明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨日アップした『蛸と女』は、単に被写体の女性を笑わそうとして作った物であったが、オイルプリントにしてみた。私には感心されるくらいなら呆れられたい、というとても危険なヘキがある。 インクを使う技法といっても一応写真で撮ったものだから、北斎先生の如くまでやってしまっては少々問題があろう。オイルプリントは現実をありのままに写すには向いていないが、そのかわり別な世界に一変させることができる。たとえば現代的な家具になんだか判らない雑物が乗っていても、大正時代の洋画家のアトリエの一部のようになる。技法は、それが行われた時代に引きずり込まれる傾向がある。ある時代に作られたレンズが、その時代の技法には最適。などという面白い話も聞く。私はこの件に関しては別のことを考えているが、せっかくなので利用するのも一興であろう。となれば大正時代の早世の詩人で画家の『村山槐多』である。野島康三のブロムオイルやガムプリントには、同時代の洋画家の木炭デッサンと共通した匂いがする。先日アップした『モデルT』と某アトリエで撮影したカットをオイルプリントにしてみたいと考えている。

オイルプリント制作法

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