古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十九章 山火事に付き願口上控 その二十四

2013年10月31日 07時28分09秒 | 古文書の初歩

「霞ヶ谷山火事ニ付願口上控」第八頁、上の七、八、九行目

 

解読 頼遣し、津呂地近邊 之者ハ不残在蔵江

    かけ付防方取計ハせ

 

読み (呉れ候様に)頼み遣わし、津呂地近辺の者は残らず在蔵へ

    かけつけ防ぎ方取り計らわせ

 

解説 難しい最初の字は「頼」です。次の「遣し」は五行目に出た字と同じ。「頼遣し」・・・「頼む」の丁寧語。困っているので助けて欲しいと頼み込む。 「津呂地」・・・『つろじ』上村の地区名。田並浦に近いところ。 「近邊之者」・・・近辺、『きんぺん』。近くの者。 「不残」・・・よく出る言葉です。「残らず」。 次の字は、町史では「在蔵」と解読していますが、意味が分かりません。「在蔵へ」ですから、地名かとも思われます。人名かも。他の読み方が有れば、教えて下さい。 九行目は解りやすい。最後は「取計はせ」・・・『とりはからわせ』。防火がうまく行く様に取り扱いさせる。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今度のも (敦郎)
2013-11-01 01:42:59
岬のも良かったけど今度のも面白い。こんなんよう見つけてくるのう。
生の文に触れると昔の人がすごく身近に感じられます。
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上村文書について (管理人)
2013-11-01 14:16:54
田並上村文書は、昭和56年に串本町指定文化財として教育委員会が指定し、木箱二箱に入れて所有者の家に保存されています。この度思い切ってその家に見せて貰いに行ったら、無造作に倉庫に置いていて、頼んだら貸してくれて、今家に預かっている状態です。各種文書が、約300点近く有ります。何とか整理したいと思っています。このお宅とどうやら親戚関係になるらしい。
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