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元読売ジャイアンツのガルベス選手(3)母の父姓 Jerez

2018-03-19 16:32:43 | 名前
  
  Gálvez 伯爵由来の、テキサス州の町ガルベストン(Galveston) から話がそれてしまった。書き忘れていたが、ガルベストンは新潟市の姉妹都市で、新潟市にあるレストランの名前にもなっている(『万代グリル ガルベストン by Soi』)。ガルベストンは大きな町かと思っていたが、人口は6万人弱の小さな町だった。
 新潟市がガルベストン市と姉妹都市協定を結んだのは1965年。グレン・キャンベルの『ガルベストン』がヒットしたのは1969年。当時、新潟市(特に市役所の姉妹都市関係の部門)が浮かれたであろうことは想像に難くない。 
 話をガルベス選手(Balvino Gálvez Jerez)に戻す。
 ガルベス選手の母の父姓は Jerez である。「だれそれの息子」という姓は -ez で終わり、最後から2番目の音節にアクセントがあるのが普通である。
 スペイン語の正書法では最後から2番目の母音にアクセントがある場合のアクセント記号(tilde)の有無についての規則は次のとおり。
 1.母音、または s,n で終わる場合はアクセント記号は不要
 2.それ以外はアクセント記号をつける。
 z はラテンアメリカでは [s] 音で発音されるが、上の規則が適用されるので、アクセント記号が必要である。
 Gálvez の場合は、a にアクセントがあるので、アクセント記号が必要である。ただ、英語圏ではアクセント記号は省略されるようで、Galvez と表記される。
 Jerez の場合も Jérez ではないのかと疑問に思うが、アクセントは後にあるので、Jerez のままでよい。ということは、「だれそれの息子」ではなさそうである。
 さて、“Historia Apellidos”によると、Jerez のスペインでのランキングは602位。レアな姓ではない。絶対数でも人口比でもチリに多い。
  紋章は何種類かあるが、以下のものと大同小異である。
 
 【“Heráldica”より】
 Jerez の意味だが、jerez という普通名詞はある。小学館『西和中辞典』より引用する。
 
 jerez 男性名詞[複 jerecez]シェリー(酒)
 スペイン南部の都市 Jerez de la Frontera 地域を中心に作られる、独特の香りとこくのあるぶどう酒。
 Jerez の古形 Xerez(語頭音は[ʃ])が1608年に英語 sherris[シェリー酒」となり、のちに -is が複数形と取られたので sherry となる。

 Jerez 家の紋章に描かれている城は国境(frontera)を守る城または砦を表しているのかもしれない。
  ガルベス選手がシェリー酒好きだったかどうかはわからない。勝利投手になったとき、シェリー酒で祝杯を挙げていれば愉快である。ガルベス選手に娘がいて、その名前が Sherry だともっと愉快なのだが。
 新潟市にあるレストラン「万代グリル ガルベストン by Soi」にガルベス選手の写真やシェリー酒が置いてあるかどうかは知らない。興味のある方は調査に出かけてみては?

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