弁護士NOBIのぶろぐ

マチ弁が暇なときに,情報提供等行います。(兵庫県川西市の弁護士井上伸のブログです。)

映画って本当にすばらしいですね

2007年03月11日 | ⑫雑談
めずらしく2週間続けて,映画館に行き,映画を観ました。
両方ともたまたまタダ券を手に入れたので,いっただけですが。

先週見たのは,「幸せのちから」です。
前情報なくなんの先入観もなく見たのでですが,映画館に入ったときから眠かったので当然寝るかなと思っていたら,おもしろくて全然眠れませんでした。
実話を元にした,親子愛と努力の話でした。
司法試験受験時代で,勉強をやりまくったり,人に頭を下げまくっていた苦労時代を思い出してしまうなど,泣けました。

とにかく,これは超オススメです。


今週見たのは,周防監督の我々の業界の話題作
「それでもボクはやってない」です(ごくごく一部ネタばれ注意!!)。

ほんとにリアルで,全く映画を見ているような気がしませんでした。
刑事裁判における法曹界の問題や悩みがよく出ていたように思います。
そこから類推すると,おそらく我々があまり見ることがない警察署や検察庁の中の出来事,取調べや監獄の中のこともきっとリアルに再現されているのでしょうね。

特に裁判劇の方は,ごくごく普通に行われていることで司法研修所の作った教材用のビデオを見ているような雰囲気でした。

この映画のいいところは,
①リアルであること,
②刑事司法の問題点や悩みをよく出していること(無罪推定原則の形骸化,裁判所・検察・警察・弁護士の理想と現実のギャップなど),
③主人公が本当にやっているかいないかがはっきりあえてさせず,とにかくやっていないと言い張っている被告人の目を中心に刑事裁判をとらえていることでしょうか。

個人的に一番印象に残ったシーンは,
主人公の友人が居酒屋で,保釈の要件を自慢げに話しているのですが,見事に間違っていたことでしょうか。
(刑事訴訟法60条では「逃亡のおそれ」があることが勾留の要件とされていますが,刑事訴訟法89条では,保釈には「逃亡のおそれ」があるかどうかは関係ないとされています。)
多分わざとなんでしょうね。
しかも弁護士ではなく素人に言わせ,同席している弁護士役の役所さんや瀬戸さんは何も突っ込ませていないのも,微妙な感じがリアルで,面白かったです。

話が変な方向に行きましたが,とにかく
これも是非一度ご覧になる価値がある映画かと思います。

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