新作は久しぶりである。そもそもすでに頭部が出来ている人物以外、新たな人物は作らない、と言っていたのに前言撤回となった。一応恥ずかしくはある。何故こうなったかは決めた当日のブログに書いたが、何年か前、老作家と金魚の奇妙な日常を描いた『蜜のあはれ』を勿論作家を犀星で、金魚は本物を使ってやるつもりであったが、映画に先を越されてしまって止めた。(大杉漣・二階堂ふみ)そうこうして飲み仲間であるMさんから、紹介したい所がある、と言われたのが本郷で金魚の卸売業を永らく続ける『金魚坂』であった。随分前になるが、江戸川乱歩作品のために本郷辺りをうろついていた事があり、コンクリート製の水槽の金魚を覗いた記憶があった。金魚坂と聞いた時点ですでに予感があったが、ドアを開ける時には犀星を作る事になってしまうだろうと思いながら入った。 私はいつも言うように、こういった偶然には何も考えずに乗る事に決めている。であるから、紹介者のMさんが、私と犀星、また『蜜のあはれ』について何も知らなかったかった事が肝腎なのである。何故かは判らないが肝腎で、例えばMさんが犀星ファンであったり、私と『蜜のあはれ』の経緯を知っていたとしたら、着地点は多少違っていただろう。偶然であればあるほど何かが取り込まれ、結果は面白い。なんでそうなのか、については私自身はサッパリ判らない。大杉漣がロケに来た時の写真が貼ってあったが。それに向かって『やっぱりこんなことになっちゃったよ。』
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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube
※『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載13回『月に兎 泉鏡花