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クリス・ジョン対ファン・マヌエル・マルケス(2006/03/04)

2006-03-04 12:53:37 | classic

WBAフェザー級タイトルマッチ

今週末テキサス州で注目の大一番を控えるファン・マヌエル・マルケス選手(Juan Manuel Marquez)とクリス・ジョン選手(Chris John)。この両者が3年前にインドネシアで激突し論議を呼んだ判定の末にジョン選手が勝利した一戦を振り返ってみます。(体格比較)

WBA・IBF統一王者としてフェザー級の頂点に君臨していたメキシコのファン・マヌエル・マルケス選手。WBA王者のクリス・ジョン選手との一戦を前に保持していた両タイトルを剥奪されて無冠となっていましたが、格はマルケス選手が明らかに上。それまで4度の防衛に成功しているジョン選手の地元インドネシアに乗り込んでの戦いでしたが、マルケス選手の勝利をファンの多くは予想していたのですが、結果はマルケス選手にとって不運なものになってしまいました。

試合はジョン選手の長く正確で速いストレートパンチがリードする立ち上がり。マルケス選手にとってはやや遠く感じられる距離からのジョン選手の攻撃が軽いものの非常に正確にヒットしていました。マルケス選手もジョン選手の攻撃に合わせて踏み込み、距離を詰めてからの力強いコンビネーションで対抗しますが、試合前半戦はジョン選手のアウトボクシングがややリードしていた流れに見えました。
5ラウンド目にマルケス選手がプレスを強め、またそれまでは右のオーバーハンドで踏み込んでいく事が多かった攻めを改めて、左ジャブ・フックから仕掛けていくように戦術を変えて以降少しづつマルケス選手がリズムを掴んでいきます。
6・7回はジョン選手が再び距離をキープするラウンドでしたが、8回からは再度プレスを強めたマルケス選手がペースを奪い返します。9回終了間際には強烈な右クロスから左アッパーをボディへフォローして王者の足元をもつれさせる場面を演出。以降マルケス選手が終始押し気味の流れのまま最終ゴングを聞いたクロスファイトでした。

しかしこの試合の大きなポイントとなった場面が10回にありました。それまでに再三レフェリーに注意されていたマルケス選手のローブローに対してこのラウンド減点が告げられます。注意を受けていたもの&減点対象となったもの、いずれもベルトライン上のものだったように見えてちょっと厳しいようにも感じられたのですが、それまで何度も注意警告がされていたのでこれはレフェリーの判断としては正しかったのかもしれません。
しかしこの減点以降マルケス選手のボディブローがそれまで以上に低く入る場面が増えていきます。たまたま低く入ってしまっただけにすぎないんでしょうが、これは非常に悪印象でした。レフェリーとしても1度減点を宣告している以上、減点を告げた低打以上の低く入るパンチに対しては対応せざるを得ず、続く11回に2度目の減点がマルケス選手に告げられる事になってしまいました。

公式の採点結果は117-111,116-110,116-112の3-0ジョン選手の勝利というものでした。
結果的に2点の減点が無くてもジョン選手が勝利していたという公式結果はちと疑問に感じてしまいました。
非常にレベルの高い技術を応酬しあうクロスファイトだったので、2ポイント貰ったジョン選手勝利、という結果はある程度納得のいくものだったと感じました。しかし不自然に開いていたポイント差がこの試合の印象を「地元判定」「不当な判定」というものにしてしまったように感じます。
ちなみにわたくしめのドシロート採点は113-113ドロー。

マルケス選手と互角に渡り合う高い技術を見せたジョン選手の実力は紛れも無く本物でした。しかし地元判定と言われてもしょうがない判定結果が、ジョン選手の実力が正当に評価される障害となっているように思えてなりません。(その後現在まで王座防衛を続けその実力を証明していますが)

 

Juan Manuel Marquez vs Chris John

 


さて、今週末のテキサス州の興業はかなりの好カード2本立ててでムチャクチャ楽しみです!
まずは現在全階級を通じて最も熱いとも言えるライト級の頂点を決める好カード、元統一ライト級王者ファン・ディアス対元2階級制覇王者ファン・マヌエル・マルケス戦。
さらにインドネシアのV10王者クリス・ジョン選手が米国の強豪ロッキー・ファレス選手の挑戦を受ける一戦。

先日ネート・キャンベル選手が体重超過で統一王座を失った事を受けて、空位のWBA・WBO王座決定戦としての開催となったディアス対マルケス戦。
WBAはどさくさにまぎれた感は否めませんがw世界王座も賭けられてライト級最強決定戦に相応しい形になったのではないでしょうか。
ノンストップ攻撃でとにかく攻めまくる若いディアス選手と高い技術力と闘志を両立させるマルケス選手の総合力の高いボクシング、というスタイルの激突にも興味が沸きます。
接近戦での戦いに技術の高さも感じさせるディアス選手は決して単なるブルファイターではありません。パンチの強さの面での脅威は無いディアス選手ですが体力面でマルケス選手がどの程度対抗できるか、できないかってのが試合の鍵でしょうか。ディアス選手が体力面で思ったほどの優位性を生かせなかった場合、マルケス選手のシャープなカウンターを前に接近する事ができずに持ち味を発揮できずに完敗、という展開も予想できるかと。マルケス選手有利と私は予想します。

そして米国リング初登場となるジョン選手の11度目の防衛戦も楽しみです。米国ファンにはおなじみの名前ロッキー・ファレス選手を相手にその高い技術を見せ付ける内容での勝利が見たいですねぇ。
ファレス選手が得意とする距離での攻防を回避することができればジョン選手が危なげなく勝利を掴む事ができるのではないでしょうか?技術力を武器に戦うファレス選手にとってジョン選手の距離は厄介なものになると予想します。
久しぶりにフェザー級で戦う事になるファレス選手のパワーと伸びのあるジャブ、左フックは脅威ですが・・・
願望を込めてジョン選手の大差判定勝利と予想します。

楽しみです!

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (プクー)
2009-02-28 01:17:41
これは自分も楽しみです。
実績からいえばマルケス、ジョンの勝利でしょうが相手の戦力があなどれません。しっかり自分のボクシング貫けば相当手ごわい挑戦者です。これで大差で勝利するようであれば頭ひとつ抜けた強さということでしょうが・・・自分としてはアジアのジョンに頑張って欲しいですがジョンはこのマルケス戦よりも榎戦の方が打たれたイメージがあります。この相手に難なく勝利するなら本物中の本物ですね。
Unknown (管理人)
2009-02-28 15:13:28
>プクーさん
今日やっていたESPNのフライデーナイトファイトで解説を務めているテディ・アトラス氏は、マルケス対ディアス戦はディアス選手の勝利との予想してました。
氏曰く「10歳の若さ、サイズ(ナチュラルライトって事でしょう)、旺盛な手数でディアスが優る」

アトラス氏も言うようにパワー、体力の差がどの程度あるのかってのが試合の大きな鍵になりそうですね。
ジョン有利との私の予想は日本人にも馴染みの選手の活躍を望む気持ちが多分に含まれての物ですがw、ファレスのクールすぎるというか覇気の感じられないボクシングの限界を感じてしまっているってのも大きいです。良い選手なんですが・・

どちらの試合も予想が難しくて本当に楽しみです。

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