WBCスーパーフライ級タイトルマッチ
P4Pナンバー1と見なされていたニカラグアの4階級制覇王者ローマン・ゴンサレス選手(Roman Gonzalez)がタイからのシーサケット・ソー・ルンヴィサイ選手(Wisaksil Wangek)相手にまさかの判定負けを喫した3月の一戦。判定結果に異議の声も多く挙がったこの試合の決着をつけるべくセットされた注目のダイレクトリマッチは米国カリフォルニア州で行われ、シーサケット選手が4回に右で2度ノックダウンを奪った末の4回KOで勝利して両者の因縁に完全なる決着をつけています。
初回慎重なロマゴン選手に対して前戦同様の伸びて強い左ストレートで気負うことなく攻めに出たシーサケット選手。前戦同様に両者のパワー差を感じさせます。2回に入ってロマゴン選手がエンジンをかけ始め、右ストレートリードや左アッパーなどの美しい角度のパンチを次々に見舞うコンビネーションを見せ始めますが、まだまだ様子見といった感じで深追いはしないロマゴン選手。3回も2回同様にいつものコンビネーションでの攻めを繰り出すのですが、この回からシーサケット選手の右フック、そしてボディ攻撃を強く、危険なタイミングで決められる場面が見え始めてロマゴン選手にとって前回以上に苦しい試合になってしまうかも・・と思った3回終了時。結果的にその予感は的中してしまい、4回にシーサケット選手の右フックをカウンターで浴びせられてかなり効いたダウンを喫してしまった場面で勝負は決まってしまいました。
なんとか立ち上がり果敢に打ち合いに応じることでピンチからの脱却を図ったかつての帝王ロマゴン選手でしたが、再び同じ右を同じ形で決められて2度目のダウン。そしてレフェリーが試合を止めた最後でした。
採点結果が論議を呼んだ第1戦でしたが、結果そのものよりも内容の面でシーサケットには自信、ロマゴンには不安が残っていたのかなぁと感じた第2戦。シーサケットはスタミナ配分に気を使いながらも前戦同様の戦い方を貫き、ロマゴンはおっかなびっくりというのは言い過ぎですが手探りの戦い、のように見えたのは考えすぎか。
シーサケットにはパッキャオに次ぐアジアンセンセーションとして(ちと年齢いってますが)アメリカリングで今後も暴れて欲しいです。そしてそのシーサケットを井上がやっつける、みたいになれば最高なんですが・・・
シーサケット選手は43勝(39KO)4敗1分。ロマゴン選手は46勝(38KO)2敗。
Roman Chocolatito Gonzalez vs Srisaket Sor Rungvisai 2 Full Fight HD (Rematch)
ローマン・ゴンサレス対シーサケット・ソー・ルンヴィサイ(2017/03/18)
カルロス・クアドラス対ローマン・ゴンサレス(2016/09/10)
ローマン・ゴンサレス対ブライアン・ビロリア(2015/10/17)
八重樫東対ローマン・ゴンサレス(2014/09/05)
ローマン・ゴンサレス対高山勝成(2009/07/14)
新井田豊対ローマン・ゴンサレス(2008/09/15)
ローマン・ゴンサレス対エリベルト・ゲホン(2007/11/03)
ロマゴンはフライ級時代から、階級を上げた転級当初より減量に余裕のある身体つきであるように見え、また、相対的なパンチ力の優位がなくなっていたにも関わらず、
フライ級での、肉体の変化がないままであったこと。
S・フライ級では、まだ3試合ながら、28R(?)以上も戦いながら、ハードパンチャーの評判とは異なりダウンが一つもない。
ながらも、相変わらず、手数は旺盛、的中率も高い。相手のダメージも確認できる。
というわけで、卓越したテクニックは問題なく、依然と変わらずに通用しているし、相手のダメージも確認できるため、欠けているのは、フジカルトレーニングではないかと。
肉体的な改造に取り組んでいるようには見えない、ってのは、単に見た目の印象ですけどね。
でも、ボクサー全般に対する印象からの判断ではありません。
フィジカルトレーニング=筋トレではないという前提のもとに書きますが、
ボクサーに必要なファンクショナルトレーニングでビルダーのようには筋量は増やせません
さらには十分な高強度トレーニングの経験があるトップアスリートは、
筋量を増やす事に特化したトレーニングをしたところで年間0.9kgから2kg弱しか増えません
ボクサーの体重増が昔よりも容易になった事は事実ですが、
それでも困難には変わりないです
たかが1.7キロでそれはないと思います
30とまだ老けこむ都市では無いけれど若い時から第一線級で戦っていたのでテリーノリスのように衰えるのも早いのかなと
あと相性が悪いのも敗因の1つでしょう
パワー不足に関しては、ロマゴンはおそらくミニマムから上げていくにあたってあまりフィジカルトレーニングをしていないのではないかと思われます
階級アップの際に筋肉をつけずに贅肉で増量しているだけのような印象ですね
ドネアも同じような増量の仕方でした
逆にパッキャオはしっかりフィジカルトレーニングをして体作りをしているんじゃないでしょうか
もし再起をするのであればフィジカルトレーニングをしっかりやりこんでほしいものです
ボクシングはあまり熱心に筋トレをする選手が少ないので階級を上げる選手にはしっかりやってもらいたいですね
右ボディは常識では多少打たせても大丈夫なパンチなので普通は気にしないのになぜか効かされた事で通常のフットワークが封印されてしまったように見えました。
ただ、衝撃的とは言っても、こういった結果を招く予兆は以前からありました。怪物的な強さを誇ったロマゴンの、破竹の勢いが衰え始めたのはフライ級時代からで、KO決着が減り始め、また、ロマゴンの身体付きの弛み、から感じていた人も多いと思います。
よって、やはり、多くが技術的な限界よりも主にフィジカル面に原因を見出すと思うので、フライ級に戻れなどという意見を散見するのも理解できるのですが。
個人的には、ロマゴンの、フィジカルトレーニングの不足にこそ、問題があったのではないかと思います。
単に、サボってたんちゃうんか、と。
ガチガチに肉体改造に取り組めば全然やれるし、危機感なかったんちゃうんか、と。
・・・そうちゃうんちゃうんか、と感じました。
訂正しました。ボケてますね・・
ご指摘感謝です
日付:(2011/09/09)→ (2017/09/09)
戦績:46勝(38KO)1敗 → 46勝(38KO)2敗
引退もある気がします
>TITOさん
エストラーダも良い試合しましたね。対シーサケットも非常に楽しみです。
対ロマゴン戦で見せたような圧倒的なパワーでの優位ってのは失われるような気もしますがロマゴン連覇の勢いでエストラーダ戦をクリアして欲しいです。
>まっからむさん
確かにおっしゃる通りロマゴンの攻撃に巧さは感じられても強さはみえなかったこの日でした。
強い攻撃をまだ出し始める前だったとも言えるかもしれませんが、パワー差が前戦以上に感じられた試合でした。
>さるさん
第1戦でバテさえしなければ大丈夫、との自信を掴んだのでしょうかね。
私にも自信満々に映りました。
シーサケットが全くロマゴンの事を怖がってないように見えました。
田中繊大トレーナーついた選手がことごとく負けてしまってるので
(三浦 亀海 ロマゴン)
田中トレーナーの能力にも個人的に疑問がついてしまう日でした。
ロマゴンは相手を下がらせないとコンビネーションが回転せず、威力も出ませんね。シーサケットはその弱点を見事についたと思います。
凄い雑な感想なのですが、やはりボクシングの体重の壁というのは、非常に残酷なまでに大きいのだなと、もう何度も見てきたことではありつつも改めて、痛感した試合でした。
ロマゴンのボクシングの完成度の高さ、魅力が衰えたというよりも、やはりSフライでは体重の壁があったように思います。
シーサケット対井上は、実現すれば物凄いスリリングな試合になるでしょうが、個人的にはその前にエストラーダとの試合が見たいですね。非常に高度などつきあいになるのでは、と思います。
もうSフライは辞めたほうがいいですね。
元P4Pとしての意地もあるでしょうが耐久力が階級に合ってないでしょう。