形而上学的絶対真理

「There are more things in heaven and earth ,Horetio,Than dreamt of in your hilosophy」(ハムレット　第一幕五場　シェイクスピア）
「此の天地の間にはな、所謂哲学の思も及ばぬ大事があるわい」（坪内逍遥訳）

ふん、何等のオーソリティー（権威）を価すものであるというのか。萬物の真理はただ一言「不可解」。
そう遺言して、華厳の滝より旧制一高生が飛び降りてから１１８年。立身出世を是とした当時の社会に波紋を拡げたようです。

ド凡人のボクには凡そはかり知れませんが、類稀なる知性に愛されていた彼がその基盤としていたのは、哲学的絶対真理ではなかったのでしょうか。それを否定するかのようなセンテンスに対し、果敢に反論を試みるも世の中は矛盾に満ち溢れていて・・・純粋な魂、卓越した知能故に自死を選択したのかもしれません。

最後の最後に、大なる悲観と大なる楽観は同じものであることに気付いたそうですが、最早立ち戻る程の説得力を持ち得なかったのか。知性と精神の成熟のバランスの悪さが引き起こしたと言えば、お𠮟りを受けるでしょうか。オフェンス特化型のディフェンスはやはり脆いのかもしれないと。