏うのが常です。
この日も2つのバッグのどちらかにいれたはず、でも、どちらにいれたかはわからない長手袋をごそごそ暗闇で探してみたが、右手しかみつからない! うわ、映画始まる。
仕方ないので、左腕に大判スカーフを巻き付けて寒さ予防。
思ったとおり左上から冷風が吹き付けてくる。
休みのたびに映画館のせいで風邪ひいてちゃたまんないので、必死にくるまってました。
さて、映画が終わって、女子トイレへ。お化粧スペースで、二つのバッグの中身を入念にチェックするも、黒い長い布らしきものは見当たらない。うそ、またやっちゃったか。
あああああ、上映前のトイレの中か? 無防備なところが一番危ない。
でも、誰かが入ってらしたので、まずはチケットカウンターへ。
「あの〜、長手袋の左手、落とし物届いてませんか?」
親切そうなお兄さん、ファイルをチェックし「ないですね、いつの上映で?」
「ついさっきです。あ、でもトイレかも知れないのでもう1度みてきます」
「でなかったら、客席ですね」
・・・私が上映前に入ったトイレをのぞくも、ない。
・・・「ないです」 ということでお兄さんと二人して、まだ休憩中の場内へ。
お兄さん一生懸命、携帯ランプで照らしてくれる。
申し訳なくなって「この座席だったんですけど・・ないですね。いいんです、わたし、しょっちゅうなくしてますから。荷物が多すぎて」と、諦めて、通路を引き返し始めたときに!
後部座席にお座りになっていた上品そうなマダムが「黒い手袋でしょ? 伊勢丹のエルメス側の出口の階段手摺りに黒い長手袋かかってましたよ、あれじゃないかな」。
「え! さっきエルメス側から出て来ました! 行ってみます!」
***いい加減な私の記憶、さっきお兄さんに「トイレに入って外したんです」なんて言ってたのにその前になくしていたとは、とほほ***
大急ぎでエレベーターを下りて、夕立の雨がぽつぽつ降り始めた新宿3丁目、横断歩道を渡ればすぐ目の前だ。
とにかく、あんなぼろ布のような手袋を盗むような、伊勢丹顧客は存在しない、とかなりの確信をもって、駆けつけたところ、ありました〜〜〜。
くたあ〜と、手摺りにぶら下がった黒い布。誰かが拾ってかけてくれたのですね、感謝!
1ヶ月前に伊勢丹のB1のトイレでなくしたポーチは戻ってきませんでしたが、今回は戻ってきた!
でも、スーパーの小物売り場で、新しい長手袋にしようかなあ、と手にとってみたのが数日前。いやいやいや、くたっとしていても使いなれた手袋が「あら、わたしを捨てる気?」とジェラシーによる失踪だったのかも知れません。
なくしてみてわかる古女房のありがたさ? 全然違うか。
大事にします。
即刻、映画館のお兄さんに電話して、みつかったことを報告。もし、先ほどのマダムと上映後に目があったらお礼を言っておいて下さいと、伝言して・・。
ありがたいです、ほんとに。
教訓:黙ってないで、「ない、ない、なくした、◎◎なくした」と大きい声でつぶやく(=叫ぶ)のは大事だと確信した次第。