阪神タイガースのソラルテ選手(Yangervis Alfredo Solarte)の父方の父姓 Solarte のスペインでのランキングは第10038位(“Historia Apellidos españa”による)。珍名とは思えないが、かなり数が少ない。世界的な分布を見ると、絶対数でも人口比でも1位はコロンビアで、26,015人。Solarte 姓のコロンビアでのランキングは362位で、珍しくはない。絶対数2位に続くのがソラルテ選手の母国、ベエズエラで、4022人である(“Forebears”による)。
Solarte の意味を調べてみたが、なかなかヒットしないので、勝手に想像してみる。
Solarte は「sol(太陽)+ arte (芸術)」に分解できる。どんな芸術かよくわからないが、自己紹介のときの話の種にはなる。
sol の形容詞形は solar で、英語も同形であるが、スペイン語の方は「太陽の」という意味の他に「古めかしい、由緒ある」という意味もある。名詞としても使われる。「宅地、敷地、建設用地、古い館、由緒ある屋敷、旧家、名門、名家、裏庭、中庭、庭」という意味である。
Solarte が「古い館」の意味の solar と関係があるならば、Solarte さんは日本の「古館(ふるだて、ふるだち等)」さんに相当することになる。
小学館『西和中辞典』によると、この solar の他に同音異義語の solar という動詞もある。意味は「(靴底を)張る、張り替える、(床石などを)敷き詰める」という意味である。
この動詞の直説法現在1人称単数の活用形は suelo である。筆者はこの動詞は使ったことはないが、suelo という名詞はお馴染みである。辞書にも太字で項目が立てられている基本語彙である。
「地面、床」の意味でよく使われるが、「土地、用地、土壌、国土、地域、(容器などの)底」の意味もある。上記の辞書には英語の sole「足の裏、底」は関連語と明記されている。英 soil(土壌)は明記されてはいないが、これも関連語のようである。
関連語といえば、フランス語で「地面」を表す語は、スペイン語で「太陽」の意味の sol である。ラテン語で「太陽」は sol、「地面」は solum で、よく似た形なのが混乱の原因である。
ともかく、スペインでは sol は天にあるが、フランスでは大地そのものである。「天地無用」という言葉の意味がよくわからなくなってきた。
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