エコポイント&スマートグリッド

省エネ家電買い替え促進で有名となったエコポイントとスマートグリッドの動向を追跡し、低炭素社会の将来を展望します。

「スマートグリッド革命」(シリーズ;「スマートグリッド革命」の雇用創造力)

2010-10-30 00:51:49 | Weblog
スマートグリッドの登場は、新しい職種である「グリーンカラー」(Green Collar)を創造するという意味でも「革命」と称しうるものです。
今や、グリーン・ニューディールによりグリーンジョブの創出を目指すことは各国共通の政策目標となっています。オバマ政権下でグリーン・ニューディールを推進している米政府は、今後10年の間に1500億ドルをクリーンエネルギーに戦略的に投資して500万人の雇用を生み出すことを目指しており、「アメリカ再生・再投資法」(American Recovery and Reinvestment Act of 2009:以下「ARRA法」という)に基づく09年会計年度における280億ドルの政府による投資と関連する520億ドルの民間投資により、スマートグリッド分野で10万4000人、再生可能エネルギーをはじめとするエネルギー関連全体で90万人のグリーンジョブが創出されると試算しています。スマートグリッド以外では、再生可能エネルギーの研究開発240億ドルにより72万2000人、エネルギー製造技術の開発23億ドルにより5万8000人という内訳になっています。
アメリカでは製造業のブルーカラーは減少のトレンドにありますが、それを再生可能エネルギー、スマートグリッドや省エネなどのグリーンカラーで吸収し、さらに雇用を拡大していこうという考えが強くなっています。Amerian Solar Energy Society and Managementの分析によると、グリーンカラーは07年時点で約400万人ですが、それが30年には1950万人まで増大すると見込まれています。内訳としては、省エネが最も雇用吸収力が高いとされています。
また、欧州の再生可能エネルギー政策は雇用増加を高める政策としての意義を有しています。09年6月EU委員会の報告書によると、20年までに再生可能エネルギーの割合を20%に引き上げることにより再生可能エネルギー部門における雇用を約140万人から約280万人に拡大することができるとしています。このような雇用拡大を目指すことは韓国も同様であり、韓国の「グリーン成長国家戦力および5カ年計画」によると、5年間で156万から181万人の新規雇用の創出を目標としています。