暇人おじさんのにゃんにゃんブログ

飲水思源、水を飲みて源を思う、今日も本物を求めて一万歩

パーネ カフォーネでパン・パニャーを作りました

2018-11-20 18:57:46 | 料理
先日、たまに行く小さなスーパーですが、珍しく牛の胃が売られているのを見つけ、早速買ってきました。
胃の部位のうちミノ、ハチノス、ゼンマイが少しづつパックに入れられており、これはいいと3種類とも1パックづつ購入しました。

さてどう調理しようかと迷いましたが、久しぶりだからとオーソドックスに、トリッパにしました。
出来上がりをこのまま食べるのも良いけど、もう一工夫をと考えているうち、
先日作ったパネトーネの準備段階の種生地がたくさん残っており、これでパンを作ろうと思って、
パネトーネを作るとき参考にした「ジローラモ印のイタリア料理」と言う本のパン編を見ているうち、
イタリアの田舎風パンのパーネ カフォーネを使ったパン・パニャーの作り方が出ており、
これはいいと、残った種生地でパーネ カフォーネを作り、この中身をくりぬきトリッパを入れ込んでパン・パニャーを作ることにしました。

パーネ カフォーネはフランスで言えばパン ドゥ カンパーニュですね。
田舎っぺのパンというほどの意味合いらしく、パンの中では一番素朴で単純なものです。
またパン・パニャーは、フランス地中海地方で作られている、パンに茹で卵や野菜等色々な具材を挿み込んだハンバーガー状のものですが、
この発想を利用してイタリア流にアレンジしたものが紹介されていました。
この本では、パーネ カフォーネをくりぬいて茹で卵や野菜等を埋め込んでいましたが、
今回は具材にトリッパを入れ込めばいいのではと発想、早速作ってみたものです。

まずパーネ カフォーネを作ります。
出来上がりは、こんな感じ。
通常のパン焼きよりは弱火で、1時間ほどかけて焼きました。
下段の写真は、2個焼いたうちパン・パーニャに使わなかった方です。
切り口を見るとパーネ カフォーネらしく上手く焼けています。

  



今回は写真丸い方を利用、真ん中をくりぬきトリッパを詰め込みます。



上にチーズを載せ、オーブンで15分ほど焼きました。
チーズはデンマーク産のマリボーを使いました。



焼き上がりは、こんな感じ。

  

チーズを除けると中はこんな感じ。



この日はもう一品、ついでにイタリア尽くしにしようとカボチャとカリフラワーのグラタンも作り、一緒にいただきました。

  

パン・パニャーの方は、6つ割りに切り、パンとトリッパを一緒に頬張りながら食べました。
パンは中身をくり抜いた外側の焼けた部分のみを使っていますのでかなりカリッとしており、その香ばしさがトリッパの味にピッタリミックスし、予想以上の美味しさでした。
トリッパは、それほど臭み抜きに気を使わず、一度茹でこぼしたのを鶏ガラ出汁、白ワイン、飴色焼き玉ねぎ、トマト、塩レモン、マデラ酒等で1時間半ほど煮ただけでしたが、臭みは一切なく爽やかな風味に溢れていました。











パネトーネ&パンドーロを作りました

2018-11-16 21:34:53 | スウィーツ
ハロウインが終わって街はクリスマス一色ですが、
私にとってクリスマスは、パネトーネとパンドーロです。
ここ4年ほどは毎年パネトーネとパンドーロを作り、毎日朝食時少しづつ食べながらクリスマスを迎えています。
とは言え日本ではこのパンはまだまだ一般的ではないようで、どこの街角でも見られるものではないのが残念ではありますが。
一方ドイツのクリスマスパンのシュトーレンはどのパン屋でも売られており、同じヨーロッパのクリスマスパンが扱いにこんなに差があるのは不思議ではあります。
同じパンでもシュトーレンはかなり甘いのでケーキに近く、おやつとして食べやすいと言うことでしょうか。
或いは下記のようにパネトーネは作るのにかなり手間がかかりますので、それよりは作りやすいシュトーレンが必然的に選ばれたのかもしれません。

このパンに使うパネトーネ菌は、子牛の腸から採られた酵母菌で、イタリアで発見され主にイタリアで使われているものですので、
日本では従来はあまり手に入れることはできなかったのですが、
最近はちょっとしたスーパーでも売られるようになり、いつでも気軽にパネトーネが作れるようにはなりました。
乳酸発酵もする菌ですので、この菌を使って長持ちすることを売りにしているパン屋さんもありますが、一般的にはまだまだ普及はしていないようです。
一般のパン屋さんは防腐剤を使って長持ちさせる方が安易で安く出来ていいのでしょうね。

私としては既製品のパネトーネ菌を使ってパネトーネを作るのも本格的ではない気がしますので、
まずパネトーネ菌相当の仕事をしてくれる菌を育てることからしています。
パネトーネ菌は酵母発酵と乳酸発酵を同時にし、出来たパンを乳酸化させますので、酸味の爽やかさと日持ちがするパンが出来ることが大きな特徴です。
従って普通の酵母菌でも、同時に乳酸菌を育てて乳酸発酵もさせればパネトーネ菌の代わりになります。
乳酸菌は空気中にいくらでも潜んでいますので、酵母発酵をさせながらこの乳酸菌を捕獲して乳酸発酵をさせれば代用になります。
この乳酸菌を捕獲する方法は、種生地を何回も更新することだけです。
生地を何回も練り上げ発酵放置している間に乳酸菌が住み着いてくれるようです。
もっとも清酒作りでは、この乳酸菌が醸造中のもろみに住み着いて酸っぱくなったものを酸敗と言って忌み嫌っているようですので、
同じ乳酸菌も使われ次第で善者になったり悪者になったりするのは、乳酸菌にとっても気の毒なことです。
もっとも私は乳酸菌の効いた酸っぱい清酒が大好きです。
美味しくて健康にも良いとされる生きた乳酸菌をお酒を楽しみながら摂りこめるのですから、こんな良いことはないと思うのですが。


さて今回は酵母菌として、山葡萄酵母を使いました。
先日、ワイン風味山葡萄ジュースを作った時、自然発酵させていた酵母菌です。
まず最初に、その生きた酵母菌を含んだ山葡萄ジュースに小麦粉を加えて発酵させ、酵母菌を活性化させた液種、いわゆるイーストママを作ります。



そしてこれを毎日更新して強い酵母に育て、イーストママにします。
発酵は1日1回、発酵が終ったら一晩冷蔵庫で寝かせ、翌日次の更新発酵をさせます。
2日目、3日目はこんな感じ。

 

次はこのイーストママを使って種生地を作ります。
イーストママに小麦粉を加え練り、発酵させます。
これを2回繰り返します。
2回目はキャンパスにくるみキャンディー状にしっかり縛り、鍋に入れて発酵させますが、この写真を撮り忘れましたので、一昨年のをのせます。
これで酵母菌がしっかり活性化してきます。

  

さらにこの種生地を使って3回3日間にわたって発酵を繰り返します。
写真は種生地を発酵させているものです。

   

写真は最終発酵後、完成した種生地です。



つぎはいよいよパネトーネ生地作りです。

上記種生地に小麦粉、卵黄、グラニュー糖、バター等を混ぜて発酵させます。

これは混ぜ終わったもの。



これを発酵させます。



この生地を一晩寝かせるとさらにさらにこんなに発酵していました。

  

次はこれに小麦粉、サルタナレーズン、オレンジピール、レモンピール、ヴァニラビーンズ、バター等を加え、よく練ってパネトーネカップに移します。
カップの1/3強ほどになるように生地を丸めて入れます。
今回はカップ大のサイズのに7個出来たのですが、うち3個は真ん中に先日作った山葡萄ジャムを入れ込みました。

  

これをカップの淵まで盛り上がってくるまで発酵させます。
室温に近いところで発酵させましたので、発酵に丸1日近くかかりました。
やっとオーブンで焼くところまできました。
最初のイーストママ作りから11日目です。
最後の発酵の終わったカップの写真は撮り忘れました。

次の写真は焼き上がり直後。
生地が充分盛り上がっており、発酵も焼きもうまくいったことが分かります。

 

焼き上がったらすぐカップ下の方に金串を刺してひっくり返して冷まします。

  

冷ました後は、こんな感じ。
事前に作っておいたパンドーロと一緒に盛り合わせました。

   


お皿真ん中が、パンドーロです。
上記のように種生地を作る間に使わない沢山の種生地が溜まりますので、これを利用して作ったものです。

種生地に、小麦粉、卵、バター、グラニュー糖等を混ぜ込み発酵させます。



この後さらにパイ生地のようにバターを何層にも折り込み、これを型に入れて発酵させ、型の淵まで発酵したところで焼きます。
焼き上がったらすぐ型をひっくり返して取り出します。
焼き上がり直後は、こんな感じ。
発酵と焼きが上手くいって、型の高さの倍以上に大きくなっています。
通常は星形のつんがった型を使うのですが、私は持っていませんので丸いので代用しました。

  

これに粉糖を振りかけ飾り付けると、一気にクリスマスらしく。



切り分けるとこんな感じ。
生地はパネトーネと似てはいますが、バターを折り込んでいますのでブリオッシュのような風味食感になり、パネトーネとはまた違いバターの風味に富んだ美味しさが楽しめます。

  

イタリアでは、クリスマス菓子と言えば、パネトーネとパンドーロが双璧を飾るようで、
クリスマス時にはイタリアに行ったことがないので見たことがありませんが、
どのお店にもこれらがクリスマスツリーとともに大々的に並んでいるようです。
仕事の関係で1月初旬にはイタリアに何度も行っているのですが、売れ残ったのがまだ店頭に並んでいるのを見たことはあります。

























セイゴとハゼの刺身料理2種

2018-11-15 19:38:14 | 料理
いつもの近所の釣り好きの人からセイゴとハゼをいただきましたのでお刺身にし、ちらし寿司丼とマリネにしました。

いただいたのはこんな感じ。

 

セイゴに混じってハゼも10匹ほどおりました。
ハゼは新鮮でないと刺身では食べられませんので、これはいい機会と刺身にしました。
3枚に卸し皮を剥ぐと小指の大きさにもならない小いささでしたが、充分その美味しさを味わうことが出来ました。
セイゴと味の区別がつかないくらい、ともによく似た味わいでした。
ともにフレッシュな白身の小魚だからでしょうか。
丼の写真左側がセイゴ、右側の小さいのがハゼです。ハゼの小ささが分かりますね。
下側の赤身の魚はカツオの漬けです。

丼とともにマリネも作りました。
刺身にしたのをオリーブオイルと自家生りレモンに漬けただけのものですが、
レモンもオリーブオイルもあっさりし、淡泊な白身のハゼやセイゴにはぴったしでした。
特に搾りたての新鮮なオリーブオイルのフレッシュな香りが、白身の淡泊な旨みを引き立ててくれていました。

  

セイゴとハゼの粗は、出汁にしておきました。
煮だした後は身が細かく崩れ、身もろともしっかり裏ごしして濃厚な出汁にしました。
これは後日の料理に使います。

 

似非マルセイユ風ブイヤベース

2018-11-13 21:27:07 | 料理
今回は似非マルセイユ風ブイヤベース。

本場ものの正当なものは、濃厚な魚出汁を事前に作っておき、あとはその出汁で何種類もの魚を煮込むもののようで、
先日テレビの旅番組で現地の店のオーソリティとしてこの料理が紹介されており、一度この作り方で作ってみたいと思っていたのですが、
出汁を作る新鮮な魚がいるのと、煮だした魚を裏ごししないといけないので、それなりのしっかりした裏ごし器がないと難しいなと思っていました。

そんな矢先、先日近所のスーパーを覗いていたら、ブイヤベースに相応しそうな魚が何種類か並んでいましたので、早速その気になって購入しました。
ただし出汁は上記のようにそれだけで一つの料理を作るように手間がかかりますので、以前、魚や蟹、海老の粗で作って冷凍保存してあったもので代用することに。
マルセイユのは、丸ごと魚を何種類か煮出し裏ごしして出汁を取りますので少し違うのですが、冷凍してあった出汁も濃厚に取ったものでしたので似たものが出来るかと。

その出汁で煮る魚は、カサゴ、ホウボウ、穴子、渡り蟹、アサリを使いました。
魚は事前にオリーブオイルでマリネしておきます。
この時一緒にサフランも加え香りづけしておきます。
今回は、たまたま庭に自生えでサフランが咲いていましたので、この花を摘み取ってめしべを取り、加えました。

  

煮るのは、まず最初に冷たい出汁に渡り蟹、アサリ、ジャガイモ、ニンジンを入れ、煮立たせます。



煮立ったところでマリネしておいた魚を加えます。
最後にセロリーの葉も加えます。
蓋をしてポシェ気味に煮ます。



煮あがりはこんな感じ。

  

これをお皿に盛り合わせて完成。



付け合わせのパンはバケットにルイユを乗せブイヤベースの出汁に浸して食べるのが定番のようですが、
今回はバケットがなかったのとルイユも作りませんでしたので、食パンにオリーブオイルを付けて焼き、これにニンニクをこすりつけ、出汁に浸して食べました。

 

今回は、本場ものマルセイユ風と迄は言えませんが、それなりにブイヤベースの風味に溢れた一品とはなりました。
魚はオリーブオイルでマリネしておいたからか、一切臭みはありませんでした。
パンも、ニンニクとオリーブオイルで風味づけした食パンで代用しましたが大変おいしくいただけ、ニンニクがブイヤベースにぴったりよく合うことも理解できました。


少し残りましたので、翌日も温め直していただきました。
スープが煮詰まりよりコクが出て大変美味しくいただけました。
バケットも買ってきて、オリーブオイルとニンニクで風味付けし、冷凍保存してあったテリーヌやミニトマトも乗せていただきました。

 






レモンチェロ&塩レモンを漬けこみました

2018-11-12 10:11:18 | 発酵食品
今年も沢山のレモンがなりましたので、先日採集しました。
全部で80個ほど、例年よりは少なめでしたが、その分大き目のが多かったです。
樹にはこんな感じで生っていました。

  

これを採集して。

 

今年は早速レモンチェロと塩レモンを仕込みました。
レモンチェロは、レモンの皮だけをアルコール度数96度のウオッカに漬けこみます。
500mlのウオッカに5個使いました。
後は皮の色が抽出された頃を見計らってシロップを加え、熟成させて出来上がりです。

皮を剥いた後の実の方は塩に漬けこみ、塩レモンにしました。
皮無しだけでは風味が乏しいかなと、皮つきのも2個加えました。
塩はドイツ岩塩を使ってみました。
漬け込み後はこんな感じ。
これも熟成発酵させて出来上がりです。

  

3日目はこんな感じ。
レモンチェロは少しずつ色素が浸み出し始め、塩レモンは水分が出始めています。
ともに出来上がりは何か月か先になりそうです。