フランスのTVドキュメンタリー番組の撮影に入ったので
しばらくごぶさたでした。
今回は取材交渉とスケジュール管理と現場通訳を兼任しつつ、監督の質問をもとにインタビューのツッコミまでやっているので、正直、綱渡り状態。
(取材交渉はエンドレス。だって監督が日々、ひらめくんだもん。そのたびに右往左往です)
これまで夜は仕事しない、と宣言してきたわたしですが
今回ばかりは帰宅後にメイルとファクスの一括処理。
ゆうべは急ぎの取材依頼ファクスを2件送ってホッとした時点で午前1時。
でも、やることやったし、断られてもしゃあないわ、で余裕で就寝。
ところが今朝になって「本日お送りいただいたファクスが真っ白で届いてます。再送お願いします」の電話。
しまった! 昔のファクスとかんちがいして裏返しで送ったのだ!
しかも、GW前で決着つけたいすごい急ぎのファクスだよ。
あわてて、撮影現場から再送・・・。
はあ、大恥かいた。
こないだの「時計なくした騒動」の後、腕に2重に巻き付く時計を買いました。これで「時計なくした」の強迫観念からは解放です。
それでも毎日、ペンがない、名刺ケースがない、手袋がない、で、鞄をまさぐること茶飯事です・・。
4月は後半だというのに、雨は降るし、寒いし、やれやれの気分を
ふっとばしてくれるのが森村泰昌の「なにものかへのレクイエムー戦場の頂上の芸術」@東京都写真美術館(会期:5月9日まで)。
これはもうクスクスという笑いでおさまらず
アハハ、と口を開けて笑いたくなること必至です。
仕事のついでに立ち寄ったんですが
写真あり、映像あり、で、楽しませてくれるんですよねえ。
というのも歴史上の人物、もしくは歴史上の事実を
パロディして、自演するんだもん! 可笑しい!
アインシュタインはそっくりですし、
三島やヒットラーはほんとけっさく。
チェ・ゲバラは、お、男前な感じ。
ガンジーも、え、森村さん、ほんとに痩せたの? という感じ。
わたしとしてはツボでした。
どれもこれも。
美術セットも凝ってるし。遊びかたが半端でない。
そりゃそうだ、アートの真剣さですよ。
天晴れ!
忙しいと自分がなにをしたか、全く覚えてない、
という現象が多発します。
こないだはとうとう手袋の右手を失くしました。
あ、ない! と気がついたけれど、まったく記憶にない。
氷雨の日だったんだよなあ。
傘もって手袋はめて、鞄2つもって、通訳して頭の中はマーマレードも良いところだったはず。
で、本日は大好きな赤いストラップの腕時計があるべきはずの手首にない!
と気がついたけれど、まったく記憶にない。
腕時計をした記憶はあるけど、それが朝だったのか、午後だったのか、
くらくら~。友だちとディナーに行く直前のこと。
いっしょに車の中や歩いた道を探してみたけれど、ない。
大好きどころか今回のギャラの半分くらいはとんでいきそうな時計ですよ。
とほほ。
でも、こういうときは潔いのだ。
好きなものをお金を出すことで取り戻せるなら、払うのだ。
忙殺されているときは半ば飛翔していて地に足がついてない。
仕事に脳が集中し、自分の体や動作に対する意識が薄くなる。
こういうときは、シェプキンのゴルトベルクをきけば少しは神経も癒されるというものです。ただ深夜の自転車こぎながら聴くのはいただけないね。
交通事故にあうのもこういうときですよ。
気をつけよう。
ふらふらで帰って、もしやもしや、と机に駆け寄ると、
あった! 赤いストラップのわたしの時計。
もうこんな心配かけないでね、ma montre。
というわけで、撮影中はスウォッチの安い時計を調達するのが賢明かも知れない。ギャラの半分を飛ばさないためにも・・
会う人、会う人、「寒いですね」が挨拶になり、
テレビも「ここ数日の例外的な冷え込みは・・」が語り草になってますので
あえて、寒いことをここでぐちるのはやめます。
でも雨はつらいなあ。
わたしの住む場所は駅から遠いので、雨が降ると自転車にも乗れず、バスです。半時間は早起きです。それがつらいので、最近は最寄り駅までタクシーです・・・。
まあ、しかたおへんな。
相変わらず、取材相手を探し、連絡先をゲットし、依頼をし、アポをとりつけ、撮影日時を埋め込んでいくという綱渡り的な作業が続きます。
海千山千になってます(つまり、口八丁手八丁のおばちゃんになってます)。
でも意外に楽しい。
とはいえ、この仕事が終わったら、反動でむっつりアンニュイな引き籠もり女になりそうです。
その日がちょっと待ち遠しくもあります・・・。
明日、高円寺デモ、暖かいといいなあ、
(じゃないでしょ、軟弱もの!)
盛況だといいなあ!
床に散らばる資料の絨毯はさらに厚さを増しています。
局地的ですが、そのあたりに本棚やファクスがあるので、日増しにアクセスが難しくなっています。
次から次とやることが増えて、まったくもってノルマが減らない。
すくなくとも今の不慣れな仕事でポジティブなことは、見知らぬ人たちに取材依頼を繰り返しているうちに電話をするのが苦痛でなくなってきたこと。電話の苦手なわたしにとっては大きな進歩です。
そのたびにいろんな人が受話器のむこうにいる。
おだやかな人、元気な人、ためらいがちな人。
でも相手への誠意と尊重と感謝を忘れなければ、しかるべき着地点には到達するような気がしています。
人間としても成長させてくれる仕事です。
ありがたいことです。
あしたは都内の某私立高校の校長先生に会いに行きます。
お電話ではとても朗らかでオープンな雰囲気。
高校という領域にも久々に足を踏み入れるわ。
ちょっとウキウキするわね!