
WBC・WBAウェルター級タイトルマッチ
38歳のP4Pキング、フロイド・メイウェザーJr選手(Floyd Mayweather Jr)が元王者のアンドレ・ベルト選手(Andre Berto)の挑戦を受けたタイトルマッチは米国ネバダ州ラスベガスで行われ、メイ選手が12回3-0の判定で勝利し全勝のレコードを守っています。
ラストファイトだと公言していたメイ選手。スタートからシャープなジャブを上下に突き刺してペースをいつも通りコントロール。
ベルト選手もなんとかしようともがくのですが、メイ選手の鋭い右クロスや左フック、そしてジャブを決められ続け、そして自らの攻撃はほぼ全て空を切らされるラウンドを重ねる。これまでのメイ選手の試合でいつも見られた光景がこの日もまた、何事もなかったように繰り広げられた12ラウンズでした。
公式のスコアは117-111、118-110、120-108の3-0メイ。シロート採点120-108メイ。
リターンで返したフック気味の左ジャブを決めたシーンや、7回終了間際に決めた顔面への左フック、のような場面も演出したベルト選手でしたが、戦前の予想通り役者の違いを見せつけられ続けた12ラウンズでした。
メイ選手は本当にいつも通り。ロープを背にしたまったくのゼロ距離の密着状態からマジックのように右左を決め、そして体位を入れ替える。ベルトの左ジャブでの突進をスイスイスイと3発外し、すかさず左フックをスパッと返す。というようなメイにしか出せない動きは確かに見せてはくれましたが、最後の試合ぐらいは、ベルト相手なんだから、と観客が期待する倒しに行く姿勢ってのはナシ。
最終ラウンドに右アッパーを決めてベルトをトラブルに陥れノックダウンを奪う大きなチャンスが続く中、ラウンド終了10秒前の拍子木が鳴った瞬間ファイトを放棄した姿を見て、メイにそんなものを求めるのが間違っていた、こうだからメイなんだ。悪い意味でなくそう感じた最後の場面でした。
メイ選手は49勝(26KO)。ボクサーの引退宣言ほど信用できないものはないのですが、メイはすでに38歳。ハットン戦ののち一度引退した時は1年9か月のブランクを作ったメイ選手で、仮に次復帰するとすると40歳オーバーあるいは40間近という年齢になっているはず。この日の試合終了時のアクションやインタビューなんかを見てもその本気度は高いように思えます。・・・それでもボクサーの引退宣言ほど信用できないものはないですが。
ベルト選手は30勝(24KO)4敗。
Floyd Mayweather vs Andre Berto 🇺🇸 September 12, 2015 MGM Grand, Las Vegas, Nevada, USA
複数階級制覇
スタッツ メイ&パック
フロイド・メイウェザーJr対マニー・パッキャオ(2015/05/02)
フロイド・メイウェザーJr対マルコス・マイダナ(2014/09/13)
フロイド・メイウェザーJr対マルコス・マイダナ(2014/05/03)
フロイド・メイウェザーJr対サウル・アルバレス(2013/09/14)
フロイド・メイウェザーJr対ロバート・ゲレロ(2013/05/04)
ミゲル・コット対フロイド・メイウェザーJr(2012/05/05)
ビクトル・オルティス対フロイド・メイウェザーJr(2011/09/17)
フロイド・メイウェザーJr対シェーン・モズリー(2010/05/01)
フロイド・メイウェザーJr対ファン・マヌエル・マルケス(2009/09/19)
フロイド・メイウェザーJr対リッキー・ハットン(2007/12/8)
Round by Round デラホーヤ対メイウェザー
オスカー・デラホーヤ対フロイド・メイウェザー(2007/05/05)
カルロス・バルドミール対フロイド・メイウェザー(2006/11/04)
ザブ・ジュダー対フロイド・メイウェザー(2006/04/08)
フロイド・メイウェザーJr対デマーカス・コーリー(2004/05/22)
アンドレ・ベルト対スティーブ・アップショー(2014/09/06)
アンドレ・ベルト対ヘスス・ソト・カラス(2013/07/27)
ロバート・ゲレロ対アンドレ・ベルト(2012/11/24)
ジャン・ザベック対アンドレ・ベルト(2011/09/03)
アンドレ・ベルト対ビクトル・オルティス(2011/04/16)
アンドレ・ベルト対フレディ・ヘルナンデス(2010/11/27)
アンドレ・ベルト対カルロス・キンタナ(2010/04/10)
アンドレ・ベルト対ファン・ウランゴ(2009/05/30)
アンドレ・ベルト対ルイス・コラーゾ(2009/01/17)
アンドレ・ベルト対スティーブ・フォーブス(2008/09/27)
アンドレ・ベルト対ミゲル・アンヘル・ロドリゲス(2008/06/21)
アンドレ・ベルト対マイケル・トラバント(2008/02/09)
アンドレ・ベルト対デビッド・エストラーダ(2007/09/27)
アンドレ・ベルト対コスメ・リベラ(2007/07/27)
アンドレ・ベルト対マルチナス・クレイ(2007/05/19)
アンドレ・ベルト対ニト・ブラボー(2007/02/17)
アンドレ・ベルト対ミゲル・フィゲロア(2006/12/09)
最後にベルトってどうなんだとも思いましたが他に戦う相手もいないし仕方ないのかもしれないですね
歳を取ればきついタイプだと思ってました。
今見返しても凄い。
全盛期デラホーヤ
全盛期無敗時ハットン
無敗のサウルアルバレス ミドルまで制したコット そして時代の怪物だったパッキャオ等々
他の対戦相手も一線級ばかり。
特に無敗の連中は当事その階級最強で勢いのあったやつばかり。
批判も多いですが改めて振り返るともの凄まじい対戦経歴ですよ。
ゴロフキンやホプキンスとやれだ逃げたなんて批判は頭がおかしいとしか言い様がないと思いますね。
階級考えろと(笑)
まあそれだけ突出しすぎてはるか上の怪物王者を引き合いに出さなければ相手がいないのが現実なんですけれども。
まあ私も信用してませんがとりあえず今までお疲れさまでした&ありがとうと言っておきます(笑)
同感です。
>Unknownさん
戦う相手がもういないというのは確かにその通りなんですが、ベルトを選ぶのならサーマンとかブルックのほうがまだマシだった気がします。カーンでも
>Kさん
年齢、階級が上がったことでの変化や失われたものってのは当然メイにもあるわけですが、それでも瞬間的なスピードをここまで維持できているというのは驚異的ですよね。
>クワッさん
デラホーヤ、パッキャオ、ジュダー、コット、モズリー、そしてヘナロやコラレス
メイの対戦相手の名前の豪華さといったらないですし、そのパフォーマンスの素晴らしさ、傑出度は誰もが認めるところだと思います。
ただし、マッチメイクが批判に晒されるのはしょうがないという面があると私は思っています。
試合の成立にメイの意向のみが反映されているとは考えていませんが、パッキャオとはもっと早い時期にやるべきタイミングがあったと思いますし
コットやモズリーなんかもそう思えます。対デラは両者の立場、立ち位置的にあのタイミングにならざるを得なかったという面があって、結果的にベストのタイミングだったとも言えなくもないですが、あの時のデラが全盛期だと考えている人は少数派だと思います。
再起戦の相手にマルケスを選んだ時なんかは耳を疑いましたし、マルガリートやポールウィリアムスらが王者時代に戦うべきでもあった、とは当時から感じたりもしました。
メイに勝てる選手はいないと随分前から考えていますし、私が望む(望んだ)タイミングで対パック戦や対マルガリ、対ウィリアムス、対コット、対モズリーなどなどが実現していたとしてもメイが勝っていたと想像しますが、
それを実際に見せて欲しかった、見せてはくれなかったとの思いは残ります。
だからこそ対カネロ戦が決定した時の興奮は大きかったです。
私的には、上記のいずれの選手に対しても、メイが有利だと思ってますが、メイは勝つ可能性が90%以上あると踏んだ相手としか戦わなかったように思えます。
ゴロフキンなんて適正階級が全然違うので、やって欲しいとは全然思いませんが、ケルブルックかサーマンのどっちかとはやって欲しかったな、と思います。
メイウェザーは今までの集大成のパフォーマンスで、ガッティ戦のようなボディ打ちも見れて良かったです。
ベルトの負けた相手を考えてもメイが苦戦すらするとは考えにくく、ゲレロとオルティスは実際に圧倒していますし。
最後の対戦相手にはサーマンがよかったかなと。
メイが負けるとは考えにくいですが次はお前だとレッスンする姿が見たかったです。
ダメージを残さず健康なまま引退する、しかも全勝のまま。
素晴らしいことだと思います。
タッチボクシングショー。
相手をねじ伏せようなどとはついぞ思わないその姿勢は、正直大嫌いでした。
私はボクシングはスポーツではなく、格闘技としてみているんだと思います。
故にメイウェザーの引退は非常に喜ばしいです。