80才のハツラツ日記

愈々名実共に80才を迎え、人一倍好奇心を燃やして、元気な行動の随筆日記です。

山本兼一著「利休にたずねよ」を読み終えて

2010年11月26日 | 本の情報
21日のブログでこの文庫版の事を書いたのですが、
その時は未だ7割位しか読み終えていなかったのです。

今度、最後迄読み終えて、ホントに千利休の人柄がよく判りました。
利休の前の名前、宗易の時代、更に遡って青年時代の千与四郎の時代。


50年前の19才の頃、彼は熱情的な男だったのですね。
最終章の一つ前に、若かりし頃の恋と愛が語られます。

そして最終章は又初めに戻って切腹の現場を描いています。

「茶の湯」は見事な芸術であったこと。 その神髄は極めて奥深い事。
 茶の湯に使う道具類も非常に高価なものもあったのですね。

それにしろ利休の叡智、目利きの鋭さ、何物にも節を曲げない頑固さ、怖ろしさ。

秀吉に「お前は悪人だな」と嘆かせるのです。
とても勝つ事は出来ないと悟って、難癖を付けて切腹に追い込むのです。


題名の「利休に尋ねよ」とは、著者は何を「たずねよ」と言うのでしょうか?
これは難しい。人、様々に答えが違うでしょうナ。

私は、彼が心の内では、秀吉を蔑(さげす)んでいて、
いずれ自家薬籠中の人物にしてしまおうとの野心があったのではないか?と、
たずねたいです。
秀吉も其れに気づいていたのではないかとも思います。