明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



自転車に乗って江戸東京博物館で開催中の『文豪・夏目漱石ーその心とまざし』を観に行く。昨日も出かけたが休館日であった。私は図書館その他、思いついて出かけると5割近くが休館である。入り口には、日活が映画『ユメ十夜』の宣伝のため、数百万かけて作ったという、漱石には似ても似つかないマネキンが座っていた。岡本一平の戯画も展示されていたが、岡本はもう少し評価されてもいいのではないかと改めて。 今回一番の目的は漱石のデスマスクを見ることであった。漱石の肖像というと、日本人がイメージするのは、千円札のものと、今回ポスターに使われている、喪章をつけ、こめかみに手を当てている2カットであろう。これを見る限り、漱石の鼻筋は、眉間から先まで、まっすぐ伸びているように見える。マネキンの鼻もそうなっていた。しかし私は、特に喪章の方の鼻筋の輪郭線が、なんとなく太く感じられ、修正が施されているのではないかと疑っていた。当時、腕の良い写真職人は、修正用の鉛筆一本で、全国どこに行っても食べていけたといわれている。 はたして漱石のデスマスクは、見事なワシバナであった。これは凄い!真横から眺め、一人驚嘆の私であった。写真では確認できないので、おそらくデスマスクを目にすることのできる人だけが知っていた事実であろう。実際修正されているかは、原版を見ないと判らないが。 気になっていた私以外には、だからどうした、という話ではある。

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