ビタリ・クリチコ対ケビン・ジョンソン(2009/12/12)

WBCヘビー級タイトルマッチ

WBCヘビー級王者のビタリ・クリチコ選手(Vitali Klitschko)が無敗の米国人ケビン・ジョンソン選手(Kevin Johnson)の挑戦を受けたタイトルマッチ12回戦はスイスで行われ、ビタリ選手が大差12回判定で勝利して防衛に成功した一戦でした。(体格比較)

ビタリ選手の完勝でした。立ち上がりから終始ディフェンシブな挑戦者に対して長いジャブ、左フック、右ストレートで常に攻め続けたビタリ選手。
ジョンソン選手の相手の攻撃を吸収するような柔軟な肉体とボディワークやパリー、ダック等の巧みな防御技術を前に最後まで決定的なダメージを与える事の出来なかったビタリ選手でしたが、ディフェンス重視にもほどがあるジョンソン選手の姿勢ではポイントの振りようもなく、ジャッジ2名がフルマークと見たビタリ選手の完勝でした。(120-108x2,119-109)

ビタリ選手の右ストレートを良いタイミング・角度でもらうシーンも度々あったジョンソン選手でしたが、その右に自らの右ストレートを最後までカウンターで返していて、ほとんど効いている様子が見えなかったのは驚きでした。柔かい身体でヒット時の衝撃を逃がしているんでしょうか。
軽いもののジョンソン選手のジャブが当たり出し、ビタリ選手の右に対して右を返す攻撃が結構見られた中盤戦。後半にかけてビタリ選手が疲れを見せれば面白くなる、かとも思えたのですが一方的なビタリ選手ペースの流れは最後まで変わりませんでした。
とは言うものの、ジョンソン選手のディフェンシブな姿勢と防御技術を前に攻めあぐねる展開にフラストレーションの募る内容。11回終了後に珍しくエキサイトした様子を見せたり、最終12回に観客に大きくアピールしながらラフな攻勢を仕掛けていったビタリ選手からはイライラがはっきりと伝わってきました。
ジョンソン選手からすればほとんどダメージもなく、してやったりの内容だったのかもしれませんが、この戦いで勝利を得る事は不可能。見ている側としても不満を感じてしまうジョンソン選手の姿勢でした。

CompuBox Punch Stats: Vitali Klitschko-Kevin Johnson


ビタリ選手は39勝(37KO)2敗。ジョンソン選手は23勝(9KO)1敗1分。

Klitschko-Johnson Results(Fightnews)
Vitali Klitschko-Kevin Johnson Early Results/Spoilers(Mark Vester/BoxingScene)
Klitschko forced to go distance in easy win(Chris Iorfida/CBC.ca)

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