既に新しい年が開けてしまったのですが、毎年恒例の海外記事を全面的にパクった振り返りをやっておきたいと思います。
今年も見逃した試合が非常に多くHDDにどんどん試合がたまる一方で、新しい顔の発掘とか全然出来ず反省しきりであります。主要な試合でもまだ見ていない試合がとても多い中、ボクシング界を振り返ろうってのに無理があるのは承知の上で、形だけでも一応やっておきます。
●MVP:アンドレ・ウォード
ノニト・ドネア選手と非常に迷いましたが、スーパー6を参加すべての試合で完勝し制覇、というのを評価したいです。
彼が次世代のスターなのかというのには大いに疑問あるのですが、誰が一体彼に勝てるのかを想像した時にそれが今最も難しい選手がウォードというのは言えるかも。
ウォードを選び、そしてこれを書いている今もまだドネア・・・とか迷っているのも事実で、それだけに突出した活躍を見せた選手に欠けた年だった、というのが言えるのかもしれません。
アンドレ・ウォード対カール・フロッチ(2011/12/17)
アンドレ・ウォード対アーサー・アブラハム(2011/05/14)
他にも、バナード・ホプキンス選手の史上最年長王座獲得、アルセ選手の4階級そして5階級制覇などもあった年でした。
2011 fighter of the year: Andre Ward(Dan Rafael/ESPN)
●FOTY最高試合:ノニト・ドネア TKO2 フェルナンド・モンティエル
バンタム級の頂点を決する一戦として、両者に対する期待がピークに達した時点でセットされた、まさに好カード中の好カード。緊迫した息詰まるような攻防の末の鮮烈なフィニッシュ。パッキャオの超人伝説が崩壊した今、フィリピン人ボクサーとしての後継者だけではなく、ボクシング界全体を担うスターという意味での後継者なのかも、とすら思えたドネアのこのパフォーマンスを今年の最高試合に選びたいです。
他の試合ではESPNのダン・ラファエルさんが選定した八重樫対ポンサワン戦をまだ見てない、というのが痛すぎるのですが、アルセ対バスケスJr、デマルコ対リナレスなんかも印象に残った好ファイトでした。あと個人的にはアルバラード対プレスコットも非常に良かったです。
Fight of year: Yaegashi-Porpramook(Dan Rafael/ESPN)
ルイス・コンセプション対アーナン・マルケス(2011/04/02)
パウエル・ウォラック対デルビン・ロドリゲス(2011/07/15)
アンドレ・ベルト対ビクトル・オルティス(2011/04/16)
マルコス・マイダナ対エリック・モラレス(2011/04/09)
ミゲル・アコスタ対ブランドン・リオス(2011/02/26)
アルフレド・アングロ対ジェームス・カークランド(2011/11/05)
アミア・カーン対ラモン・ピーターソン(2011/12/10)
ファン・マヌエル・ロペス対オルランド・サリド(2011/04/16)
Francisco Arce W12 Hugo Ruiz I
Nathan Cleverly W12 Tony Bellew
Teon Kennedy W12 Jorge Diaz
●controversial
今年はこの言葉をよく見た年だった気がします。
不可解な判定結果(ララ対ウィリアムス、チゾラ対ヘレニウス)、マレス対アグベコ1での度重なるマレスのローブローと理解に苦しむレフェリング、そしてメイウェザーの不意打ちKO、ホプキンス対ドーソンでのわけわからん終わり方、などなどハプニング的な結末、それもファンにとっては不幸な形での決着という試合がより目立った印象。
論議を呼んだ、という意味ではパックマルケス3も代表格かもしれません。
CompuBox Reviews The Worst Boxing Decisions in 2011
Round by Round ウィリアムス対ララ
Round by Round パッキャオ対マルケス3
●番狂わせ
昨年は番狂わせの多かった年・・・・と毎年言ってる気がして、番狂わせってのは毎年必ずあるものなのかもしれません。
そんな中印象に残っているのは、年末のカーン選手の陥落劇、ファンマ選手のストップ負けによる王座陥落あたりが代表格でしょうか。
日本の石田選手がカークランドを初回でストップした試合や、そのカークランドがアングロを食った試合、ホープのフェルナンド・ゲレロがTKO負けした試合、モンティエルの敗北、などなど色々ありました。
あとパックマルケス3の試合終了から判定のコールを待つ時は超弩級の番狂わせが起きてしまった・・・とか思ったものでした。
アミア・カーン対ラモン・ピーターソン(2011/12/10)
ファン・マヌエル・ロペス対オルランド・サリド(2011/04/16)
ジェームス・カークランド対石田順裕(2011/04/09)
アルフレド・アングロ対ジェームス・カークランド(2011/11/05)
フェルナンド・ゲレロ対グレイディ・ブリューワー(2011/06/17)
フェルナンド・モンティエル対ビクトル・テラサス(2011/11/19)
●訃報
ジョー・フレージャー、ロン・ライル、ライオネル・ローズ、そしてヘナロ・エルナンデス。一覧で見ると他にも本当に多くのボクシング関係者が亡くなっています。これも毎年必ずそうなんですが…(2011 Deaths)
合掌。
この他にも、西岡選手をはじめとする日本人選手たちの活躍やアルセの5階級、モラレスの4階級制覇、あたりについても色々書こうかとも思ったのですがちかれたのでやめておきます。
上にも少し書きましたが、今年はコレ!と言える選手、これしかない!と言える試合が個人的にはなかった印象。決して不作の年だったとは思いませんし、例年通り面白い試合がいっぱいあったんですけれど。
今年一番の出来事ってなんだったんだろうと色々考えた末の私の結論は、パッキャオ超人伝説の崩壊。マルケスとの第3戦についての論議は当ブログでもし尽くした感があって蒸し返すつもりは毛頭ないのですが(正直おなかいっぱい)、それでもやっぱりパッキャオが苦しみに苦しみ抜いた試合だった、というのは誰もが認めるところなのでないでしょうか。
2012年もパッキャオ、メイウェザーを軸に動くのか、あるいはドネアやマルチネス、ウォード、カネロ・アルバレスらの新世代が新しい時代を創っていくのか(マルチネスは年齢食ってますが)、はたまた予想しない顔が台頭していくことになるのか・・・・?
今年も十二分に堪能できそうであります。
2010年を振り返る
2009年を振り返る
2008年を振り返る
2007年を振り返る
2006年最高選手(byESPN)
あのラファエルに日本人が勝つ日が来るなんて思ってもみなかったので。
今年は他の日本人選手が西岡に続いてほしいです。
個人的には去年の印象は内山選手がイチオシです。やっぱり日本人なんで(笑)
今年もブログ、更新して頂ければ有り難いです。
管理人さんにとって良い年でありますように・・・
私の中で今も納得いかないのが、パッキャオvsマルケスの試合です。
友人たちと見ていたのですが、「パッキャオの試合はパッキャオが負けてもいい試合になるよね!」とパッキャオの負けを前提にした会話をしていたのを覚えています。
結果が出たときには「え~!」とみんなで大声
を出しました(笑)
ネットやブログでみんなの意見を聞いて思った以上にパッキャオが完敗だったという声が多かったのに自分のジャッジセンスに自身を持ちました(爆)
自分は4回目があったとしても、パッキャオが判定で勝つと思います。
今回のような内容で・・・(いやみ)
事実3回戦って3回ともマルケスが勝っていたと思いますから(笑)
やはりボクシングの中心、アメリカが盛り上がって欲しいです。
そのスター選手のボクシングスタイルは、つまらない試合をする選手ではなく
マルケス弟のような
中間距離での打ち合いを好む選手が、出てきて欲しいです。
まぁ、8割方パックのせいではないかと笑。マルケス大好きな私でも
パックが快勝しなかったことに何故かもやっとしたものを感じました。
恐らくこの今現在、パックとメイを頂点とした時代は、最後のページをめくるだけの筈なんですが、
それが進まないことへのもどかしさが続きっぱなしの一年だった気がします。
いい加減今年こそは大円団を迎えてほしいというか、最終回をみたいですね…。
日本は大変な一年でしたが、殊ボクシング界に関しては
西岡選手の勝利を始め、充実した一年だったと思います。今年も続いてほしいです。
管理人さんにも良い一年になりますよう、お祈り申し上げます。
西岡選手だけでなく、下田選手も敗れはしましたが本場のリングに登りましたし、石田選手の快挙もありました。
彼らに続く選手が少しづつ増えていく、という流れになっていくと楽しみが増えるのは確かなので期待したいです。
>dkさん
ありがとうございます。
最後の最後で見せたあのパフォーマンスですからね。インパクトは最大級だと私も思います。
>ぱたおさん
パックマルケス3、どちらが勝者に相応しいのか。それはマルケス、というのは試合終了時から今まで全く揺らがない私の考えです。
ただ試合終了時はすごくモヤモヤしたものでしたが、その後色々検証してみて試合結果については自分なりの決着をつけて今は納得しています。
>通りすがりさん
米国人のトップ選手、というとメイ、ホプキンス、ウォード、ブラッドリーとかですからねぇ。
確かにエキサイティグなスタイルの米国人トップ選手ってのはいない現状なのかもしれません。
>TITOさん
ありがとうございます。
パックとメイ、どうなるのかサッパリ読めませんが今年こそは何らかの形でケリをつけて欲しいものです。
マルケスより大型の選手を倒してきて、スピードも段違いのはずだったんですが敗戦理由を分析できてる人はあまりいないと思います。
マルケスはパッキャオのパンチを読める、というのが大きいんじゃないでしょうか。
初戦で3度ダウン食ったマルケスでしたが、スタートの攻防を見るにパックの左は見えていたように感じました。(見えていて読めていたけれども食って効かされてしまった、異常に伸びるパックの左てなことかと)
24ラウンズ戦って、パックのパンチの強さや伸びの異常さなんかを身体で覚えたというのも大きいでしょう。
パックの近年の対戦相手全てが口をそろえて言っていた、パンチが見えない、ということがマルケスにはなかったんだと思います。
具体的にどうなのかはマルケス本人に聞かないとわかりませんが、ちょっとした肩の筋肉の動きだとか、息遣いの変化、目線、なんかを見てパンチが来ると本能的にわかるんでしょう、たぶん。
そういった意味で言うとパックがマルケスを苦手としている、というよりもマルケスがパックを得意としているとも言えるかも。