明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


久しぶりに谷崎潤一郎の首が出て来た。唯一首を二種類作った作家である。澁澤についで作ったのは乱歩か谷崎であったが、澁澤とならび小さい。澁澤は植物園などに妖精のように配置するつもりでいたし、谷崎は女体に配置することだけ決めていたので、小さ目ということもあった。それから随分立ち、フリーペーパーの表紙で谷崎を特集することになり、人間大として人間と並んでもらうことにしたので、それには少々デイテール不足、と改めて初代より大きく作った。ここの所、飽きる程ヌードを見ていて、丁度私が中学生にして谷崎にはまる原因になった大映の“谷崎物”を思い出していたところであった。 今だったら谷崎作品に参加してみたいという奇特な女性もいるし、『痴人の愛』や『瘋癲老人日記』がリアルに可能であろう。谷崎も名場面だけやる分には面白いに違いない。 そんなことを考えていたら、『貝の穴』以前、本物の猫を使って内田百間の『ノラや』をやるつもりでいたのも思い出した。百間の仏頂面を号泣させてみたかった。本物の金魚を着流しの室生犀星の首筋や懐からヌルリと顔を出させて作ろうと考えていた『蜜のあはれ』。今はどこへ行ったか、金魚みたいな顔をした女の子にも目星を付けていたのだが。挿絵程度の作品数なら可能な気がしないでもない。可能である。と書きそうになり慌ててハンドルを切る。 午後、三ヶ月サボった定期健診。さぞかし数値が悪くなっていると思ったら、何もしてないわりにそれほど悪くなっていない。と薬減る。色々気を付けてましたか?「勿論ですとも」。

オイルプリント制作法

インキング映像↓

http://youtu.be/kZozcEqgKsE 

過去の雑記

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