box観戦記録

100%自分用のリストです

ウラジミール・クリチコ対ジャン・マルク・モルメク(2012/03/03)

2012-03-04 13:30:33 | ボクシング

WBO・IBF・WBAヘビー級タイトルマッチ

3団体統一ヘビー級王者のウラジミール・クリチコ選手(Wladimir Klitschko)が元統一クルーザー級王者のフランス人ジャン・マルク・モルメク選手(Jean-Marc Mormeck)の挑戦を受けた一戦はドイツで行われ、ウラジ選手がイージーな4回TKOで勝利して統一王座の防衛に成功した一戦でした。

06年に獲得した2期目の王座を連続10度防衛中で、防衛中にイブラギモフ選手、ヘイ選手との統一戦にも完勝して3団体を統一し現在最も充実している王者のひとりでもあるウラジ選手。対する挑戦者のモルメク選手は元統一クルーザー級王者という実績を持つものの、その王座を手放したのは2007年のこと。クルーザー級王座を陥落後2年余りのブランクの後ヘビー級で再起を果たしますが2009年暮れから2010年の間にヘビー級で3試合戦って以降はこの日まで1年以上リングから遠ざかっている39歳。
誰がどう考えてもウラジ選手の勝利以外にはない、と予想した史上最悪レベルと言っていいミスマッチはその戦前の見方通りのワンサイドの内容に終始しました。
身体の大きさがまるで違う両者。両グローブで頭をがっちりと守りながら小さな体をさらに小さくするようなダックを繰り出しながら前へ出てウラジ選手の懐に潜り込んでしまうモルメク選手にファイトしようという意思は微塵も感じられません。
ほとんどまともな攻撃を見せぬまま2回にウラジ選手のワンツーでノックダウンを喫し、4回にワンツー左フックでフィニッシュされています。

EPIXStats: Mormeck Lands 3 Punches in Pitiful Showing


ウラジ政権が間もなく丸6年、ビタリ政権も約3年半と長期化し、兄弟2人でめぼしい相手をほぼ一掃してしまって相手がいないのは事実です。ただいくらなんでもいまさらモルメクって…とはこの試合の決定の報を聞いた時の率直な感想でした。
モルメク選手がこの日放ったパンチは一体何発でしょう?ジャブみたいに手を伸ばしたパンチみたいなものとか、クリンチ際でアリバイのように繰り出した右、なんかがありましたがそれもごく僅か。意志の込めた攻撃ってのはゼロだったでしょう。
(モルメクのこの試合での手数19。ヒットは3。ラウンドごとの手数、2,5,8,4。モルメクのファイトマネーは60万ドルとの事なので、パンチ1発当てて20万ドル。1ドル82円で計算して1640万円。)

まぁ事故が起きなくて良かったです。

ヘビー級王座通算16度目の防衛に成功したウラジ選手は57勝(50KO)3敗。モルメク選手は36勝(22KO)5敗。


試合動画(twitvd)

ヘビー級王者のKO数記録。(All-Time List: Most Career KOs By a Heavyweight Champ)
1:プリモ・カルネラ(69)
2:ジョージ・フォアマン(68)
3:エザード・チャールズ(58)
4:マックス・ベア(52)
5:ウラジミール・クリチコ(50)
6:ジョー・ルイス(49)
6:ジャック・デンプシー(49)
8:グレッグ・ペイジ(48)
9:トニー・タッカー(47)
10:シャノン・ブリッグス(45)
11:マイク・タイソン(44)
11:ラリー・ホームズ(44)
13:ハービー・ハイド(43)
14:トミー・モリソン(42)
15:ハシム・ラクマン(41)
16:ビタリ・クリチコ(40)
16:マイケル・モーラー(40)

※boxrecではカルネラ72KO、チャールズ52KO、Jルイス52KO、デンプシー50KO。


Wladimir Klitschko Demolishes Mormeck in Four Rounds(Alexey Sukachev/BoxingScene)
Klitschko vs Mormeck Results: Wladimir Wins Again In Utterly Embarrassing Mismatch(Scott Christ/Bad Left Hook)
Wladimir Klitschko KOs Jean-Marc Mormeck in Easy Win(Mick Akers/Bleacher Report)
写真
Photos: Klitschko Takes Out The Garbage, Decks Mormeck(BoxingScene)

ウラジミール・クリチコ対デビッド・ヘイ(2011/07/02)
ウラジミール・クリチコ対サミュエル・ピーター(2010/09/11)
ウラジミール・クリチコ対エディ・チェンバース(2010/03/20)
ウラジミール・クリチコ対ルスラン・チャガエフ(2009/06/20)
ウラジミール・クリチコ対ハシム・ラクマン(2008/12/13)
ウラジミール・クリチコ対トニー・トンプソン(2008/07/12)
ウラジミール・クリチコ対スルタン・イブラギモフ(2008/02/23)
ウラジミール・クリチコ対レイモン・ブリュースター(2007/07/07)
ウラジミール・クリチコ対レイ・オースティン(2007/03/10)
ウラジミール・クリチコ対カルビン・ブロック(2006/11/11)
ウラジミール・クリチコ対レイモン・ブリュースター(2004/04/10)

ジャン・マルク・モルメク対デビッド・ヘイ(2007/11/10)
オニール・ベル対ジャン・マルク・モルメク(2007/03/17)
2006/01/27/オニール・ベル(O'Neil Bell)対ジャン・マルク・モルメク(Jean Marc Mormeck)



最新の画像もっと見る

14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown ( )
2012-03-04 13:59:16
いくら人材難とは言え、凄まじいミスマッチでしたね。
昔のリカルド・ロペスvs平野も戦前から「おいおい」と思ったものですが、今回はそれ以上に試合になりませんでした。
世界戦と冠する以上、今後は安易なマッチメークはやめて欲しいです。
Unknown (すとれいと・くーがー)
2012-03-04 14:09:46
正直ウラジが手術した時延期じゃなくて中止にならないかな~、とひそかに期待してましたが普通に試合は行われてしまいました。
モルメクはウラジの世界戦の相手の中でも最も楽な相手の1人と言えるんじゃないでしょうか?
ウラジも今回はさすがに批判されても仕方ないでしょう。
Unknown (たこぼうず)
2012-03-04 14:38:37
この試合があまりにもミスマッチだという意見は管理人さんと同意見です。もう少し善戦するかと思いましたが予想以上に一方的でした。
管理人さんが仰るように大半のトップランカーをクリチコ兄弟が刈り取ってしまった現状。確かに私も今更モルメクって…とは感じましたが批判されるべきはウラジではなく、クリチコから逃げているポベトキン、ヘレニウスだと思います。
あまりにも実力差が有りすぎて判断できませんが、今日のクリチコの動きを観る限りコンディションが良さそうだっただけに、もう少し危険な相手との試合が観たかったです。
Unknown (CAMARO)
2012-03-04 15:03:41
ボクシングにそこまで詳しいわけじゃないですが、試合開始直後にモルメクの勝ちは無いな…と思った試合でした。
Unknown (Unknown)
2012-03-04 15:58:22
変な話ですが明らかな格下であるモルメク相手にも抜群のコンディションで仕上げてきましたね。
今回のクリチコは最近のキャリアでも特にキレのある動きに見えました。
まあ、実際には普段通りだったけど、相手との力関係の影響でそう見えただけかもしれませんけどね(笑)
Unknown ( )
2012-03-04 16:30:23
モルメクのパンチは、4ラウンドで19発・・・ここまで手数が少ないのも凄いですね。
ただ、試合を見てた印象だと5発くらいしか売って無さそうな感じでしたがw
Unknown (管理人)
2012-03-04 16:40:03
> さん
クリチコ兄弟とランカー達との差があまりにも大きすぎる、というのに尽きるんでしょうかね。
強すぎる不幸ですが、それでもこのカードでも客はいっぱい入ってた(ように見えた)ので、味をしめてまたこういうミスマッチを繰り返す、なんてことにだけはなってほしくないものです。

>すとれいと・くーがーさん
相手がいない、本人が強すぎる、とウラジに同情したくなる理由が結構多いミスマッチですが、この相手を選んだのもまたウラジ(側)。この点は仰るとおり批判に晒されて然るべきだと思います。

>たこぼうずさん
ボクシングで誰々が誰それから逃げている、とか避けている、みたいな論は非常に幼稚だと馬鹿にしてるわたくしですが、ポベトキンの場合はモロに逃げてますね。
ただウラジorビタリ対ポベトキン、というカードの魅力は他のランカーとやる場合とさほど差はない気もします。これが強すぎるゆえの不幸ですね。
ヘレニウスに関してはまだまだこれから、といった印象で逃げているという風には感じてませんでした。時期尚早だというのをチゾラ戦で証明もしてしまいましたし。

>CAMAROさん
初回を持ちこたえた事に少し感心しました。

>Unknownさん
どうなんでしょうかね。ほとんど無抵抗というか全くファイトせず身体を寄せてウラジのパンチを殺すことだけに専念してる相手。
さらには倒れどころを探っているみたいな(うがちすぎ?)完全に戦意を喪失している相手でしたからウラジのコンディションに関しては私はよくわかりませんでした。
Unknown (管理人)
2012-03-04 16:42:47
> さん
私も全く同感です。初回なんか2発ぐらいしか出してなかった・・・ってデータもその通りですね。
19発という数字を見て、そんなに出してたのか、と思うのがまた異常ですよね。
Unknown (Unknown)
2012-03-04 16:49:29
ウラジが批判される以前に、最も非難されて然るべきは、試合する前から既に心が折れてしまっているモルメクでしょう。
Unknown (tarou)
2012-03-04 17:24:17
モルメクは置いといて、ウラジの動きは良かったですね。特に右のキレが素晴らしかったです。
あんなん食らったらここ10年分の記憶が飛びそうですね。
私はクリチコ兄弟は、ヘレニウス、ワルーエフとの試合が見てみたいです。特にワルーエフが倒れるシーンを見たいですね。

コメントを投稿