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Round by Round デラホーヤ対メイウェザー

2013-09-14 20:14:44 | R by R

2007年5月5日にラスベガスMGMグランドで行われたデラホーヤ対メイウェザー戦を久々に見て振り返ってみたいと思います。
メイウェザーが苦戦した、と言われる試合の1つですね。
キャリアで18試合の判定勝ちがあるメイにとって、唯一ユナニマスの支持を得ることが出来なかった判定試合でもあります。公式にメイの負けと見た見方がある唯一のケースとも言い換えられるでしょうか。もっと苦しんだ対カスティーヨ1も実は3-0メイ勝利でした。

またこの試合はメイのキャリアで2試合あるスーパーウェルター級での試合の1つであり、初めてSW級で戦った試合でもありました。(もう1つは対コット戦)


以下の4媒体5氏のスコアとオフィシャルのスコアを載せつつラウンド毎に振り返ります
HBOのスコア
Round-by-round(Kevin Iole/Yahoo! Sports)
De La Hoya-Mayweather: Round-by-round(Dan Rafael,Kieran Mulvaney/ESPN)
De La Hoya-Mayweather Superfight(Chris Mannix/SI.com)



round1

デラホーヤが右を打ち込み左フックボディ連打を見舞ったシーンで観衆を大いに沸かせたが、このラウンドはプレスは掛けるものの手は出さず様子見に終始したデラ。
一方左ジャブ、左フックのリードをコンスタントに放ち、接近戦で当てた&リード気味に出しデラのブロックの間を割って当てた右2発も決めたメイが明白に押さえたラウンド。シロート採点10-9メイ。


メイが明白に押えたと私には見えたが、メディア5名のうち2氏がデラのラウンドとスコアしている。最終的にデラ勝利と見たオフィシャルのチャック・ジャンパ氏はメイ。
compuboxのスタッツではデラホーヤが26発中3発ヒット、メイが35発中7発ヒット。



round2

このラウンド開始早々から出し始めたデラホーヤのジャブがなかなか良い。観衆が沸く距離を詰めてからの右や左フックなどはまともなヒットは皆無で効果も全く感じられないが、リードとして、またはリターンで放つ左ジャブが意外なほどにメイの顔面にヒット。
デラのジャブを食ってはいるものの反応はできているメイで、ダメージがどうこうという類のヒットではないが確実にメイにとって邪魔になっている左ジャブだった。シロート採点10-9デラ(19-19)



このラウンドはデラのもので間違いなかったか。オフィシャル、メディアすべてがデラのラウンドとしている。
スタッツはデラが53発中15発ヒット、メイが32発中14発ヒット。


round3

デラホーヤが出てくるところに右ショートをヒットさせたメイだったが、それでも構わず出たデラがボディブローの連打でメイをロープに追い詰める。ここで集めた連打中の左ストレートでメイの顔面をのけ反らせる場面も。この最初の1分間はデラのプレッシャーがペースを圧倒。
しかしペースを圧倒とは言うものの効果的なヒット自体は数少なかったデラの攻勢。残りの2分ではプレスは掛けるものの手が出ず(出さず?)メイの下がりながらも正確に当てていた左ジャブや右ストレートリードがペースを引き寄せる。ボディジャブも効果的に見えた。
どちらの攻めを取るかで分かれるラウンドだろう。シロート採点10-9メイ(メイ29-18デラ)



メディア5氏、オフィシャル3氏の間でほぼ真っ二つに割れたラウンド。スタッツではデラが10/47、メイが17/40。ヒット自体の数はメイがリードしているがラウンド前半のデラの攻めの有効度をとればデラのラウンドという見方は十分説得力を得る。



round4

ラウンド開始早々に左フックを浅いながらもヒットさせ、ラッシュを見せたデラホーヤ。ラウンド途中にはメイをロープに詰めて左フックのボディブロー9連打を見舞うなどの攻勢を見せるが、的確なヒットをなかなか奪えない状況は依然として続く。
対するメイは、左ジャブ・フックなどの単発リードだけではなく左フック右ストレート、左ジャブ右ストレートなどのコンビも出始めて攻撃のリズムをつかみ始めているように映る。要所で浴びせるリードの右フックなんかも効果的だった。ただこちらも多くの攻めはデラのブロックに阻まれていたというのも事実ではあった。シロート採点メイ10-9(メイ39-37デラ)


上述のボディ9連打に象徴される、メイをロープに詰めて連打・ラッシュを見舞うデラの攻撃の有効度をどう取るか、ってのが問われたラウンドだったのかも。HBOの実況席でもその効果について意見が分かれていた。
メディア・オフィシャルともにこのラウンドのデラの攻勢は効果的だったと見ていたということになるのだろうか。


round5

前のラウンドから見せはじめた左フック右ストレートのワンツーに加えて左アッパー始動のワンツーも出し、デラホーヤの前進をコントロールするメイ。強い右ストレートが入る場面が何度かあって、明らかにメイがおさえたラウンド。
デラホーヤがメイをロープに押し込んでラッシュを仕掛けようとした時に、軽く合わせた右でデラの膝が一瞬落ちかける、なんて風に見えた場面も。
メイ10-9(メイ49-46デラ)


このラウンドはメイのラウンドで文句なしだろうか。パワーパンチのヒット/手数で、デラ9/37、メイ21/37というスタッツ上でもメイが圧倒していた。


round6

メイがこのラウンドも単発のリードでデラの出鼻を叩いていく。接近してからの左右連打をデラが見舞う場面はこのラウンドも見せるが相変わらず効果は薄いものに見える。唯一ボディ攻撃はヒットしていると言えるものだが、メイの右フックボディブローや上から下へ返したダブルの左フックなどの方のボディ攻撃の方が効果的に映る。
ただこの回はデラの鋭い左ジャブがクリーンに何発か入り、また強い右クロスを決める場面もあった。シロート採点10-9メイ(メイ59-55デラ)だが、デラホーヤが良い流れを作り出していたとも取れるラウンドだった。(もちろんデラに振る見方もあっただろう)

メディア5名の見方は割れている。オフィシャル3氏の見方は一致しているが、たまたまそうだったというだけで見方の割れるラウンドだったのではないだろうか。


round7

デラの左ジャブが浅いながらもよくヒットしていた。メイの肩や胸を突く左ジャブでコーナーまで追い詰め、上下へのコンビネーションを見舞うあたりの攻めは上手い。メイが素晴らしい右フックのボディブローを決める、なんて場面もあったが、ラウンドを通じて効果的だったデラの左ジャブが確実に押えたラウンドだったと見る。デラ10-9(メイ68-65デラ)

このラウンドはデラで間違いないと思えたラウンドだったが、メディア5氏のうち2氏がメイのラウンドとスコア。
スタッツはデラ18/59、メイ17/31。


round8

デラホーヤの左ジャブがこのラウンドも良い。メイが反応してスウェーするところを追いついて当たり、結果的にメイが大きく仰け反る、なんてシーンも演出(効果は疑問だが)。ただ前のラウンドはデラの左ジャブ始動のプレッシャーに対して無理をしなかった様に見えたメイがこのラウンドではリスクを犯して対抗していたラウンドでもあった。鋭い左アッパー・左フックからの右ストレートや左ジャブでのメイの反撃も数は少ないが効果的に映った。
シロート採点デラ10-9(メイ77-75デラ)

デラホーヤが上手くポイントをピックアップしたように思えたラウンドだったが、オフィシャル・メディア共にその見方は少数派だった模様でこれは個人的に意外。
スタッツではデラ14/68、メイ20/35。相変わらずメイの効率の良い攻撃がスタッツ上では際立っている。


round9

このラウンドもデラの左ジャブは良い。意外なほどにメイの顔面をキャッチする場面が散見される。ただ、このラウンドはメイの正確なショットが上回ったラウンドだっただろうか。特にボディジャブ始動のワンツーが効果的に映る。メイが右ストレートリードやワンツー、左フックなどをテンポよく繰り出すとハンドスピードの差を見せつけられる感じでデラは苦しい。シロート採点メイ10-9(メイ87-84デラ)

オフィシャルとメディアのうち1人がデラのラウンドとスコア。デラの左ジャブからのプレッシャー、距離を詰めてからのラッシュ攻撃に分があるとみたということだろうか。


round10

デラが前には出るが、メイの軽く刻むフットワーク・ステップワークを追い切れない場面が目立ったラウンド。デラの出鼻をうまく挫くメイの右ストレートや左ジャブがヒットしていた。メイのショットが目立った、というよりもデラにこれまでのラウンドのような左ジャブとプレスの効果が感じられず結果的にメイのラウンドといった感じか。シロート採点メイ10-9(97-93メイ)

このラウンドでもデラのラウンド、という見方が少ないながらもいる。確かにメイの優位がはっきりしていたかと言わればそれは違うのだが。
スタッツはデラ7/62、メイ20/44。


round11

ラウンド開始早々に訪れた両者が密着した場面。ここで決めたメイの左フックボディブローがちょっと効いたようにも見えたデラで、以降メイの上下に散らす左ジャブリード、そこから繋ぐツーでの右ストレートが高いヒット率でデラをキャッチしていく。ラウンド終了間際に右ストレートを決めたデラだがラウンドを通じてメイが明白に支配。シロート採点メイ10-9(メイ107-102デラ)

メディア・オフィシャルの全てがメイとスコア。これは5ラウンド目に続いて2つ目。スタッツはデラ8/47、メイ26/64。ヒットでメイがリードというのはほぼ毎ラウンド同じだが手数でもメイがリードしていたラウンド。ヒットは3倍強、手数は1.3培。


round12

このラウンドもメイの的確なショットがデラの前進をコントロール仕切っていたように私には見えたラウンド。左フックや左ジャブを上下に散らし、右をストレート、フックで見舞っていくメイ。この回もデラがラウンド終了間際に仕掛けたラッシュの場面で右フックを結構強く当てたりもしたが。
シロート採点メイ10-9(メイ117-111デラ)

見方が割れたラウンドだったのだろうか。デラホーヤ支持が5名、メイ支持が3名。この回をデラに振るのなら7回なんかは確実にデラだろう、とか思うがまぁそれは良いか。



最終結果はメディア5名はいずれもメイ勝利、オフィシャルでは1名がデラ勝利を支持。

8名の支持すべてを受けたラウンド、メイ=2、デラ=1
6名の支持を受けたラウンド、メイ=5、デラ=1
ということで6名以上の支持を受けたラウンドの数でメイ7、デラ2。


改めて試合を見なおしてみて
デラがメイをロープに詰めて連打を見舞う、ってなシーンはこの試合に限って言えば採点上逆効果にも見えました。闇雲にパンチを振るうもののヒットが極端に少なく、デラの効果を伴わない攻勢、メイの卓越した防御技術ってのがより際立っていた、
そして、デラが採点上で意外に食い下がれた要因は接近戦での連打攻撃ではなく、正確な左ジャブ、左フックを当ててからのプレッシャーが機能していたから
だと私の目には映った試合でした。






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4 コメント

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Unknown (G)
2013-09-14 21:40:01
私は1ラウンドはデラホーヤが取ってた派です。
コーナーに詰めたときのラッシュが皮膚にグローブがかすっていたと感じたのでヒッティング扱いで見てました。
Unknown (Unknown)
2013-09-15 00:06:14
私は真逆ですね。
メイウェザーの完勝に見えましたが、試合後に「デラホーヤが勝っていた!」という人たちが非常に多かったので、自分の採点基準がおかしいのかな?と考えさせられた試合でした。
当時、ロマンサさんのブログにも似たようなコメントをした記憶があります。
Unknown (管理人)
2013-09-15 09:19:22
>Gさん
そういう見方の人が少なくなかった、ってのは事実かもしれません。

>Unknownさん
当時の記事を見てもらえばわかると思いますが私にとってもこの試合はメイの完勝でした。
スプリットだったこともあってか、メイが苦戦した試合として当然のように語られているのを見て改めて見直してみた次第でした。
細かい部分は忘れてしまっていましたし、改めて見ればやはりメイの苦戦という風に感じるかもしれないとの思いもありました。
ただ今回見なおしてみてもやはりメイの完勝、ってのは変わりませんでした。

デラの勝ちという見方が多いってのはWOWOWのミスリード、ってのも影響大きい気がします。
メイウェザー (エイト)
2014-09-19 02:12:21
今更ですがパッキャオの時はほんと不調だったのですね デラホーヤさん この時の試合はメイウェザーが不調だったように見えます コンディションは大切ですね

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