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アバウト・タイム〜愛おしい時間について〜 後半

2018-06-11 22:45:41 | 英国俳優
About Time

Directed by Richard Curtis
Written by Richard Curtis
Produced by Tim Bevan Eric Fellner Nicky Kentish Barnes
Music by Nick Laird-Clowes
2013

続きです。
ネタバレありますのでご注意ください。


ふたりの結婚式は雨でしたがみんな楽しそう。


娘も生まれます。名前はポージー。


幸せな毎日を送るティムにタイムトラベルの必要もありませんでした。

ある日、家族や友人を呼んで娘のバースデーパーティを開いたその日
ジミーとケンカをしたキットカットは飲酒運転をして事故を起こし、重傷を負います。
ティムはこの事故を回避するため過去に戻りキットカットに運転をさせないために迎えにいきます。


事故は回避できましたが根本的な解決にはなりません。
妹を何とか立ち直らせたいティムは彼女に人生をやり直させるため
タイムトラベルの秘密を打ち明け過去にジミーと知り合ったパーティに戻り
ジミーと出会わない人生を歩ませようとします。

ジミーはトム・フォードが演じていました。この方も独特の雰囲気がありますよね。


しかし、現在に戻ってみると娘が息子に変わっていました。
驚いたティムは子どもが生まれた日まで戻り父親に相談します。

子どもが生まれたあとにその子どもが生まれる前に戻ってしまうと
精子のタイミングが変わってしまうから違う子どもになってしまうと説明されます。
「じゃあ、子どもが生まれる前の事はもう変えられないの?」と聞くティムに
「そうだよ、普通の人と同じようにね。」と答えるパパ。

結局、キットカットは事故を起こしてしまいますが
ティムはタイムトラベルではなく、キットカットを向き合って救うことにしました。
ティムとメアリーの頑張りにキットカットはジミーと別れる決心をします。

キットカットはイケメンで遊び人のジミーではなく
退屈でも自分を大切にしてくれるジェイを選びます。大事な事です。



子どもがもうひとり増え4人家族になった頃、父親のガンが発覚します。
余命は数週間でした。
ティムとメアリー、そしてキットカットも家に集まります。


みんなが動揺し悲しんでいました。


父と話すティム。
タイムトラベルの能力を使えば?とティムに、
父は「それはできない。人生をやりなおすことはできない。」と言います。
「誰にでも良い事も悪い事もある。神の子イエスだって最後は悲惨だっただろう。」


そしてティムに幸せになる秘訣を教えます。
「普通に生きる事。普通の人と同じように一日ずつ。」
「毎日を同じようにもう一度繰り返す事。緊張や不安で気づかなかった人生のすばらしさに2回目は気づくから。」


ティムはその通りにします。
するとどんなに最悪な日でも見方を変えれば良い方向に変えられることに気がつきました。
2度とめぐりあわない瞬間を大切にし笑顔で過ごせば周りも幸せな気分になりますよね。
嫌な事も伝染するけど、良い事も伝染します。

上司にダメだしされる同僚にも言葉をかけませんでしたが、


2回目は「嫌な奴だ」とメモで書いたりして励ましています。


前回疲れて不愛想にしたレジの女性に、


笑顔で接すれば女性も幸せそうです。


プレッシャーの中無言で裁判所に向かい


「無罪」判決が出たけれどあまり余裕のない表情のティム。


けれど2回目は「きれいなロビーだ。」とまわりを見渡し


判決が出れば素直に笑顔で。依頼人も笑顔。


隣のノイズも


エアギターをしています。



ツイテない日、嫌な事がある日も接し方で変わるんですね。


父の葬儀の日、ティムは父がまだ生きていた頃に戻ります。


父もティムがどの時間から来たのかわかっていました。
本を朗読する父を泣きそうな笑顔で見つめるティム。


ある日、メアリーがもうひとり子どもが欲しいと言います。
子どもをつくることは子どもが生まれる前に戻れない、
つまり父親と2度と会うことができなくなるという事でした。


少し悩みましたがティムは決心します。

月日が経ち子どもが生まれる日、ティムは最後に父親に会いに行きます。
いつもと同じように卓球の試合をしますが父はこれが最後だと気づきます。



最後に父にキスを贈りハグ。
何かしたいつもとことある?とティムが聞くと
ティムが子どもの頃ずっとそうしていたように、海辺を散歩したいと。
過去を変えないようにうまくやろう、と父。

ふたりで過去にタイムトラベル。

少年の頃のティムとの散歩が父の最後の願いというのはすごく切なかったです。
父にとってはこの時期が一番の宝物なんだよね、きっと。


そうしてティムはまた日常に戻ります。
キットカットも母になりみんな穏やかに過ごしていきます。

この映画はティムのナレーションで進みますが最後にこう締めくくられています。

And in the end I think I've learned the final lesson from my travels in time;
and I've even gone one step further than my father did.
The truth is I now don't travel back at all, not even for the day.
I just try to live every day as if I've deliberately come back to this one day,
to enjoy it, as if it was the full final day of my extraordinary, ordinary life.
We're all traveling through time together, every day of our lives.
All we can do is do our best to relish this remarkable ride.

僕は最後の秘訣をタイムトラベルで学んだ。
父よりもさらに一歩進んだのだ。
実を言うと今では一日たりともタイムトラベルで戻る事はしていない。
まるで今日のこの日にタイムトラベルしてきたかのように、
僕の特殊で普通の人生の終わりの日のごとく、毎日を生きて楽しんでいる。
僕たちはみんな日々の人生をいつも一緒にタイムトラベルをしている。
僕たちにできることはこの素晴らしい旅行を楽しむために最善を尽くす事だ

「to relish this remarkable ride.」
二度とない今日この日を味わうために、という意味なんでしょうね。
この映画には名言のようなセリフがたくさん出てきます。
IMDbにまとめてありました。→ Quotes

いろいろな人たちの日常が映し出されます。
ティムも子どもたちにごはんを食べさせ学校に送りだし仕事にいき、


最後にメアリーとティムの電話で「じゃあ、あとでね。」と言って終わります。



ドーナル推しな画像が大量ですみません。

何度もやり直せる人生は率直にただただ羨ましいです。
ティムはタイムトラベルを通じて様々なことを勉強します。
そして当たり前のように毎日を生きていけることの幸せを感じながら
生きていくことの大切さを私たちはティムを通じてあらためて気づきます。

過去を悔いても何も変わりません。
誰かと比べることで得る満足感では幸せにはなれません。
今日この日が二度とめぐってこないならば、まずは顔をあげて空を見上げてみよう。

目に入る景色の美しさ、肌で感じる風、そしてあなたに声をかけてくれる人。
見方を変えるだけで世界がやさしくなるような気がします。

最近私は自分の足で歩ける幸せ、食事ができる幸せ、仕事ができる幸せ、
そして家族や友人がいる幸せ。
今まで当たり前のように傍受してきたことが実はとても幸せな事だったのだと実感しています。



もちろん、いつもいつもこんな考え方は出来ませんが・・・・
でも嫌な事があった日こそ、こんな風に考えようと思っています。

何を選ぼうとやはり人生は一度きりだし。

なんて偉そうに言っていますが無駄に年を重ねただけの未熟者なのでこの境地にはまだまだ程遠いです。
でも人生は思っているよりも短いので、動けるうちにやりたいことをやっておきたいです。


感情が大きく揺さぶられることはありませんがじんわりと心が温かくなる、そんな映画でした。


少しだけ音楽の話もしたいのでもう一回だけ続きます。(しつこい)

2 コメント

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素敵な映画の紹介ありがとうございます (Misty)
2018-06-12 20:50:38
こんばんは。この映画、多分広告でちょっと見ただけだと見ないな~という感じですが、実はすごくいい映画だったんですね!しかもお父さんがビル・ナイなんですね~見てみたくなりました。もう筋は分かってしまってるけど、こういう映画なら静かな演技を見るだけでも楽しめそうな気がします。1日1日を大事にしたり、嫌なことがあった日こそ見方を変えてみるとか、ホントにそうですね。つい忘れがちになってしまうけど、そういうことを思い出させてくれたdicoさんの記事に感謝です。こういう地味でもいい映画、結構あるんですね~ベネさん関連でもいい映画やドラマに出会いましたが、ベネさんに限らずでも、いい映画を紹介してもらえるのはありがたいです。

ついでですが…Γポーの一族」、懐かしいです~続編があるなんてびっくりですが、いつか読めたらいいなぁ…って、人生そんなにすごく長くはないかもしれないから、近いうちに…にしといた方がいいでしょうか(笑)
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Re.素敵な映画の紹介ありがとうございます (dico)
2018-06-12 22:38:26
Mistyさん
こんばんは。早速ありがとうございます!そうなんですよ、いつもならスルーしているような映画だったのでラッキーというか・・・下心も役に立ちますね(笑)静かな演技←ですよ、ですよ!名優たちの演技を見ているだけで楽しいです。やはり英国俳優は最高ですね。地味な映画ですけど大事な事がたくさん詰まっているのでぜひ機会があったら観てくださいね。心がほっこりします。ベネさんに限らずこういう映画に巡り合えるのは嬉しいですね。

やはりMistyさんもポーの一族ご存知ですよね。そうなんです、続編があるんです。ホント、人生いつ何が起きるかわからないですし読みたいものを読みたいときに読むのが一番じゃないでしょうか。
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