明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昔、市ヶ谷の駐屯地に、あのバルコニーに三島を立たせようと撮影に行った。あの制服だけは気に入らない。三島がチンピラヤクザなら、と出演した『からっ風野郎』の革ジャン姿にした。こちらの方がよっぽど良い。あの制服は、中井英夫も気に入らないと言っていた。三島が本当に好きだったのは、白に金ボタンの並んだエレベーターボーイの制服で、あの可愛らしさがない、という。了解しました。エレベーター内で射殺されたエレベーターボーイになってもらった。某デパートのエレベーターを撮影したが、いかにも元警官みたいな警備員に文句を言われた。そんな事は知るか。階を変えて撮っていると、連絡が行ったようで、また現れた。用は済んだ、長居は無用。念のために、エレベーターはデザインを変えておいた。 幼い三島が、坂を降りてきた糞尿を運ぶ青年を見て“彼になりたい”と言えば、お安い御用、と念願を叶えて差し上げた。刺青入れたかったと知れば入れた。さすがの三島も、やれなかった事をしないと創作の意味がない。ある週間誌で、私のなりたいもの、と言う特集で、三島は白バイ警官に扮した。そこで、路肩で死んでいる白バイ警官を、と制服からバイクから調べて見たが、三島に「君、俺は白バイ警官はやったぜ。」と言われそうで止めた。

 【タウン誌深川】〝明日出来ること今日はせず〟連載第17回『引っ越し』

『石塚公昭 幻想写真展き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界


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