暇人おじさんのにゃんにゃんブログ

飲水思源、水を飲みて源を思う、今日も本物を求めて一万歩

ペルシャ料理クフテ・タブリジ

2018-09-30 18:51:02 | 料理
最近食べるようになったペルシャ料理がどれもとても美味しいので、
先日NHKの料理番組で出ていたダリア・アナビアンと言う人の書いたペルシャ料理の本を買ってきて、
その本のまず初めに出てくる料理、クフテ・タブリジと言う料理を作ってみました。
その意味はタブリーズの団子と言い、美食の町アゼルバイジャン州の町タブリーズから来ている名称のようで、元々はその地方で作られる名物料理のようです。
インターネットで調べると、ペルシャ料理には必ず出てきますので、あちらでは当たり前に作られる料理のようですね。
豆や香草等を混ぜ込んだミンチ肉で茹で卵、ナツメヤシ、クルミ等をくるみ、オレンジくらいの大きさの団子状にして煮込んだものです。
宴会用に鶏1匹入れ込むバレーボールほどの大きさのものもあるようで、入れ込むものやソース等色々なバリエーションがあるようです。


さて今回使う材料は、こんなものです。
肉以外は買い置きがありましたので材料費もあまりかかっていません。

    

西アジアですから肉は羊肉が主流でしょうが、牛肉や鶏肉も使うようで、今回は身近に羊肉がなかったので、牛肉と鶏肉を使いました。
ひき肉を買ってきても良いのですが、塊り肉を叩いて自分でひき肉にした方がずっと美味しいので、そうしました。
牛肉は豪州産のぶつぎりを使いました。これは脂がなくひき肉に合ってますね。
鶏肉は丸ごともも肉から皮を引き、さらに脂や筋も出来るだけ除きました。
たたいてひき肉にしたものはこちら。



続いて、肉団子に混ぜ込むレンズマメと米をそれぞれ茹で、つぶしておきます。
茹でてつぶしたのはこちら。



次は、団子を作るときのミンチ混ぜ込み用と、最後の団子の煮込み用に、玉ねぎとニンニクを黄金色になるまで充分炒めます。
ペルシャ料理は必ずこの炒め玉ねぎを使うようで、インド料理とも共通してますね。



炒めた玉ねぎが冷めたところでその半分を香辛料や香草ともども肉に混ぜ、粘りが出るまで十分練り込み、
次いで茹で卵、ナツメヤシ、くるみをくるむように丸めて団子を作ります。
要領はおにぎりと一緒ですね。

 

別途たっぷりの水に、先程の炒め玉ねぎの残り半分とトマトペースト、ローリエ等を入れて30分ほど煮立たせ、出汁状の煮汁を作っておきます。



この中に団子を入れ、20分ほど煮込みます。
団子の頭が出ますので落とし蓋をします。
団子が煮えたところでトマトのざく切りを加えさらに5分ほど煮込み、塩コショウで味を調えて完成です。



お皿に盛り付けるとこんな感じです。
なかなかうまく出来上がりました。
切ってみると卵が綺麗で美味しそうですね。
ペルシャ料理特有のあっさり味で大変食べやすいです。
もちろん肉の臭みは一切ありません。
南インド料理のスープ系カレーからカレー風味を抜いた感じで、唐辛子やカレー粉の刺激臭は一切ありません。
あるいはクロアチア方面の地中海料理に似た感じと言えるでしょうか。
カレーの風味ではなく、ミントやタラゴン、オレガノ等香草の爽やかな風味が勝るのは、地中海料理系とも言えますね。

 

前日作ったインド料理のマラバールサンバルが残っていましたので一緒にいただきました。
カレー風味の料理と合わせても全然違和感なく食べられ、この点では同じアジアの料理と言う感じですね。

  

調べてみると、この料理は南アジアから西アジア、地中海方面に広く行き渡っているいるようで、
国によって少しづつ形態を変えて伝わっているようです。
見た目が似ているイギリスのスコッチエッグも、アジア方面から伝わったもののようですね。











秋のキノコ達

2018-09-26 18:25:29 | 日記
いつもの散歩コースになっている公園の雑木林に生えているキノコ達。
全て毒キノコだと思いますが、秋が来たと思わせる風情です。
こんな身近なところにもこんなに色々ありますので、キノコの種類はかなりあるのでしょうね。

     

     

    

    

    

     

パンチェッタ風味の栗のヴルーテ

2018-09-25 22:05:28 | 料理
昨夜の中秋の名月は、日中は曇りがちでしたのでだめかなと思っていましたが、見え隠れはしましたが十分楽しむことができました。

   

お月見団子はこんな感じ。
妻の妹が作ったおはぎと一緒にいただきました。
月より団子ですかね。

 

さて昨夜は秋の味覚、栗を使ってパンチェッタ風味のマロンヴルーテを作りました。
たまたま本屋でフランスの地方料理と言う本に出合い、その中でコルシカ島の郷土料理として出ていたものです。
ちょうど先日弘法さんの縁日で栗を買い、栗入りのガトーバスクを作ろうと思っていたところですので手元に栗があり、
丁度いいかなとヴルーテを作ることにしました。

しかし、日本の栗は風味が弱いのでフレンチのような味のしっかりした料理には合わないので、
フランス産か天津甘栗を使うと良いとありますので、
折角ですが買ってきた栗はやめて天津甘栗で作ってみました。

作り方は本のレシピ通りにしました。
まずパンチェッタをバターで炒め、さらに玉ねぎの薄切りを加えます。
玉ねぎがしんなりしたところで栗を加え油をなじませます。



ここに、事前に作っておいた鶏のブイヨンを加え、具が柔らかくなるまで煮続けます。
今回は30分ほど煮ました。



煮終わったところでミキサーに移し、バターと生クリームも加え攪乱させ、とろみを付けます。
これを裏ごしし、鍋で温め直して塩コショウで味を調えて完成です。

 

これを一晩冷蔵庫で寝かせ、翌日温め直していただきます。
いただく時、レシピ本ではパンチェッタを炒めたものを浮かせていましたが、
今回は渡蟹の身を浮かせました。
この蟹は先日弘法さんの縁日で三河湾産のを買い、蒸して保管してあったものです。



充分身が詰まっていた蟹でしたので、その旨みもほど良く、栗の風味ともよく合っていました。
また鶏だし汁やパンチェッタ等の臭みは一切なく、コクつけに充分貢献し、栗の風味と甘味が引き立ち、予想通りの美味しさでした。



さてこの日はヴルーテに合わせ、これも先日蟹と一緒に買ってきた白エビで作ってあったワンタンを使い、揚げワンタンを作りました。
味付けは中華風でなく、ペルシャ風にしました。
これは、先日テレビでペルシャ料理のアッシュをやっていた時、同時にホラケ・ジギャルと言う鶏レバーと野菜の炒めものも紹介されていたのですが、
レバーを揚げワンタンに変えて作ってみたものです。

まずワンタンを油で揚げ、次に炒め合わせる野菜を油通しし流水で充分油を流し、水切りをしておきます。
これは水切り中の写真。



次にニンニクと玉ねぎのみじん切りを充分色ずくまで炒め、
ここに塩コショウ、ターメリック、タラゴン、ミント、シナモン、ナツメグを加え味をなじませつつ香り出しをします。
ここに揚げワンタンと水切りしておいた野菜を加え軽く炒め、最後にミニトマトも加えてこれも軽く炒めて完成です。

これも優しい味で、レバーでなく魚介類でも全く問題のない味付けでした。
ヴルーテとも違和感なく、ともに大変美味しくいただきました。

 











ペルシャ料理、香味野菜と豆のスープ「アッシュ」を作りました

2018-09-22 17:16:13 | 料理
先日、神戸でペルシャ料理を食べたと書きましたが、
そんな折、NHKの趣味どきっと言う番組の中でアジアご飯と言うテーマの特集をやっており、たまたま見ていたらペルシャ料理が出てきました。
見たところ美味しそうで、神戸で食べた料理と似たような趣でもあり、
早速作ってみようとテキストを買ってきました。

作ったのは、アッシュと言う羊肉入り香味野菜と豆のスープです。
最近豆を使ったインド料理をよく作っていたいたところでしたので、
この料理にも興味を持ち、挑戦してみようと思った次第です。


作り方は、ほぼテキスト通りです。
まず豆を一晩水に浸しておきます。
使った豆は、ひよこ豆、キドニービーンズ、白インゲン豆、うずら豆、レッドアイグラム、緑豆の計6種を使いました。
大方の豆はインド料理にも使うので買い置きがありました。

 

一晩水で浸した豆は水切りします。次の写真は水切り後です。



ひとまず豆はこのまま置いておき、次はフライパンで玉ねぎと羊肉を飴色になるまでじっくり炒めます。
飴色になったら、塩コショウ・ターメリックで調味します。
この手法はインド料理と似てますね。

 

次は、これを先程の豆と一緒にたっぷりの水で煮込みます。
これは煮込み始め。
インド料理はアク取りをしませんので、これも同様にしました。



1時間ほど煮込んだところで、少々の米とパセリ、パクチー、にら等香味野菜をきざんだものをたっぷり加え、さらに20分ほど煮込みます。
とろみが出てきたところで、塩コショウで味を調えて完成です。

 

トッピングに、玉ねぎやニンニクを炒めたものを加えるのがペルシャ流のようですので、
まず玉ねぎを多めの油で充分色づくまで炒め、砂糖、ターメリックで調味し、
そのフライパンで今度はニンニクのみじん切りを同じように色づかせ、今度は塩とターメリックで調味します。

 

出来上がりは豆の他、羊肉や香味野菜の出汁も効き、大変まろやかな風味です。
羊肉の臭みは一切ありません。
色々な食材が入っているにもかかわらず複雑な味ではなく、全ての味がまるく収まりシンプルで穏やかで、いかにも身体に良さそうです。
インド料理の中にはペルシャから伝わったものが色々あるので、ペルシャ料理は唐辛子を使ったピリッと辛いものが多いのではと思っていたのですが、
唐辛子はあまり使わないようですね。
その替わり色々なトッピングでメリハリを付けるのでしょう、今回は玉ねぎとニンニクでトッピングしたのが効き、味を引き締めています。



さて、たまたま今日は弘法さん縁日の立つ日でしたので、三河湾産の海老と渡り蟹を買ってきましたので、
今日のもう一品は、渡り蟹の芙蓉清蟹を作りました。
蟹はぶつ切りにし、粉をまぶして素揚げします。
事前に、スープ、醤油、酢、砂糖、水溶き片栗粉、ケチャップ、ネギと生姜のみじん切りで合せ調味料を作っておき、
揚げた蟹を合わせ調味料で炒め合わせ、溶き卵を混ぜ合わせて出来上がりです。



ペルシャ料理は唐辛子を使わないことを意識し、カニ料理のほうも唐辛子は使わないようにしました。
その分この料理もペルシャ料理と全然違和感なく食べられました。
こちらは酢が味にメリハリをつけてくれています。

動物性&植物性たんぱく質、卵、各種野菜等バラエティ溢れるミネラル・栄養価に富んだ食卓とはなりました。

  




月餅風ガトーバスク

2018-09-19 16:42:49 | スウィーツ
先日近所のスーパーを歩いていたら、横浜重慶飯店の月餅が売られているのを見つけ、
そう言えばもう9月も半ば過ぎ、中秋の名月が近いのだと思い知らされました。
今年の中秋の名月は24日のようですね。
月餅は3種類売られていましたが、中秋名月用のピータンの黄身が入ったのは売られていませんでした。
それでもやっぱり秋だからと一つ買って味見してみました。
味はまあまあでした。

月餅と言えば私が今まで一番美味しいと思ったのは、東京で7、8年ほど前まで10年近くしょっちゅう行っていた上海料理屋さんがあって、
そこのお姉さん達は上海出身で、美味しい上海料理を食べさせてもらっていたものですが、
中秋の名月の時は必ず、上海から取り寄せた上海でも一番美味しいと言う月餅を食べさせてもらったり、お土産でもらったりしていました。
不図思い出してアルバムを捜したら写真がありましたのでアップします。
今回インターネットで検索したら、やはり上海で一番美味しいと言うことで有名な店のようですね。
残念ながら通販はやっていないようです。

 


と言うことで、これは思い切って自分でピータン入りの月餅を作らなくてはと、インターネットで作り方をチェックしましたが、イマイチピンとくるものがありません。
そんな折り、先日NHKでフランスをテーマにした5時間番組があり、ファションや食べ物等色々なフランス文化が紹介されていました。
そんな中でバスク地方のガトーバスクも出てき、そう言えば月餅をガトーバスク風に作ればいいのだと不図思い立ちました。
ガトーバスクと言えば、私は毎年栗の季節になるとその甘煮を入れ込んで作っていますので、
今回は栗の代わりに小豆餡とピータンの黄身を入れ込めば月餅風になるに違いないと思案した次第です。

まずタルト生地を仕込み、一晩冷蔵庫で寝かしておきます。
次は翌朝、まず小豆餡作り。
出来上がりはこんな感じ。
濾し餡にして固めに詰めれば月餅らしくなりますが、私は粒餡の方が好きなのでこれで作りました。



そして餡と一緒に生地に挿むピータンの黄身を取り出します。
黄身と外した白身はこんな感じ。
白身の方は使いませんので、別途料理用に取っておきます。

 

以上2つが準備出来たところで冷蔵庫から生地を取り出し成型、タルト型に詰め込みます。
次いで先程の餡とピータン黄身を入れ込みます。
入れ込むとこんな感じです。
生地が少し残りましたので、小さめで餡だけのものも一つ作りました。



これを生地で蓋をし、溶き卵を塗り、ピッケで表面にデザインを掻き描いて第一段階の完成です。
写真では良く見えませんが、中央に月餅と言う文字を2か所、周りは蓮弁文様で囲みました。

  

これを低温のオーブンでじっくり焼きます。
1時間20分ほど焼き、さらに温度を上げて10分ほど焼きます。
焼き上がり直後はこんな感じ。

 

これを数時間放置して粗熱を取るとこんな感じに。
焼き上がり直後もほとんど変わらないですね。

 

タルト型を外すとこんな感じです。
しっかり焼いて生地がもろくなっていましたので、綺麗に外すのに苦労しました。
まずタルト型横周りを直火で熱し、このあと上に皿を乗せひっくり返しタルト型の底板を押してはずし、飾り皿を乗せて再度ひっくり返して出来上がりです。
焼く前に生地に掻き描いた文字文様は、残念ながら見る影もありませんね。

 

切った中はこんな感じ。
ピータンはきちんと入っていますが、黄身色でなく大分黒ずんでいますので、イマイチお月様と言うわけにはいかないですね。
ただ瑪瑙のような年輪状のものが良く見え、大きくなった過程が観察でき、これはこれで面白いです。

   

味の方は、月餅ではなくガトーバスクに近いですね。
タルト生地と小豆餡が意外と調和し、違和感なく食べられます。
ピータン黄身の方は、それほど美味しいと言うほどのものではなく、こんな感じかなと言う程度のものでした。
もともとピータンはピータン豆腐のように何らかのタレをつけて食べますので、ピータンはそれ自体美味しいと言うものではないのでしょうね。
従って生地に入れこむ前に塩を少しまぶしてやると味に張りが出、また餡との相性も良くなったかもしれません。
餡にはもともと甘みを出すために塩を少し入れる位ですから、塩気と餡は合いますし。
もともと月餅にピータンの黄身を入れ込むのは、満月を模して中秋の名月を祝うためのもので、その味を楽しむものではないのかもしれません。
それでも生地と餡の美味しさに助けられて、充分楽しめました。

ところで余った生地で餡だけ入れた小さなタルトも作ったのですが、
これがまた美味しかったです。
小さい分、熱の入り方が違って生地はしっかり固めに焼き上がり風味も強く、こちらの方が月餅に近い感じになりました。