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マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

法律事務員とは

2005年03月12日 | ②法律事務員(パラリーガル)について
 法律事務員について私の知っていることを書きます。

 法律事務員は,広い意味では,法律事務所で働く弁護士以外の人のことを言います。
 最近は,法律事務所でも,行政書士・司法書士・税理士・公認会計士・弁理士・社会保険労務士等の有資格者も働くことが多くなっていますので,狭い意味でいうと,弁護士の業務の補助を行う人をいうのではないかと思います。
 法律事務員といっても,事務所によっても仕事内容や仕事の態様や制度が異なっていて,弁護士秘書,事務局員,パラリーガル等と色々呼び方があるようです。
 職務内容について,接客・お茶だし・電話番・お使い・郵便管理・コピー・FAX送信・備品管理・掃除等の庶務から事件記録のファイリング・弁護士のスケジュール管理等の弁護士秘書業務,最近では,依頼者からの事情聴取・書面作成・法情報検索等の専門的な仕事(いわゆるパラリーガルとしての仕事)まで様々あります。

 現在において,事務員の主な仕事のは,接客・電話番・ファイリング・郵便管理(郵便の発送や郵便の授受記録をつけること)ではないでしょうか(これらが得意なら,事務所員に向いてます)。
 どこまで事務員にさせるかは,事務所によってまちまちでしょうが,現在では,徐々に専門的な仕事をさせる事務所が増えてきているようです。

 事務員制度については,弁護士一人につく秘書制,秘書制のように弁護士一人専属事務員ではなく,事務局というものを置いている事務局制というものがあります。事務局制といっても,事務員に特定の事件の担当を決める場合は,特に担当者を決めずに事務局全体に補助をさせる場合等いろいろあります。
 秘書制の場合は,弁護士のスケジュール管理や事件内容の把握が比較的しっかりなされることが期待できますが,弁護士と性格が合わないときついですよね(弁護士一人の事務所も同様)。
 事務局制の場合は,弁護士と少々性格が合わなくてもなんとかなります。
 事務局制でのうち,担当者制の場合は,特定の事件については,くわしい内容まで事務員が把握することができますが,他の事件については全くわからないので,代替が困難になります。
 特に担当者制を設けない場合は,事務局全員がすべての事件について広く浅くわかるが,事件の詳しい内容については弁護士がいないとよくわからないことになります。
 弁護士が何十人という大きい事務所では,弁護士数人・事務局数人というチーム制を採り,すべての制度のいい所取りしようとしているところもあるようですね。私の働いている事務所はそれほど大きくないので,具体的にどうなのかはよくわかりませんが。

 事務員にパラリーガルとして専門的な仕事をさせると言っても,書面作成の仕事や交渉等を一任までしてしまうと,いわゆる「非弁行為」(弁護士でないものが弁護士として活動すること),弁護士も事務員も「弁護士法」違反で処罰や懲戒の対象になるので,気をつけないといけません。
このように考えると,結局弁護士は自分の名前でする仕事を自分自身の判断で決定しなければならなくなるので,持てる事件数にも限りが生じ,一事件あたりの単価もどうしても高くなってしまうのでしょうね。

 今後は,司法試験の合格者増員・法律事務の他資格者への門戸開放等の流れから,弁護士の世界も大競争時代になることが予想されます。今後は,事務員の職業内容の多様化・専門化が益々進んでいったりしていくのではないでしょうか。
 従来は事務員を雑用係としか見ていなかった弁護士も多かったようですが,これからは,事務員も弁護士と対等に議論することができるようになっていき,法律事務員の仕事もますます面白くなっていくと思います。
 現に私は,個人の負債整理(破産・個人民事再生・任意整理)や民法・民事訴訟法の基本的な理論的な事項では,弁護士とある程度対等に議論をさせてもらったり,法的観点からの提案・進言,簡単な訴状・準備書面・各種申立書等の法律文書の草案の作成等もさせてもらったりして(もちろん弁護士がチェック・修正を行った上最終意思決定を行っており,上記の非弁行為にならないようにしていました。),非常にやりがいをもって仕事をしていました。

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