そこにはよくマイルスが出ていた。ディジーとマックス・ローチも。司会はピー・ウィー・マーケットという小柄な男だった・・・コラムニストのピート・ハミルが、自伝的エッセイ「マンハッタンを歩く」でバードランドを回想している。バードランド周辺のマフィア系が経営するジャズ・クラブや、ブルックリン橋、バッテリー・パーク、タイムズ・スクエア等、生粋のニューヨーカーならではの生き生きとした筆致は、どことから流れてくる心地いいジャズの風をうけながらマンハッタンを散歩している気分にさせる名著だ。
49年にオープンした名門ジャズ・クラブ、バードランドのライブはクリフォード・ブラウンが参加したメッセンジャーズやコルトレーンのアルバムで聴けるが、おそらくジャズ語としか思えない言い回しでマーケットに紹介されたプレイヤーは、毎晩あのような熱気の籠ったステージを繰り広げていたのだろう。そのジャズの聖地ともいえるクラブに曲を捧げたのは盲目のピアニスト、ジョージ・シアリングだった。作曲した52年以降、エンディング・テーマとして幾度となく演奏された「バードランドの子守唄」は、白熱するプレイとそのステージに酔うお客、そして興奮冷めやらぬ閉店後の雰囲気を見事なまでに旋律に託している。
この名曲だけをこのアルバムのために録音された12曲を収録したのがRCAの「Lullaby
of Birdland」だ。トップのディック・コリンズをはじめチャーリー・バーネット、クインシー・ジョーンズのビッグバンド、トニー・スコットやジョー・ニューマンのコンボ、そしてピート・ジョリーとバーバラ・キャロルのピアノトリオ、様々な編成でバードランドの雰囲気を楽しめる。ビッグバンドやアップテンポの演奏は白熱のステージを目の当たりする迫力があり、小編成やバラードはその燃え尽きたライブの余韻を残す。それぞれ趣向の凝らしたアレンジはバードランドで演奏した夜に思いを馳せたものであり、どのヴァージョンもテーマ部を崩さないのはシアリングが肌で感じたクラブの空気に敬意を払ったものだろう。
ハミルはこの書で、「クラブは1965年まで営業したが、すでにニューヨークの合金というストーリーのなかでひとつの役柄を演じ終えていた」と記している。1965年はビートルズがエリザベス2世からMBE勲章が授与されロックが世界を席捲した年である。バードランドが閉店しジャズもかつての栄華を失ったのは確かだが、バードランドというチャーリー・パーカーのニックネーム「バード」にちなんだ名前と、そこから生まれた子守唄は永遠にジャズ史に残るに違いない。
49年にオープンした名門ジャズ・クラブ、バードランドのライブはクリフォード・ブラウンが参加したメッセンジャーズやコルトレーンのアルバムで聴けるが、おそらくジャズ語としか思えない言い回しでマーケットに紹介されたプレイヤーは、毎晩あのような熱気の籠ったステージを繰り広げていたのだろう。そのジャズの聖地ともいえるクラブに曲を捧げたのは盲目のピアニスト、ジョージ・シアリングだった。作曲した52年以降、エンディング・テーマとして幾度となく演奏された「バードランドの子守唄」は、白熱するプレイとそのステージに酔うお客、そして興奮冷めやらぬ閉店後の雰囲気を見事なまでに旋律に託している。
この名曲だけをこのアルバムのために録音された12曲を収録したのがRCAの「Lullaby
of Birdland」だ。トップのディック・コリンズをはじめチャーリー・バーネット、クインシー・ジョーンズのビッグバンド、トニー・スコットやジョー・ニューマンのコンボ、そしてピート・ジョリーとバーバラ・キャロルのピアノトリオ、様々な編成でバードランドの雰囲気を楽しめる。ビッグバンドやアップテンポの演奏は白熱のステージを目の当たりする迫力があり、小編成やバラードはその燃え尽きたライブの余韻を残す。それぞれ趣向の凝らしたアレンジはバードランドで演奏した夜に思いを馳せたものであり、どのヴァージョンもテーマ部を崩さないのはシアリングが肌で感じたクラブの空気に敬意を払ったものだろう。
ハミルはこの書で、「クラブは1965年まで営業したが、すでにニューヨークの合金というストーリーのなかでひとつの役柄を演じ終えていた」と記している。1965年はビートルズがエリザベス2世からMBE勲章が授与されロックが世界を席捲した年である。バードランドが閉店しジャズもかつての栄華を失ったのは確かだが、バードランドというチャーリー・パーカーのニックネーム「バード」にちなんだ名前と、そこから生まれた子守唄は永遠にジャズ史に残るに違いない。
George Shearing / Lullaby of Birdland (MGM)
Barney Kessel / Easy Like, Vol. 1 (Contemporary)
トップは作者ということもあり一番人気でした。次いでケッセルが広く聴かれているようです。3位は決定しませんでしたが、多く挙げられたヴァージョンはそれぞれにこの曲の魅力を味わえるものばかりです。お好みの子守唄で今宵もぐっすりお休みください。
皆さん、こんにちは。
急用で留守になりますので、レス、ベスト決定は来週になります。ご容赦ください。
25日のアップは遅い時間になりますが、必ず更新しますので来週も引き続きご覧いただければ幸いです。
下記の貴殿のコメント、Mrs.Dukeへ転送しておきます。
「焼き鳥屋のバードランドや、ライブハウスのバードランドよりフーゾクのバードランドの常連になりたいです。(笑)」
焼き鳥屋のバードランドは知りませんでした。予約が必要な店でしたら、あまり手に入らない寒すずめも焼いているのでしょうか。寒すずめで缶ビール、いや熱燗で一杯はたまりませんね。
ビル・クロウを忘れていたわけではありませんが、挙げられたCDは印象が薄かったです。「さよならバードランド」と「ジャズ・アクネドロツ」は読みましたよ。和田誠さんの挿画もプレイヤーの特徴を捉えておりますし、内輪話はどの業界でも面白いものです。それにしてもクロウは苦労をしておりますね。(笑)
焼き鳥屋のバードランドや、ライブハウスのバードランドよりフーゾクのバードランドの常連になりたいです。(笑)
ショーティ・ロジャースとアンドレ・プレヴィンの「Lullaby of Birdland」は、記事で紹介したアルバムに収められているものです。RCAのオリジナル「Collaboration」には収録されておりませんので、再発時に追加したものでしょう。FSRのジャケを見ましたが、結婚暦の多いプレヴィンは、ロジャースに冷やかされているのでしょうか。照れ隠しに頭を掻くのは日米共通のようですね。(笑)
今じゃ人気で予約が必要な焼き鳥屋、「バードランド」、別にパーカーを焼いて食おうと言う訳ではない。
ところで、皆さん、ビル・クロウをお忘れじゃありませんか!この話題を出すなら、当然登場してしかり。
先ずは、彼が書いた本、「さよならバードランド」村上春樹訳。
この本の姉妹版としての、CD「From Birdland to Broadway」という、ビル・クロウ・クインテット盤。
本の内容も毎晩出演していたミュージシャンの回顧だけあって興味深いし。この本に対応して出したCDもいい。ビル・クロウというベースは地味な存在でリーダー盤など出したことはなかったと思うが、この本の影響でリーダー盤を出した。
George Shearing / Lullaby of Birdland (MGM)
Barney Kessel / Easy Like, Vol. 1 (Contemporary)
Bill Crow/From Birdland to Broadway
ということになりますかなぁ。
この出版のあとで、もう一冊書いている。
「ジャズ・アクネドロツ」というやはり村上春樹訳である。
彼はなかなか文才もあり読んで面白い。
因みに、六本木にも「バードランド」というライブハウスがある。ジャズもやるけど時々ハワイアンも登場するという・・・ウーン、・・・まあ、私はあまり通ったことはないが・・・。
ところで、フーゾクのバードランドの常連は何方で?
正直に名乗り出よ!
コンピ盤で、バードランドが収録されている
原盤は、Vanguard の
「Urbie Green And His Band」
Green(tb)、Med Flory(as), Rubby Braff(tp),
Frank Wess(fl)の4管がフロント。
グリーンのボントロと、ウェスのフルートによる
4小節交換が、なかなかいい。
Sir Charles Thompson(p)の短いシングル・トーンの
ソロも、つぼを心得ている感じです。
○「Shorty Rogers & Andre Previn In Corabolation」(FSR)
FSR、なかなかいいものを再発してますね。
RCA盤お持ちでしたか。同じ曲ばかりですが、通して聴いても厭きのこない編集は見事ですし、どの演奏も相当に力が入っておりますね。今ではこういう企画を立てる曲もレコード会社も少なくなりました。
トップは作者ならではの輝きがありますし、ケッセルはアルバム全体のトーンが秀逸ですね。
ゲッツのルースト最終録音もいい内容です。このセッションでは枯葉や思い出のたねも吹き込んでおりますが、ルースト最初の録音から比べるとラインは太くなっており、短期間の変貌に驚きます。牛乳飲んだからかなぁ。(笑)
ピート・ハミルの「マンハッタンを歩く」は、07年に出版された本です。ミンガスがトイレでベースを弾いた話もあり面白いですよ。
RCAの「Lullaby of Birdland」を僕も持っています。こういう企画は、この曲が世に知れ渡っているからこそでしょうか。
どれをあげようかと迷いましたが、
①George Shearing / Lullaby of Birdland (MGM)
②Barney Kessel/Easy Like (Contemporary)
③Stan Getz/The Complete Roost Session Vol2(Roost)
①ははずせません。③はまあ好みです。音源は国内盤LPです。ゲッツのルーストにおける最終録音になりますが、ルースト時代あたりの彼の演奏が好きなので。
ピート・ハミルの本は「ザ・ヴォイス」など何冊か持っているはずですが、「マンハッタンを歩く」という本があるのですね、知りませんでした。早速買います。
すっかり手の内を読まれたようですね。好きな曲ですので、ヴォーカルもまた話題にします。歌物のワンツーは投票前から決定(笑)ですので、3位が焦点になるでしょう。
J&Kがありましたね。私が持っているのは国内再発レコードですが、帯に「手に汗にぎる白熱のトロンボーン・バトル」とあります。帯文通りのバトルですが、リズム・セクションが弱い感じがします。
Ahmad Jamal に Wild Bill Davis がありましたか。前者は聴いた記憶があるのですが、後者はまだ一度も聴いておりません。Dany Doriz のヴァイブが気になる1枚です。
ほかにも何点かあるようですので楽しみにしております。おそらく知らないアルバムが出てくることでしょう。(笑)
早速、新宿バードランドに飛びましたね。奥様のつやちゃんが亡くなられたあと酋長は行方不明のようですが、実家のある小樽あたりでパーカーを聴いているのかもしれませんよ。黒く塗っただけのバッフルにアルテック、ひとつも揃っていない椅子、白人ジャズは置いていない妙な店でした。フーテンという言葉とともに懐かしく70年代を思い出します。
ドリューの演奏は子守唄ばかりを集めた「ザ・ララバイ」に収録されております。一連のイラストジャケの企画アルバムですが、タイトルに相応しい内容です。ガーランドは不明ですが、未発表テイクをCD再発時に収録したものかもしれませんね。ブロックコードの子守唄だと寝付けないような気がします。(笑)
エントリーを読んで、
「ああ、こりゃ絶対ヴォーカルは外してくるな」
と思いましたよ(笑)。
管理人さんが挙げられた物以外で、すぐ思いつくのって、
J&Kの「An Afternoon At Birdland」ぐらいしかないので、
例によって検索してみました。
「Chicago revisited/ Ahmad Jamal」(Terarc)
が、期待通りの出来。
「Swing & Shout/ Wild Bill Davis」も、なかなか。
Dany Doriz のバップの香り高いヴァイブが印象的。
ほか、何点かありますが、また後日に。
新宿のバードランド・・・懐かしいですね。
酋長とは店の営業時間に違う店で会う事が多かった事を思い出しました。酋長は一種の放浪癖があるので店は奥様がやっている事が多かったようです。
その奥様も亡くなられ、酋長は行方不明・・・知り合いのジャズメンに聞いても誰も知らないのです。
いつも「いつかバードの墓参りに行きたい。」と言っていた酋長・・・今頃どこを放浪しているのだろうか・・・。
インストのバードランドの子守唄、結構難問ですね。
ジョージ・シアリングは大賛成。
だが後が続かない。
ガーランドやドリューが良い演奏を残しているはずなのだがアルバム名が思い出せないのです。
中年性健忘症がまた進んだようです。(笑う)
サラ・ヴォーン、クリス・コナーの両名唱で知られる「バードランドの子守唄」ですが、歌詞は後から付けられたものです。今週はインストでお好みのヴァージョンをお寄せください。ヴォーカルは機を改めて話題にします。
管理人 Lullaby of Birdland Best 3
George Shearing / Lullaby of Birdland (MGM)
Jaki Byard / Hi Fly (Prestige)
Barney Kessel / Easy Like, Vol. 1 (Contemporary)
バードランドに行かれた方は感想をお寄せいただければ幸いです。新宿のバードランドではありませんよ。(笑)
レスは19日以降になりますが、今週もたくさんのコメントをお待ちしております。