暇人おじさんのにゃんにゃんブログ

飲水思源、水を飲みて源を思う、今日も本物を求めて一万歩

この冬も栃餅を作りました

2020-12-07 23:29:40 | スウィーツ
この秋は生り物が不作で、就中ドングリが近年稀にみる不作のようで、熊の出没ともどもニュースを賑わしておりましたが、
当地では柿が同様に不作で、特に干し柿用のものが少なかったようです。
そんな中、今年も栃餅を作ろうと9月末位から栃の実拾いに出かけていましたが、
こちらも例年よりは実りが少なかったような気がします。
花が咲いている頃から今年は花が少ないなとは思ってはいましたので、不作はある程度予想はしていましたが。

栃の実の生っている状態を見たことがある人も少ないと思いますので、
こんな感じで生っています。



これが落ちてこんな感じで転がっています。



この実はあくが相当強いので、通常のあく抜き程度では食べられるようにはなりませんので、
食べられるようになるまで何段階もの工程を経てあく抜きをします。
使えるようになるまで2か月ほどかかります。

第一段階として、まず実の殻を外し、虫抜きと称し2~3日水に浸けておきます。
なぜ虫抜きかと言うと、この工程で白い虫が出てくるからと書かれていますが、実際この虫が出てきたのを見たことがありません。
左側写真は実を外した後の殻、右側写真、殻を外した後、実を水に浸けて虫抜きしているもので、白いものが浮いていますがこれはあくです。
このあくには石鹸と同じ成分が含まれているので、石鹸のように泡立ってくるようです。

 

虫抜きが終わったところで、これを1か月ほど天日干しします。



カラカラ音がするようになる迄しっかり干して、やっと中の実の取出しです。
天日干しで殻が固くなっておりますので、まずお湯に浸けてふやかします。

 

これを梅割り器で挟み圧してやると、比較的簡単に外れます。
このとき栗の渋皮のような薄皮が付いたままですが、あく抜きの時自然と剥がれますのでこの段階では外す必要はないです。



これでようやく本格的なあく抜きに入ります。
木灰とお湯に併せ、1週間ほど毎日攪乱させながら待ちます。



試食してみてまだ少しピリッとする位が潮時です。
あくを抜きすぎると独特の風味がなくなりますので、栃餅作りでは、このあく抜き具合が一番のポイントのような気がします。
あく抜きが終わったら、水で綺麗に洗い流し、少し干して完成です。



栃餅作りでは、餅米1升に対して300gほど使いますので、300gづつに小分けして冷凍保存しておきます。



今回は2日ほどおいてすぐ栃餅作りに使いましたので、1袋は出しておきました。

最後は、いよいよ栃餅作りです。
餅つき機で、一晩浸水させた糯米の上に栃の実を乗せ、一緒に蒸し搗きます。



搗き終わったら40gほどに小分けし、餡にくるめて出来上がりです。
餅は搗き終わると見る見るうちに固くなってきますので、餡は餅米を蒸している時間を利用して事前に小分けし、搗きあがり後すぐにくるめられるようにしておくとベターです。

  

次の写真は、焼いたもの。
普通の餅同様すぐに硬くなりますので、焼くか雑煮で食べるのが美味しいようです。
少し土臭い独特な香りがしますが、こういう自然な味に食べ慣れてくると、市販の普通の甘い饅頭は加工された人工的な味が引き立ち、美味しく感じなくなります。
この栃餅と一般の甘いものを同時に食べると、その違いがよくわかります。
日本酒で、玄米酒が独特な酸味と風味があり最初はびっくりしますが、飲みなれてくると逆に一般の酒は甘ったるく気持ち悪くて飲めなくなるのとよく似ています。
一般的には嫌われているあくが美味しさの源泉だと言うことを、あらためて認識させられます。
どんな食べ物でも、自然のまんまというのが一番美味しいようですね。

 









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