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アルフレド・アングロ対ジェームス・カークランド(2011/11/05)

2011-11-06 23:29:08 | ボクシング

スーパーウェルター級12回戦

元暫定王者で強打のSW級ホープ、アルフレド・アングロ選手(Alfredo Angulo)と、こちらも強打で鳴らす元ランカー、ジェームス・カークランド選手(James Kirkland)とが激突する12回戦はアングロ選手の地元メキシコで行われ、ダウン応酬の激しい攻防の末にカークランド選手が6回TKOで勝利する番狂わせとなっています。(体格比較)

ともに強打を売りにするホープ同志ですが、カークランド選手は収監による長期ブランクから復帰間もない4月に喫した初回KO負けの惨敗のイメージが強く、まだまだコンディションが戻りきっていないこの時点でアングロを相手にするというのは無謀にも思えた試合前。その戦前の見方通りの展開で試合はスタートしていきました。
試合開始から左ストレート、左アッパーで一気に出るいつも通りのカークランド選手の立ち上がり。アングロ選手がスローな選手だというのもあってかカークランド選手の左の攻撃や右フックはシャープに見えたのですが、初回開始30秒ほどのところでアングロ選手の右フックを浴びてカークランド選手がノックダウンを喫してしまいます。
攻め込んで押し込んで行くもののがら空きのディフェンスを突かれてまともに食ってダウン、という4月の石田選手との一戦のリプレイを見るようなダウンシーンで、試合再開後もアングロ選手の左右フック、右ストレートの追撃を浴びせられて足取りがしどろもどろになったカークランド選手が早晩ストップされてしまうと誰もが思った場面でした。
しかし必死に凌ぐカークランド選手が粘ると、一気に手数を集めたアングロ選手の息が上がってしまった感じでその攻撃がよりスローによりラフになってしまいます。フィニッシュを狙って一気に出ていた時に返されたカークランド選手の左アッパーや左ストレートの効果もあったのか、急激にスローダウンしたアングロ選手に対して息を吹き返したカークランド選手が左強打、右フックを次々に決めて初回終了間際にダウンを奪い返して見せます。

アングロ選手のダメージと疲労は深刻で、以降もともとスローな動きがさらに落ちてヘロヘロ。カークランド選手も明らかにオーバーペースからの疲労でなかなか詰め切れないのですが、3回から見せた右ジャブを効果的に使う「ボクシング」も非常に有効で、ペースを確実に掌握しながら左ストレート・アッパーと右フックの強打でアングロ選手の体力を着実に削っていき、6回開始早々の連続攻撃でストップを呼び込む見事な逆転勝利でした。

手放しで喜べる勝利ではありませんが、この大味さこそがカークランドの真骨頂。大博打にも思えたこの試合を勝ち抜いたことを糧に今後も頑張ってもらいたいです。一方アングロ選手にとっては大きく価値と評価を落とした試合だったでしょうか。勝ち負けそのものよりも試合内容が悪すぎました。

CompuBox Stats: Kirkland Overwhelms Angulo in Power


カークランド選手は30勝(27KO)1敗。アングロ選手は20勝(17KO)2敗。



KIRKLAND STOPS ANGULO AFTER SIX IN ACTION-PACKED BARNBURNE(Ben Thompson/Fight Hype)
James Kirkland Stops Alfredo Angulo in a Classic War(BoxingScene)
Kirkland stops Angulo in sixth round of a thriller(Doug Fischer/Ringtv)
5 things we learned from Kirkland-Angulo(Michael Woods/ESPN)
写真
Photos: Kirkland and Angulo Wage a War in Cancun(BoxingScene)
Kirkland stops Angulo(Roberto Fernandez/Fightnews)

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5 コメント

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予想外 (まっからむ)
2011-11-06 23:42:47
共にザルディフェンスながら、タフネスの差で圧倒的にアングロ有利だと思ってました。
ますます石田の快挙が再認識される気がしますね。
とは言え、カークランドは世界には届かない気がします。
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Unknown (Unknown)
2011-11-07 00:33:44
これを番狂わせというのはちょっとカークランドに気の毒な気がします。
どちらの勝ちもありうると思っていましたが、消耗戦を勝ち抜いたのはカークランドでしたね。

一昔前のバルガスみたいなポジションについてくれるんじゃないかと思ってます。
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番狂わせ (Unknown)
2011-11-07 02:22:47
個人的にはアングロがswでトップだと思っていたので、この結果には驚いています。
一時期のマルガリートのようなタフさに加えハードパンチャー、さらに動きは遅いながらもコンパクトなパンチを打てるアングロ。打ち合いになれば勝てる選手はいないと思っていたんですが…
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Unknown (管理人)
2011-11-07 19:55:48
>まっからむさん
グティエレス戦やシントロン戦で効いた場面も見せていたアングロでしたが、タフなのは間違いなく、将来的にマルガリート2世みたいになるんだろうか、とか思ってたんでこの日のこの負け方には驚きました。
カークランドにとってこの勝利は石田戦で失った地位というか立ち位置を一気に挽回したものだったのは確かだと思うのですが、陣営にはもう少し時間を掛けて勝負の時に備えてもらいたいと個人的には感じています。
相手次第ではチャンスもあると思っています。

>Unknownさん
収監前ならそうでしょうが、復帰後のカークランドの戦いぶりをみていればこの日の勝利は番狂わせ以外のなにものでもない、と私には思えます。

>Unknownさん
コット、カネロアルバレス・・・
地味ながらも実力あるモリナ、ポール・ウィリアムスにララ。
こうしてみると、実力で一枚抜ける核となる存在に欠ける現状ですね。
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Unknown (リゴンドー)
2011-11-12 19:27:14
収監前にはフリオと打ち合って、降参させてますからね。
そこから考えるとたしかにそう番狂わせではないんですが、なにしろ復帰後は悪すぎました。
故に、「驚きの」結果です。
1R、ダウンしたところで「あー終わった」と思ったんですが、いやほんと、ボクシングはやってみないとわかりませんね。
2R以降の意外に冷静で器用な戦い方といい、化ける可能性もあるかも??
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