暇人おじさんのにゃんにゃんブログ

飲水思源、水を飲みて源を思う、今日も本物を求めて一万歩

アルザスの郷土料理シュークルートを作りました

2020-02-06 00:14:18 | 洋風料理
アルザスの郷土料理シュークルートを作りました。
この料理は、漬け込んで乳酸発酵させたキャベツで豚肉やソーセージを煮込んだもので、
中国料理で、乳酸発酵させた芽菜で豚バラ肉を煮込んだ「芽菜の豚バラ肉蒸し」と同種のものですね。
ともに乳酸発酵させた野菜を調味料として使い、その乳酸が肉を柔らかくすると同時に臭みを抜いて独特な風味をつけてくれる利点を活用したものですね。

さてこの料理のわき役シュークルートはフランス産のものが瓶詰にされて日本でも売られていますが、
本場フランスでも、昔ながらに漬け込んで乳酸発酵させるやり方は減り、酢漬けで酸味を代用させているものが主流のようです。
今回は本物のシュークルートをと、まずキャベツを漬け込むことから始めました。
11月ごろにキャベツを買い込み、千切りにした後キャラウエイシードを混ぜて塩漬けし、重しを乗せて後は自然に乳酸発酵するに任せておきます。
3か月ほどして十分乳酸発酵し終わった頃を見計らって取り出しました。
少し水洗いし水切りしたものがこちら。
十分乳酸発酵しており、キャラウエイシードの香りともどもさわやかな漬け物の味・香りがします。



次は、この料理の主役のソーセージ作り。
ソーセージはもちろん市販のものがいくらでもありますが、ほとんどすべてに添加物が含まれていますので、これも自家製で作りました。
折角ですので独自の配合で、豚バラ肉、豚ロース肉、牛もも肉、羊もも肉、鴨脂を同割合位で混ぜ合わせ、包丁で叩いてミンチにし、香辛料と一緒に練りこみ、羊腸に詰め込みました。
詰め込んだものはこんな感じ。



これを適当な長さにねじり分け、1時間ほど軒先にぶら下げて乾燥させます。
乾燥後はこんな感じ。



試しにこの日は、ドイツ式にLnge Roteにして食べてみました。
細長いカンパーニャの上部分を切り開いた中に、焼いた生ソーセージを入れただけのものです。
折角ですので漬け込みの終わったシュークルートも一緒に入れ込みました。
写真を撮り忘れましたが、大変おいしかったです。

さて残ったソーセージは茹でておきました。
沸騰させたお湯の火を消し、ソーセージを入れ蓋をして15分ほどそのままにしておきました。
出来上がったのは、こんな感じ。




さて、ここまできてやっとシュークルート作りの開始です。
まず事前に豚肩肉の塊を茹で、冷めたらひと口大に切り分けます。
同時に、これは既製品の塊ベーコンですが、ひと口大に切り分けます。



次に、ニンニクで香りづけした油で粗みじん切りにした玉ねぎとリンゴを炒め合わせ、まずこの上にベーコンを乗せます。



次にこの上にシュークルートを拡げ乗せ、さらに先の豚肉と人参、蕪、そして出汁取り用に鶏ガラを乗せます。

  

この上をさらにシュークルートで覆い、鍋の半分ほどまで白ワイン、水を同量づつほど加え、セロリー、月桂樹葉、粒胡椒等を乗せて煮込み開始です。



蓋をして1時間ほど煮込みました。
煮込むというより蒸し煮です。
出来上がりの15分ほど前にソーセージを加えます。

出来上がりはこんな感じ。
盛り付け方は、3年ほど前ストラスブールで食べたシュークルートを真似しました。
まず真ん中にシュークルートを乗せ、その周りにソーセージ、肉、野菜を取り巻くように盛り合わせました。
味はシュークルートの酸味が効いているのでしょうか、大変あっさりしています。
豚肉の脂っこさとか臭みは一切ありません。
いくらでも食べられる感じで、特にシュークルート自体には肉の味も浸み、食べだしたら止まりません。

 


おまけ

沢山作りましたので残り物は、翌日は自家製粕漬け鰆の焼き物と一緒に。
鰆は発酵食品たる酒粕に浸けてありましたので、これも発酵食品たるシュークルートとも相性はばっちりです。
さらに、これも発酵食品たる自家製蕪鮨とも一緒にいただきました。

 

翌々日は、豚肉とココナッツのスパイス煮込みたる「ポークロースト」に加えました。
これは最後に酢を入れて酸味をつけるくらいですから、シュークルートの酸味がぴったりです。















モンドールチーズのグラタン

2020-02-01 20:51:41 | 洋風料理
昨年8月頃でしたか、NHKの旅するフランス語という番組で、リヨンを中心に食べ歩きながらフランス語を学ぶというのをやっていましたが、そんな中でモンドールチーズが出てきました。
番組では、箱に入ったモンドールチーズに白ワインを振りかけ、そのまま箱ごとオーブンで焼き、とろとろに溶けたチーズをバケットに乗せて食べるというものでした。
美味しそうでしたので食べたいなと思ったのですが、番組でやっていた時はまだこのチーズの時期ではありませんでしたので、冬、新たに売り出される時期まで待ちました。

このチーズは季節性のもので、晩秋から来初春にだけ生産販売されているもののようですので、
シーズンの初冬に入り、早速買ってきました。
近所のスーパーで買ってきたモンドールチーズは、こんなもの。

 

最初は番組通りワインをかけてローストに。
表面の白カビに覆われた部分を取り除き、中のトロっとした部分にスパークリングワインを注ぎ入れてローストしました。
ロースト後は、こんな感じ。



一緒に合わせた料理は、ワタリガニのスープとワタリガニソース添え既製品のパイ。

 

たまたま近所の弘法さんの市で三河湾産のワタリガニが安く売られており(昨年は不漁で高かったのですが、今年は大豊漁で安いです)、これでスープやソースを作ればモンドールチーズに合うに違いないと購入。
以前NHKレイチェルのスエーデンのキッチンと言う番組でやっていたザリガニスープが頭に残っていましたのでこれをまねて作りました。
日本ではザリガニは一般的には手に入れにくいので(かつての築地場内市場へ行くと売っていました)、ワタリガニで同じように作ればいいのではと。
蟹の写真は撮り忘れましたので蟹のスープとは分かり難いですが、作り方はこんな感じ。
ぶつ切りにした蟹をオーブンでローーストし、これもローストした香味野菜と合わせて煮込みました。

    

濾した出汁に生クリームやバター等で味付けし、出来上がりはこんな感じ。
すごく濃厚で蟹の風味に富んだスープで、モンドールチーズともぴったし合いました。



モンドールチーズ料理2回目は、グラタンに乗せるチーズとして使っても美味しいかなと、カボチャグラタンで使ってみました。
以前NHKの料理番組で、ル・マンジュトゥの谷昇シェフが紹介していたかぼちゃのグラタンの作り方を応用し、番組で紹介されていた最後にクリームチーズをかぶせる代わりにモンドールチーズを載せてみました。
事前に牛乳で煮ておいたカボチャと生シイタケ、さっとゆでておいたスナップエンドウの上にチーズを拡げ乗せます。
オーブンで20分ほど焼き、焦げ目をつけて完成です。
事前に少し焼いておいたレーズン入りカンパーニュにのせて食べました。

  

実に美味しいです。
モンドールチーズがこの料理にぴったりでした。
カンパーニュに入ったレーズンの酸味がよりチーズの味覚を引き立てています。