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楽天のクルーズ選手

2018-01-17 19:25:07 | 名前
 巨人から楽天に移籍したクルーズ選手もラテン系であるが、出身はメキシコである。
 
 フルネームはウィキペディアによると、「ルイス・アルフォンソ・クルーズ・ボホルケス」(Luis Alfonso Cruz Bojorquez)となっているが、母の父姓の Bojorquez は Bojórquez の間違いではないだろうか。
 先に母の父姓の Bojórquez を片付ける。“Historia Apellidos”によると、この姓はスペインで68108番目に多い。父の父姓として使っているのが22人、母の父姓として使っているのが15人という少なさである。
 意外なことにアメリカ(プエルト・リコなどの属領を含む)に4239人もいるが、それにしてもかなり珍しい姓と言わざるを得ない。
 さて、Cruz 姓は結構いる。楽天のクルーズ選手の他に日本ハムにもクルーズ選手がいたし、トランプ大統領と共和党大統領候補の座を争ったうちの一人はテッド・クルーズ(Ted Cruz)上院議員である。Cruz 姓は“Historia Apellidos”によると、スペインで55番目に多い姓である。世界的に見ると、絶対数ではメキシコ、人口比ではグアムが一番多い。
 Cruz は日本でもアメリカでも「クルーズ」と発音されているようだが、本来のスペイン語の発音は「クルス」である。普通名詞 cruz (英 cross 十字架)が姓になっているわけで、いかにもキリスト教徒らしい姓である。
 テッド・クルーズ上院議員の父親はキューバ移民だが、本人は2世で英語圏に暮らしているので、英語読みの「クルーズ」でもいいだろうが、メキシコ人である「クルーズ」選手はスペイン語読みで「クルス」と呼ばれた方がうれしいだろう。
 初めて「クルーズ」という名前を聞いたときは、てっきり“Cruise”とつづるものと思っていた。
 ちなみに、cruz の派生語に cruzar (横切る)や crucificar (英 crucify 十字架にかける、磔にする)という語もある。同源同形のポルトガル語から日本語にも入り、キリシタン用語の「クルス(九瑠珠)」になった。キリシタンならずとも、Cruz は「クルス」と呼びたいものである。
 

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