明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



絵師であり太鼓持ちの英一蝶のユーモアは好物である。先日島流を恩赦で許され、江戸に帰って逗留した江東区の一蝶寺で『雨宿り図』を観たが、このモチーフが好きなのか、代表作に6曲1隻の『雨宿り図屏風』がある。琵琶法師、獅子舞、子供、武士、魚売り、犬、馬までもが、ある屋敷の門前で雨宿りをしている。禅の精神を表しているという『虎溪三笑図』は三教一致といって仏教、道教、儒教の三人の人物が笑っているだけだが、雨宿り図はそれどころではない。 私はいずれこれを一休禅師でやりたい。竹竿にシャレコウベか、役立たずの象徴と皮肉った朱鞘の長い竹光を持った一休と横一列に、胸元露わな夜鷹、乞食、物売り、鼻垂れ小僧、犬など並べ、橋の下で雨宿りしている。生涯を庶民の中で生きた一休和尚。横数メートルのプリントでいつか個展をやってみたい。 先の予定を立てて、至らぬ場合後悔するから考えないようにしているが、主役の一休和尚はすでに完成している。なんなら我が家の襖絵にして暮らすというのもオツかもしれない。いや風狂というよりただ酔狂となろう。




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