スパニッシュ・オデッセイ

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チョプスイ(1)

2014-02-16 11:44:12 | コスタリカ
 中華料理屋の人気メニューは前述のチャーハンのほかに、チョプスイというのがある。Chop Suey とつづっていはいるが、発音は英語風に「チョプスイ」である。
 チョプスイは麺である。これには2種類あって、一つは Chop Suey Seco(seco は dry の意味)で、乾燥したチョプスイ、つまり焼きそば風。しかしながら、日本のソース焼きそばとは全然違う。もう一つは Chop Suey en Salsa(ソースの中にあるチョプスイ)で、こちらは汁に入った麺で、見た目は五目ラーメン、タンメンといったところだろうか。味は当然、日本のものとは違う。そもそも汁にコクがない。それでも、結構おいしい店もある。もちろん、本場の中華料理や日本の中華とも違う。そもそも材料は基本的にコスタリカでとれるものを使用するのであるから、違って当然なのである。メキシコでもペルーでも中華料理屋へ通ったが、コスタリカの中華料理の方がおいしかった。
 ところで、「チョプスイ」という名前は全然スペイン語らしくない。また、現在の中国語(中国では「普通話」といっている)の発音とも違う。「普通話」は日本語同様、子音では終わらない。唯一の例外は[n], [ŋ]である。
 これに対し、広東語などは語尾の子音が残っている。ということで、コスタリカの中華料理のメニューやレストランの名前は広東語や福建語などの発音によっているのだろう。
 コスタリカの中国人は、広東から移住した人が多い。その中国系1世の言葉は広東語である。その後、第2次世界大戦後は台湾と国交を持っていたこともあり、台湾からの移住者も増えた。ただし、本省人(もともと台湾に住んでいる人たち)ではなく、外省人(国共内戦に敗れ、国民党とともに台湾に移ってきた人たち)である。こちらの言語は「普通話」である。広東語と「普通話」では話が全然通じない。全くの外国語である。
 数年前、外交関係を台湾から大陸中国に乗り換えたので、これから中国本土からの移民が増えることも予想される。

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